サイコロジカルラインとは|言葉の意味や計算方法・見方について解説
サイコロジカルラインとは、投資家が抱いているセンチメントが表されたオシレーター系指標です。
本記事ではサイコロジカルラインの意味や見方、使用方法について詳しく解説します。
目次
- 1.サイコロジカルラインとは
- 2.サイコロジカルラインの見方
- 3.サイコロジカルラインの注意点
- 4.サイコロジカルラインに関するQ&A
- 5.【まとめ】サイコロジカルラインとは|言葉の意味や計算方法・見方について解説
サイコロジカルラインとは
サイコロジカルラインの意味や計算方法について解説します。
- ・言葉の意味
- ・一般的な計算方法
言葉の意味
サイコロジカルラインは、RSI(Relative Strength Index)やストキャスティクスなどのオシレーター系指標の原型のような存在であり、相場の過剰な取引量(買われすぎ、売られすぎ)を見るための指標として人気です。
サイコロジカルが日本語で「心理的な」を意味するように、サイコロジカルラインは「投資家が抱くセンチメント(心理)を数値で表した指標」と言われています。
一般的な計算方法
サイコロジカルラインの計算式は以下の通りです。
- 対象期間内の終値が上昇した日数÷対象期間×100(%)
対象期間は一般的に12日間で設定し、直近12日の価格の推移から「対象期間内に、終値が上昇した日数が何日あるか」を割り出し、求めます。
例えば、12日間で6日間上昇した場合、以下の計算式になります。
6÷12×100=50%サイコロジカルラインの見方
次に、サイコロジカルラインの見方について解説します。
- ・25%以下の場合は売られすぎのサイン
- ・75%以上の場合は買われすぎのサイン
25%以下の場合は売られすぎのサイン
サイコロジカルラインの取引サインの1つが25%のラインです。
一般的な対象算出期間は12日間なので、上昇したのが3日間以下だった場合、25%以下という数値になります。
数値が25%を下回ると「売られすぎのサイン」を意味します(12日間で上昇したのが3日間以下)。
下チャートを見てみると、サイコロジカルラインが25%を下回ったあとに実際の値動きが反転しています。
25%以下の場合は「そろそろボトムを付けて上昇する」可能性があり、買いエントリーを検討できます。
出典:Trading View
75%以上の場合は買われすぎのサイン
また、サイコロジカルラインは75%を上回ると「買われすぎのサイン」を意味します(12日間で上昇したのが9日間以上)。
75%以上の場合、さらに上昇が続く可能性は低いと見られ、売りエントリーを検討できます。
下チャートのように、売られすぎの場合と同様、サイコロジカルラインの方が先にピークを迎えて、実際の値動きが反転する傾向があります。
出典:Trading View
サイコロジカルラインの注意点
ここではサイコロジカルラインの注意点について2つ解説します。
- ・値幅が考慮されていない
- ・FX取引時の売買判断が困難
値幅が考慮されていない
サイコロジカルラインは終値が上昇した日数で計算しており、どの程度上昇したのか、その値幅は考慮されていません。
100pips上昇しても、1pipしか上昇しなかったとしても、同じ1日としてカウントされます。
どんなに格差があっても等しい扱いとなってしまうのが弱点です。
そのため、相場のトレンドの強さを把握することを苦手としています。
FX取引時の売買判断が困難
サイコロジカルラインはダマシが多く、FX取引時の売買判断が難しいため注意が必要です。
FX取引におけるダマシとは「売りまたは買いのサインが出ているのに、理論通りにならず反対に動くこと」をいいます。
トレンドが強い場合には、サイコロジカルラインが75%を上回っても上昇が継続したり、25%を下回っても下落が継続したりする可能性もあります。
下チャートでは、サイコロジカルラインが75%を上回っているにもかかわらず、上昇トレンドが継続しています。
出典:Trading View
ダマシが発生し、その後の対応が遅れると、大きな損失となってしまうため注意が必要です。
サイコロジカルラインに関するQ&A
サイコロジカルラインに関する、よくある以下の疑問について解説します。
- ・RSIとの違いはなんですか?
- ・サイコロジカルラインはどのタイミングで使えばいいですか?
RSIとの違いはなんですか?
RSIとはRelative Strength Indexの略で、オシレーター系の中で人気のあるテクニカル指標の1つです。
サイコロジカルラインは値幅が考慮されていない指標であるため、その弱点を補うためにRSIが開発されました。
サイコロジカルラインとRSIの違いは以下の通りです。
サイコロジカルライン | 一定期間内に何日上昇したか |
RSI | 一定期間内にどれくらい(値幅)上昇したか |
RSIは値幅が考慮されるため、1日で大きく変動した場合、小さな変動の数日分と同じ意味を持つことになるのが特徴です。
これにより、RSIはサイコロジカルラインよりも相場の過熱感(買われすぎ・売られすぎ)を捉える精度が高くなります。
計算期間は、一般的には14日間で算出され、75%以上は「買われすぎ」、25%以下は「売られすぎ」を表します。
下チャートを見ると、RSIが75%を上回った際に、価格はピークを迎えて下落を見せていることがわかります。
出典:Trading View
サイコロジカルラインはどのタイミングで使えばいいですか?
サイコロジカルラインは、実際の値動きより早めにピーク/ボトムを迎える傾向があるため、エントリーは75%以上または25%以下になったタイミングではなく、
- ・75%以上になって、75%を上から下に抜けた時
- ・25%以下になって、25%を下から上に抜けた時
が有効とされます。
また、サイコロジカルラインのみでエントリーを判断するのではなく、他のテクニカル指標と併用することで、弱点を補うことが可能です。
例えば、同じオシレーター系のRSIやストキャスティクスと組み合わせることで、エントリーのタイミングを判断する精度が高くなります。
下チャートの場合では、サイコロジカルラインとRSIが75%を上回ったタイミングで価格はピークを迎えて下落を見せています。
出典:Trading View
このように、サイコロジカルラインとRSIなど他の指標を併用することで、エントリーの根拠をより強められます。
【まとめ】サイコロジカルラインとは|言葉の意味や計算方法・見方について解説
サイコロジカルラインは、投資家の心理が表された指標で、トレンド転換を判断するために利用できます。
数値が75%を上回ると「買われすぎ」を意味し、25%を下回ると「売られすぎ」を意味します。
ただし、サイコロジカルラインには値幅が考慮されていないことなどデメリットもあるため注意が必要です。
単体では相場のトレンドを正確に把握することが困難なため、他の指標と併用することが重要です。
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。