用語解説

レンジ相場とは|相場の見分け方・活用しやすいインジケーターを詳しく解説


レンジ相場とは、為替や株式などの価格が一定の範囲(レンジ)内で推移する動きを指します。

FX取引や株式投資においては、レンジ相場の局面を適切に認識することが、安定した利益につながる重要なポイントの1つとなります。

本記事では、レンジ相場の見分け方や、トレンド相場との違い、さらにテクニカル指標を活用した確認方法について解説します。

レンジ相場とは

レンジ相場の意味や特徴、トレンド相場との違いについて解説します。

  • ・意味
  • ・特徴

意味

レンジ相場とは、価格が明確な方向性を示さず、一定の高値と安値の範囲内で推移する市場の動きを指します。

ボックス相場やもみ合い、保ち合い(もちあい)、レクタングルなどの別名で呼ばれることもあります。

市場において方向性が生まれる材料が不足し、大きな変動が見られない場合や、市場参加者が明確な方向性を見いだせない場合に、レンジの相場状態が形成されます。

レンジ相場

特徴

レンジ相場の特徴は、買い手と売り手の均衡が保たれ、結果として価格が限定された範囲内で推移することです。

このため、主に高値圏(レンジ上限)での売り、安値圏(レンジ下限)での買いといった逆張りの取引が効果的です。

レンジ相場と判断できる場面においては、逆張りで小さな利益を重ねていく取引が適していると考えられます。

なお、レンジ相場の上限のラインはレジスタンスライン(上値抵抗線)、下限のラインはサポートライン(下値支持線)と呼ばれます。

レジスタンスライン・サポートライン

FX取引でのレンジ相場とトレンド相場の見分け方

FX取引でのレンジ相場とトレンド相場の見分け方については、以下のテクニカル指標を使用するのが王道です。

  • ・移動平均線での見分け方
  • ・ボリンジャーバンドでの見分け方
  • ・RSIでの見分け方

移動平均線での見分け方

移動平均線は、過去の一定期間における終値の平均値を線でつなげたもので、価格のトレンドを視覚的に把握することができます。

レンジ相場では、移動平均線は横ばいになり、ローソク足と頻繁に交差します。

トレンド相場では明確な傾斜があり、上昇トレンドでは移動平均線も上向き、下落トレンドでは下向きになります。

実際のチャートで見てみると、オレンジ色の矢印の範囲がトレンド相場で、青い矢印の範囲がレンジ相場です。

移動平均線での見分け方
出典:TradingView

ボリンジャーバンドでの見分け方

ボリンジャーバンドは、移動平均線を中心としてその上下に標準偏差を表示するインジケーターです。

一般的に、バンドの収縮と拡大によって、相場状況がトレンドなのかレンジなのかを示唆します。

ボリンジャーバンドでの見分け方
出典:TradingView

上画像では、ボリンジャーバンドがエクスパンション(拡大)し、一方向に価格が動いており、上昇トレンドと判断できます。

ボリンジャーバンドでの見分け方
出典:TradingView

一方、こちらの画像では、ボリンジャーバンドがスクイーズ(収縮)し、価格が一定の範囲で推移しており、レンジ相場と判断できます。

このように、ボリンジャーバンドのエクスパンションとスクイーズにより、トレンドなのかレンジなのかを簡単に判断することができます。

ボリンジャーバンドについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

RSIでの見分け方

RSI(相対力指数)は、オシレーター系のテクニカル指標で、相場の売られすぎや買われすぎを判断するために使用されます。

RSIは0%~100%の値で示され、一般的に30%を下回ると売られすぎ、70%を上回ると買われすぎと考えられます。

レンジ相場では、RSIは以下のチャートのように30〜70%の範囲に留まりやすい傾向があります。

RSIでの見分け方
出典:TradingView

一方、トレンド相場では、以下のチャートのように上昇トレンドなら70%を上回り、下落トレンドでは30%を下回る傾向があります。

RSIでの見分け方
出典:TradingView

レンジ相場での取引手法

レンジ相場での取引手法のポイントをまとめると、以下の通りです。

  • ・レンジ相場では逆張りする
  • ・レンジブレイクしたら順張りする

レンジ相場では逆張りする

レンジ相場では、上限・下限の付近で逆張りを行うのが王道です。

上限付近で売り、下限付近で買いでエントリーします。

レンジ相場では逆張りする

上限に近づく際の相場は上昇していますが、上限付近で売りを仕掛けるため、逆張りになります。

逆に下限に近づく際の相場は下落していますが、下限付近で買いを仕掛けるため、やはり逆張りになります。

狙い通り上限・下限で相場が反転すれば利益が得られます。

レンジブレイクしたら順張りする

レンジブレイクとは、価格が一定の範囲内で動いていたレンジ相場から抜け出し(ブレイクし)、新しいトレンドが生まれる現象のことです。

レンジブレイクが起きたら、基本は順張りを仕掛けます。

下図の通り、上昇レンジブレイクであれば買い、下落レンジブレイクであれば売りでエントリーします。

レンジブレイクしたら順張りする

レンジブレイクが起きたら、しばらくは抜けた方向に相場が偏る傾向があります。

そのため、上昇なら買い、下落なら売りという順張りトレンドフォロー)を仕掛けます。

レンジ相場に関するQ&A

レンジ相場に関する、よくある以下の疑問について解説します。

  • ・トレンド相場との違いは何ですか?
  • ・レンジブレイクとは何ですか?

トレンド相場との違いは何ですか?

レンジ相場は、価格が一定の範囲内で上下に動く相場のことで、方向性が定まっていません。

一方、トレンド相場は価格が一方向に継続的に動く相場を指し、上昇トレンドまたは下落トレンドとして現れます。

トレンド相場の性質をトレードに利用する場合、価格の動きに乗る順張りトレンドフォロー)が効果的です。

一度発生したトレンドはしばらく続く傾向があるため、大きな値幅が期待できます。

ただし、予想とは反対のトレンドが発生した場合には、大きな損失が生じてしまうリスクがあるため注意が必要です。

トレンド相場との違い
出典:TradingView

レンジブレイクとは何ですか?

レンジブレイクは、価格がレンジ相場から抜け出し(ブレイクし)、新しいトレンドが生まれる現象のことです。

市場参加者の間で買いと売りの力が均衡していた状態(レンジ相場)が終わり、ブレイクした方向へ買いまたは売りの勢いが強まっていきます。

レンジブレイク
出典:TradingView

価格がレンジ相場の上限(レジスタンスライン)または下限(サポートライン)を突破すると、ブレイクした方向にトレンドが発生する傾向があります。

これは、レンジを抜けて新たな買いまたは売りの注文が市場に流入することや、レンジの上限や下限付近に置かれたストップロスを巻き込むことが関係しています。

OANDAが提供する「市場開始レンジ戦略」のインジケーター

OANDA証券では「市場開始レンジ戦略」という考え方に基づいたMT4インジケーターを提供しています。

  • ・市場開始レンジ戦略とは
  • ・市場開始レンジ戦略のインジケーター

市場開始レンジ戦略とは

「市場開始レンジ戦略」とは、「各通貨の主たる市場が開始された後の一定時間の高値・安値は、その後のトレンドを見定める際に重要な目安となる」という考えを基に作成された戦略です。

各市場(東京、ロンドン、NY)の序盤の一定期間のレンジを基準に上下いずれの方向に抜け出すかを探り、抜けた方へのエントリーを検討するというものです。

価格が基準となるラインを突破するだけでなく、その水準に一定期間留まったか否かも、エントリーの判断基準に入れているのが特徴です。

市場開始レンジ戦略のインジケーター

上述した戦略の判断に必要なライン等を、MT4のチャート上に表示するインジケーターが「市場開始レンジ戦略インジケーター」です。

市場開始レンジ戦略インジケーターの設定方法などは、こちらの記事で詳しく解説しています。

【まとめ】レンジ相場とは|相場の見分け方・活用しやすいインジケーターを詳しく解説

レンジ相場は、価格が一定の範囲内を行き来する市場状態を指します。

市場に材料が不足している場合や、市場参加者が方向性を見いだせない場合に現れやすい傾向があります。

トレンド相場とは異なり価格が明確な方向性を示さないため、小さな利益をコツコツと積み重ねるトレードが適しています。

レンジ相場での戦略の1つとして、レンジ上限で売り、下限で買うという逆張り手法があります。

レンジ相場における値動きの把握には、テクニカル指標を使用するのが一般的です。

移動平均線、ボリンジャーバンド、RSIなどのテクニカル指標を用いることで、レンジ相場とトレンド相場の判断がしやすくなります。

これらのテクニカル指標や分析手法については、以下のコンテンツで詳しく解説しています。

また、OANDA証券ではオリジナルのテクニカル指標(インジケーター)も提供しています。

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