最終更新日:2021年10月5日 14時28分
単純移動平均線(SMA)とは?計算方法や他の移動平均線との違いも紹介
単純移動平均線(Simple Moving Average:SMA)は簡単に求められる
トレンド系テクニカル指標として最も多くの人に利用される移動平均線には、さまざまな計算方法による線種があります。ここでは、基本となる単純移動平均線の計算方法を解説します。
移動平均線とは、その名の通り一定期間の価格の平均を算出し、それを結んでグラフ化したものです。単純移動平均は終値をn期間分合計し、nで割ることによって求められます。常に直近のn期間で計算し、その計算対象の数値は1日ずつ移動していきます(日足の場合)。
日付 | 始値(Open) | 高値(High) | 安値(Low) | 終値(Close) | 5SMA |
---|---|---|---|---|---|
1日目 | 106.15 | 106.69 | 105.84 | 106.54 | - |
2日目 | 106.48 | 106.88 | 106.36 | 106.74 | - |
3日目 | 106.75 | 106.95 | 106.65 | 106.67 | - |
4日目 | 106.67 | 107.15 | 106.66 | 106.97 | - |
5日目 | 106.97 | 107.97 | 106.95 | 107.96 | 106.97 |
6日目 | 107.96 | 108.64 | 107.82 | 108.36 | 107.34 |
7日目 | 108.28 | 108.94 | 108.24 | 108.86 | 107.76 |
表1では、期間5のSMA(5SMA)を求めています。終値の5日分を合計して、5で割った数値が「5SMA」の列に表示されています。赤、青、緑で囲った数値の平均は、それぞれの色の5SMAの数値に対応しています。このように、最も古いデータを外し、最も新しいデータを入れる計算を繰り返し行います。計算自体は非常に単純であると言えます。
単純移動平均線は相場の流れが一目で分かる!
移動平均線の狙いは、「平均を取ることで価格変動を平滑化する」ことです。それにより、価格変動の流れが分かりやすくなります。画像1では、異なる期間5と期間20の単純移動平均線(それぞれ5SMA、20SMA)を表示しています。
5SMA(青)はローソク足の変動に近い形で上下動を示し、20SMA(赤)はより平滑化された動きを示していることが分かります。20MAの傾きを見ると、緩やかな下落基調が続いた後に上昇基調に転じたのが一目で分かります。
【画像1/2本の単純移動平均線】
5SMA(青) 20SMA(赤)
このように、期間(パラメータ)の設定によって移動平均線の性質は変化します。大きな特徴として、短期の移動平均線は、平均化に用いる価格が少ないため、直近の値動きの傾向が反映されやすく、トレンドの初動を探る場面で重宝します。一方で、短期的な値動きのノイズに過敏に反応してしまうというデメリットもあります。
これに対し、長期の移動平均線は平均化に用いる価格が多いため、直近の値動きの影響は限定的で、価格の動きに対してゆっくりと反応していく傾向があります。このため、トレンドの初動を把握することが難しいというデメリットがありますが、価格の方向性がしっかりと出てから反応するため、短期的な値動きのノイズに振り回されるリスクは軽減するといったメリットがあります。
短期・長期のいずれの期間にも長所・短所がありますが、それを理解した上でどの期間の移動平均線を用いて分析するかを考える必要があります。
価格への追従性へ高めた応用版の移動平均線
単純移動平均線は、その名の通り単純な計算によるものであり、値動きを敏感に捉えることを得意としていません。その役割を期待するならば、単純移動平均線(SMA)から派生した応用版の移動平均線を利用すると良いでしょう。
例えばMT4(Meta Trader4)/MT5(Meta Trader5)に標準搭載されている指数平滑移動平均線(EMA)、線形加重移動平均線(LWMA)は値動きへの感応度が高い特徴があり、トレンド転換を素早く察知することなどに役立ちます。
画像2では、チャート後半から発生する上昇トレンドに対して、LWMA(緑)>EMA(赤)>SMA(青)の順に反応していることが分かります。
【画像2/3種類の移動平均線の比較】
SMA(青) EMA(赤) LWMA(緑) ※全て期間20
監修:山中康司氏
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