逆張りとは|意味・使えるインジケーターを紹介
FXで利益を狙う手法の1つに「逆張り」があります。
相場の流れに沿ったトレードをする「順張り」とは反対の性格の手法で、相場の流れに逆らうトレードをするのが特徴です。
相場に逆らうリスクがあるため、基本的なポイントや注意点、実際のトレードで用いるテクニカル指標などを、事前によく理解しておくことが重要です。
逆張りで勝つためには、トレンド転換の予測をすることやエントリーが有効な場面でトレードすることが求められます。
本記事では、逆張りに有効な場面や、トレンド転換を予測するための取引手法について詳しく解説していきます。
逆張りとは
FX取引における逆張り(ぎゃくばり)とは、相場の流れと逆の方向のポジションを持つことを指します。
つまり、上昇トレンドが続いているときに売り、下落トレンドが続いているときに買うトレードを行うことです。
トレンドの転換のタイミングをうまく掴むことができれば利益が大きくなります。あるいは、短期的なオーバーシュート(相場の行き過ぎ)の修正を狙うような場面では、勝率が高くなるという点で人気がある方法です。
また、トレンドが転換するギリギリまでエントリーを引き付けることで、結果的に損切りまでの距離を短く設定できる点も、逆張りのメリットの1つです。
一方、逆張りのデメリットは、狙いに反してトレンドが続いてしまうと損失が増え続けるということです。
それに対しては、しっかりと損切りを行うことで対策がとれます。
逆張りと順張りの違い
逆張りとは反対に、相場の流れと同じ方向のポジションを持つことを順張りと呼びます。
相場が上昇トレンドの場合は買い、下落トレンドの場合は売りのトレードを行うことです。
一般的にFX市場では、トレンドが発生するとしばらく続くこともあるため、順張りは王道的な手法であるとされています。
順張りについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
FXで逆張りのエントリーをする際のポイント
FXで逆張りのエントリーが有効な場面はいくつか考えられます。以下のポイントを意識することが重要です。
- ・要人発言を狙う
- ・レンジ相場を狙う
- ・反発を狙う
要人発言を狙う
FXの要人発言とは「その国の金融政策や経済などに対して、大きな影響をもたらす人々による発言」のことです。
具体的には、中央銀行総裁、財務大臣、政府高官などが、要人に該当します。
日本・米国・欧州に関していえば、以下の人々が要人に該当します。
- ・日本銀行総裁・副総裁
- ・FRB(米連邦準備制度理事会)議長・理事
- ・ECB(欧州中央銀行)総裁・理事
- ・財務大臣・財務長官・財務官
これらの要人の発言内容と影響の例を挙げると、以下の通りです。
発言内容 | 政策金利 | 通貨価値 |
経済に「強気」な見方 | 上がる | 上がる |
経済に「弱気」な見方 | 下がる | 下がる |
物価が「適正水準より高い」という見方 | 上がる | 上がる |
物価が「適正水準より安い」という見方 | 下がる | 下がる |
事前にこうした発言を予測していれば、その予測に合わせて逆張りを仕掛けておくことができます。
その予測が当たれば相場がすぐに反転するため、逆張りが成功しやすくなります。逆に、予測が外れた場合には、すぐに損切りして損失を限定するのもポイントです。
レンジ相場を狙う
レンジ相場とは、一定の値幅(レンジ)で価格が推移している相場のことです。
下図のように、一定の範囲内で価格が上下を繰り返すのが特徴です。
価格が上がっても下がっても「このラインを超えない」という水準が分かるため、そのラインに近づいた局面で逆張りを仕掛けることにより、トレードが成功しやすくなります。
反発を狙う
反発とは、相場が下落から上昇(もしくは上昇から下落)に転換することを指します。
順張りの押し目買いや戻り売りは、引いた目線で見るとトレンドをフォローしていますが、その局面だけを見ると逆張りになります。
反発を狙う場合、できるだけ反発の直前を狙うのがポイントです。
FXで逆張りのエントリーをする際の注意点
FXで逆張りのエントリーをする際には、以下の点を注意すべきです。
- ・損切りラインを決めておく
- ・根拠を持ったトレードをする
- ・無計画なナンピン(難平)を行わない
損切りラインを決めておく
逆張りはトレンドに逆行した取引をするため、トレンドが順行した場合には損失の拡大リスクも大きくなります。
そのため、順張りのトレード以上に損切りを徹底する必要があります。
ポジションを持つ前に、「これ以上の損失が出たら諦める」という価格水準を明確にしておくことが大切です。
根拠を持ったトレードをする
ただ闇雲に逆張りをするのではなく、テクニカル指標やファンダメンタルズを十分に分析した上で、根拠を持ってトレードする必要があります。
根拠を持って行ったトレードであれば、万が一読みが外れた場合でも、予想通りに相場が動かなかった原因を探ることで、次回の予測精度を上げることができるでしょう。
無計画なナンピン(難平)を行わない
逆張りを使う際は、無計画なナンピン(難平)取引を行わないようにすることが大切です。
ナンピンとは、相場が思惑とは逆行した際に、ポジションを追加して平均単価を下げることです。
逆張りではトレンドと反対方向にポジションを保有するため、予測が外れた場合には大きな損失につながるリスクが高くなります。
ナンピン(難平)とは何か詳しく解説している記事もあるので、もっと詳しく知りたい人は、この記事と併せて読んでみましょう。
逆張り系のインジケーターを使った取引手法
逆張りを狙う場合には、トレンドの転換を予測するためにオシレーター系のインジケーターを使用するのが一般的です。
ここでは、代表的なオシレーター系インジケーターである、RSIとストキャスティクスを使った取引手法を紹介します。
RSIを使った逆張りの取引手法
RSIは、相場の過熱感(買われすぎ、売られすぎ)を分析するのに役立ちます。
RSIの数値は0~100%で表され、30%を下回ると売られすぎ、70%を超えると買われすぎと判断するのが一般的です。
出典:MT4
上画像では、RSIで買われすぎのサインが出たところから、価格が大きく下落しています。逆に、売られすぎのサインが出たところから反発上昇していることが分かります。
このようにRSIを使うことで、トレンドの反転を予測でき、逆張りで利益を狙うことが可能です。
RSIについて詳しく知りたい人は、この記事もあわせて読んでみましょう。
ストキャスティクスを使った逆張りの取引手法
ストキャスティクスは、%Kと%Dの2本のラインが表示されるテクニカルで、こちらも相場の過熱感を分析することを得意としています。
ストキャスティクスは0~100%で表され、20%を下回ると売られすぎ、80%を上回ると買われすぎと判断するのが一般的です。
また、2本のラインが80%よりも上にあり%Kが%Dを下抜けたら売り、2本のラインが20%よりも下にあり%Kが%Dを上抜けたら買い、という売買シグナルも読み取ることができます。
出典:MT4
上画像では、2本のラインが80%よりも上にあり%Kが%Dを下抜けたら価格も下落に転じ、2本のラインが20%よりも下にあり%Kが%Dを上抜けたら価格も上昇に転じていることが分かります。
ただし、ストキャスティクスはサインが頻繁に出現する傾向があるため、その分ダマシが発生しやすいという側面もあります。
ストキャスティクスとは何か、詳しく解説している記事はこちらです。
逆張りに関するQ&A
FXの逆張りに関して、よく見られる疑問点は以下のようなものです。
- ・逆張りで勝つポイントはありますか?
- ・順張りと逆張りでどちらが損をしにくいですか?
逆張りで勝つポイントはありますか?
逆張りで勝つポイントの1つは、レンジ相場が発生しやすい、市場の落ち着いた時間帯を狙うことです。
FXの市場は、ロンドン市場やニューヨーク市場が開いている時間に、活発化しやすい(トレンドが出やすい)傾向があります。
そのため、この2つの市場が開いていない時間帯を狙うことが、レンジ相場を狙うということになります。
具体的には、東京市場が開いている時間のうち、9時台〜15時台はこの条件を満たしていると考えられます。
この時間帯の中でも、朝一番の9時台は前日から持ち越された取引で市場が活性化するため、その流れが落ち着いた後の時間が狙い目になります。
おおよその時間でいうと、10時台〜15時台がレンジ相場になりやすい時間帯といえるでしょう。
順張りと逆張りでどちらが損をしにくいですか?
初心者のうちは「順張りの方が損をしにくい」と考えられます。
理由は、既に現れているトレンドを追いかけるため、損をする展開になりにくいからです。
一方の逆張りでは「期待していた反転が起きない」ことがしばしばあり、その分損をしやすい傾向があります。
初心者のうちは逆張りより順張りの方が、損をしにくいといえるでしょう。
【まとめ】逆張りとは|意味・使えるインジケーターを紹介
逆張りは、相場に逆らうリスクを伴う手法ですが、基本のポイントや注意点、テクニカル指標の使い方などを理解することで、よりリスクを抑えたトレードをすることができます。
王道の順張りだけではなく、逆張りのトレードを選択肢に入れることで、利益を得られるチャンスが増えるでしょう。
逆張りは、予測が外れた場合は大きな損失につながりやすいため、しっかりと根拠を持った取引を心がける必要があります。
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