テクニカル分析解説

移動平均線(MA)の代表的なパラメータとそれぞれの期間の違い


移動平均線(Moving Average:MA)の代表的な短期線と中期線の期間は?


多くの人が利用する移動平均線ですが、皆はどんな期間(パラメータ)を用いているのでしょうか?他者の目線を知る意味でも、皆が見ている期間を把握しておくことは重要だと考えられます。一般的には、日足を基準に考え、1週間の営業である5日間、あるいは1か月の営業日である20日間(もしくは21日間)がよく用いられています。これらがいわゆる短期線、中期線の代表的なパラメータです。

画像1/移動平均線の代表的な短期線と中期線

画像1/移動平均線の代表的な短期線と中期線

5日移動平均線(青) 20日移動平均線(赤)

短期線と中期線の2本をチャートに表示すると、トレンドの判断がしやすくなります。見方は簡単で、ローソク足>5日移動平均線>20日移動平均線の位置関係は上昇トレンドを、それとは逆の位置関係は下降トレンドを示唆するものと考えられます。また中期線では、25日間という期間が用いられることもあります。

これは古い時代に、東京証券取引所の1か月の営業日が25日だったことの名残だと言われています。なお、20日と25日を並べてみると、その形状は劇的に変わるわけではないことが分かります。

画像2/20日線と25日線の違い

画像2/20日線と25日線の違い

20日移動平均線(赤) 25日移動平均線(紫)


移動平均線の代表的な長期線の期間は?


短期線、中期線よりも、さらに長期のパラメータとなると、55日、90日、200日などが多く利用されています。55日や90日は値動きに近い動きを、200日はより大局を示すのが特徴です。

画像3/ 55日線、90日線、200日線の違い

画像3/ 55日線、90日線、200日線の違い

55日移動平均線(緑) 90日移動平均線(橙) 200日移動平均線(桃)


株式の世界で好まれる移動平均線の期間


株式の世界では、週足において13週、26週が好んで用いられる傾向もあります。それぞれ四半期と半期に該当するのが、その理由です。

画像4/13週線と26週線

画像4/13週線と26週線

13週移動平均線(青) 26週移動平均線(赤)


フィボナッチ数の採用の定番


移動平均線のパラメータとして、フィボナッチ数から選んで3、 5、 8、 13、 21、 34、 55、 89、 144といった期間を使う考え方もあります。既に取り上げた5日、20日、55日、90日、そして13週、26週などは、フィボナッチ数に(ほぼ)同じ数値があることが分かります。カレンダー(日数)の観点からも、フィボナッチ数の観点からも、多くの人に用いられるパラメータは共通しているのです。

画像5/フィボナッチ数による短期線、中期線、長期線

画像5/フィボナッチ数による短期線、中期線、長期線

5日移動平均線(青) 21日移動平均線(赤) 89日移動平均線(緑)

なお、この記事では主に日足を基準として、移動平均線のパラメータを紹介しましたが、これらは汎用性のある数値です。日足より時間軸が短期でも長期でも、同じように用いられると考えられます。

監修:山中康司氏

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