テクニカル分析解説

同じ期間の移動平均線(高値+安値)を組み合わせた手法


交差はせずバンドが示されるだけ


2本の移動平均線(Moving Average:MA)を用いたチャート分析では、異なる期間のパラメータを採用し、それらが交差するゴールデンクロス/デッドクロス(GC/DC)や、接近・乖離するタッチ&ゴー、乖離からの逆張りなどを売買シグナルとして考えるのが一般的です。それとは別に、「同じ期間のパラメータを、異なる適用価格で組み合わせる」という方法もあります。例えば、「高値と安値」「終値と始値」などです。

ここでは、高値移動平均線と安値移動平均線を用いる方法を紹介します(終値移動平均線と始値移動平均線の組み合わせについては、別の記事で紹介します)。ちなみに、MT4/MT5ではチャートに移動平均線を挿入する際、パラメータ設定画面で7種類の適用価格(移動平均の算出対象となる価格)が選べます。今回紹介するのは、高値(High)と始値(Low)の組み合わせです。

画像1/MAのパラメータ画面

MAのパラメータ画面

2本の移動平均線を用いる分析方法では、それらの交差に着目するのが一般的です。しかし、この高値移動平均線と安値移動平均線の組み合わせは交差することがなく、ローソク足の上下にバンドが示されるだけというのが特徴です。

画像2/高値と安値のバンドが示される

高値と安値のバンドが示される

3日高値移動平均線(赤) 3日安値移動平均線(青)


1日分先行表示させるのがポイント


ここでは、3日高値移動平均線と3日安値移動平均線を組み合わせた手法を紹介します。ポイントは、移動平均線を1日先行表示させることです。そうする理由は、当日のライブレートを適用すると、レートの変化に応じて移動平均線の形状も変化してしまうからです。

1日先行させるということは、当日の移動平均の値が2日前から4日前のレートで計算されますが、これにより当日の値動きで形状が変化しないようにできます。MT4/MT5では、先に解説したパラメータ設定画面において、「シフト」に任意の期間を入力することで、移動平均線の表示位置が変更されます。

画像3/シフトの期間をずらして表示

シフトの期間をずらして表示

3日高値移動平均線(赤) 3日安値移動平均線(青)


主な用途はポジションの決済目安


基本的に、上下に表示されたバンドを抜けた際にトレンドが変化するという考え方をし、主にポジション決済の目安として用います。つまり、サポートラインの役割を果たす安値移動平均線をローソク足が下抜いたときに買いポジションの仕切り、レジスタンスラインの役割を果たす高値移動平均線をローソク足が上抜いたときに売りポジションの仕切りと考えるわけです。

画像4では、分かりやすい上昇/下降トレンドと、その決済目安の箇所に印をつけました。ショートの仕切りでは3日高値移動平均線(赤)を陽線が上抜け、ロングの仕切りでは3日安値移動平均線(青)を陰線が下抜けしていることが見て取れるでしょう。

画像4/決済の目安として用いる

決済の目安として用いる

3日高値移動平均線(赤) 3日安値移動平均線(青)

なお、この手法から発展して、トレンド方向のみの移動平均線を表示するよう改良したHiLoアクティベータというインジケーターがあります(MT4/MT5では非搭載で、カスタムインジケーターを用意する必要あり)。これは、著名なトレーダーであるW・D・ギャンが開発したものです。こちらも別の記事で紹介します。

ギャンのHiLoアクティベータとは?使い方や取引手法を紹介

監修:山中康司氏

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