12本の移動平均線を組み合わせるGMMA(複合型移動平均線)
6本ずつのグループを分析
移動平均線の使い方として、複数本組み合わせて分析する方法が広く知られていますが、その中でも最も多くの組み合わせ例だといえるのが、12本の指数平滑移動平均線(Exponential Moving Average:EMA)を用いるGMMA(Guppy Multiple Moving Average)です。
オーストラリアのダリル・ガッピーによって開発されたもので、日本語では複合型移動平均線と訳されます。12本のEMAは、2つのグループに色分けして表示するのが一般的です。第1グループは短期の投機筋(トレーダー)のアクティビティ、第2グループは長期の投資家(インベスター)のアクティビティを示すと考えます。各EMAのパラメータは下表の通りです。
第1グループのパラメータ | 3、5、8、10、12、15 |
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第2グループのパラメータ | 30、35、40、45、50、60 |
画像1/GMMA

第1グループ(青) 第2グループ(赤)
GMMAはEMAをベースにしているので、基本的な使い方としてはトレンドフォローを考えます。端的に言えば、「投資家の動き=第2グループ(赤)でトレンドの強さを測り、そのトレンドに乗る」「投機筋の動き=第1グループ(青)で短期的な動きを判断し、マーケットのだましを読む」と考えます。
なお、オリジナルのGMMAは12本のEMAのみを表示し、ローソク足を表示しません。これは大局の判断にローソク足は不要であるという考え方からきています。しかし、現在の取引レートを見るためにも、ローソク足は表示した方が分かりやすいといえます。
GMMAでの分析のポイント
GMMAの基本的な使い方は、第1グループと第2グループの形状から、中長期のトレンドを判断することです。同一グループにおけるEMAのクロスは考慮しません。つまり、各EMAを線としてとらえるのではなく、それぞれのグループを面でとらえる見方をします。GMMAでの分析のポイントは、以下の6つです。
GMMAでの分析のポイント |
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(1) 第2グループ(赤)の各線が平行に推移している間のトレンドは強い |
(2) 第1グループ(青)の拡散は、短期トレンドに変化の兆しがある |
(3) 1つのグループの収束は、そのグループにおける価格の均衡(もみ合い) |
(4) 2つのグループ間の距離が離れているときのトレンドは強い |
(5)第1グループ(青)が第2グループ(赤)に近づく、あるいは交差し始めても抜けない場合は、再エントリーのチャンス |
(6) 2つのグループが同時に収束する場合は、長期トレンドに変化の兆しがある |
画像2/チャートで6つのポイントを確認

これらだけで、トレンドの継続と強さ、変化の兆し、もみ合いなど、チャート分析に必要な事項はカバーできます。そのため、他のテクニカル指標の助けを借りず、GMMA単独の利用でも十分だといえます。
監修:山中康司氏
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