テクニカル分析解説

上位時間軸の流れが分かるMTF移動平均線


いつくかの意味を持つMTF


MTFとは「Multiple Time Frame」の略字で、日本語では複数時間軸(マルチタイムフレーム)のことです。MTFというと、いくつかの内容・用いられ方があるので、まずはそれぞれの差異を知っておきましょう。 まず、アレクサンダー・エルダーの「トリプルスクリーン」という、複数時間軸のチャートを並列表示する方法が有名です。

これは一つの画面(スクリーン)に月足、週足、日足を並べて見るというシンプルなものです。次に、KST(Know Sure Thing)という、一つのインジケーターの中に異なる複数のパラメータ(4種類の時間軸のROC)を内包するものあります。そして最後に、ロバート・クラウスが提唱した、通常使用するチャート(Qwn Period)の上に、上位時間軸(Highest Period,Next Period)で使うインジケーターを表示する方法があります。

一般的にMTFという場合は、最後の内容を指す場合が多いです。そして、この記事のテーマであるMTF移動平均線とは、通常使用のチャート上に上位時間軸の移動平均線を表示するものです。画像1のように、MTF移動平均線(赤)は階段状のラインで表示されるのが特徴です。

画像1/MTF移動平均線

MTF移動平均線

階段状の見た目となるMTF移動平均線


MTF移動平均線の特徴は、チャートの時間軸を切り替えることなく、一つのチャートで上位時間軸の移動平均線を確認できることです。画像2は、ドル円の日足に20週移動平均線を表示しています。このように日足チャートを見ながらも、週足の移動平均線がサポートやレジスタンスとして機能することを見ることができます。

移動平均線といえば一般的に曲線が連想されますが、MTF移動平均線の場合は階段状です。例えば、週足の移動平均線は金曜日の終値で計算されるため、その1週間は同じレートが表示され、その変わり目に階段状の動きが現れます。

画像2/日足チャートと20週移動平均線

日足チャートと20週移動平均線

MTFの考え方でよく効果的だと言われるのは、通常使用のチャートに対して5倍以上の期間の上位時間軸を組み合わせることです。つまり、「日足-週足」の他、「5分足-1時間足」「1時間足-日足」などが推奨されます。なお、1時間足チャートにおける120時間移動平均線と5日移動平均線は似て非なるものです。

24時間×5日=120時間ということで、同じ「5日分」の移動平均線ではあるものの、画像3のように明確な形状の近いがあります。それぞれの特徴を把握した上で、分析に役立てると良いでしょう。

画像3/120MAと、5日

120MAと、5日

監修:山中康司氏

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