テクニカル分析解説

ハル移動平均線とは?言葉の意味や他の移動平均線との違いを紹介


遅延やダマシを少なくしたハル移動平均線


ハル移動平均線は、多くの種類の移動平均線が弱みとしている遅延を軽減し、さらにダマシも少なくするよう開発されたものです。英語では「Hull Moving Average」と表記し、その頭文字を取ってHMAと略されます。オーストラリアのアラン・ハルにより開発されました。

直近の値動きを重視して計算する加重移動平均(Weighted Moving Average:WMA)を組み合わせ、さらに一定の係数で均すことにより遅延やダマシを少なくした、多重移動平均線(移動平均線の移動平均線)です。 例えばn期間のハル移動平均線は、「n÷2日WMAを2倍したものから、n日WMAを引き、その結果をnの平方根日WMAで均す」という計算で求めます。

21日という期間なら、10WMAつまり直近10日間に過剰なウェイトをかける、さらに平方根パラメータで均すという計算を行うわけです。こうした過剰な移動平均を取るため価格変動への追従性が良くなり(画像1参照)、時には価格を追い越してしまうこともあり得るのが、特徴の一つです。

MT4/MT5には標準搭載していないので、カスタムインジケーターを入手する必要があります。なお、カスタムインジケーターの種類によっては、上記の計算からさらに均したものもあり、その場合は本来の計算式の形状から大きく変わってしまうことに注意が必要です。

画像1/ハル移動平均線

ハル移動平均線

代表的な移動平均線と比較


ハル移動平均線の特徴は、その他の移動平均線と見比べると一目瞭然です。画像2には、期間20のハル移動平均線(HMA)、単純移動平均線(SMA)、指数平滑移動平均線(EMA)を表示しています。HMA(緑・橙)がローソク足に寄り添うよう推移しているのに対して、SMA(青)やEMA(赤)は比較的離れた位置を緩やかに推移している様子が分かります。

例えば、チャートの右端ではHMAが下向きに転換しているのに対して、SMAやEMAはまだ上向きに推移しています。このように、HMAは実際のローソク足の動きを追従し、同じパラメータのSMAやEMAとは全く異なる動きになることが分かります。

画像2/HMA、SMA、EMAの比較

HMA、SMA、EMAの比較

ハル移動平均線を用いる場合は、1本だけの表示で十分です。ローソク足への追従性が非常に良く、その傾きを見ることで、相場の方向性を簡単に判断できます。他の種類の移動平均線と同じように短期線と長期線を組み合わせて使う方法も考えられますが、まずはシンプルに1本のだけで今のトレンドを見極める使い方がお勧めです。

監修:山中康司氏

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