最終更新日:2023年2月6日 15時03分
ストキャスティクスとは?計算式や設定方法、見方、使い方などを詳しく紹介
ストキャスティクスとは?
FX(外国為替証拠金取引)やCFD(差金決済取引)には様々なインジケーターが存在します。
ストキャスティクスもその中の一つであり、多くのトレーダーから人気を集めているインジケーターです。
本記事ではストキャスティクスの使い方について詳しく紹介します。
FX/CFDにおけるストキャスティクスという言葉の意味
ストキャスティクスはオシレーター系のインジケーターであり、日本語で「推計統計学」と呼びます。
推計統計学と聞くと難しく感じるかもしれませんが、簡潔に言うと「過去一定期間の最高値と最安値から終値の水準を分析する」というものです。
主に相場の過熱感を分析し、買われすぎや売られ過ぎから反転するタイミングを狙う場面で利用します。
画像1/ストキャスティクスのイメージ画像
ストキャスティクスの見方
ストキャスティクスは0~100の間で、「%K」「%D」(「Slow%D」)という線を表示します。
以下の画像を御覧ください。
画像2/ストキャスティクスの見方
画像2では青線が「%K」、赤線が「%D」です。
では「%K」と「%D」はどのような計算方法で表示されているのでしょうか?以下で詳しく紹介します。
ストキャスティクスの計算式
ストキャスティクスの計算式は、以下の通りです。
- ・「%K」=(当日終値-過去n日間の最安値)÷(過去n日間の最高値-過去n日間の最安値)×100
- ・「%D」=(当日終値-過去n日間の最安値)のm日間の合計÷(過去n日間の最高値-過去n日間の最安値)のm日間の合計×100
「%K」は一定期間の値幅を100として現在どの水準にいるかという数値であり、一定期間の最高値と最安値、現在の価格を用いて算出します。
「%D」は「%K」を移動平均化したものです。
ストキャスティクスの使い方
実際にチャートを用いて、ストキャスティクスの使い方について紹介します。
売買サイン
ストキャスティクスでは2本のラインが80%以上で推移すると「買われすぎ」、20%以下で推移すると「売られすぎ」と判断します。
また買われすぎゾーンでデッドクロスが発生すれば売りサイン、売られすぎゾーンでゴールデンクロスの発生で買いサインと判断します。
画像3/ストキャスティクスの使い方
ゴールデンクロス(買いサイン)
ストキャスティクスにおけるゴールデンクロスとは「%K」が「%D」を下から上に抜ける現象です。
売られすぎゾーンでゴールデンクロスが発生すると買いサインとなり、価格が上昇しやすいと判断できます。
画像4/ゴールデンクロス(買いサイン)
ゴールデンクロスが発生しても必ず価格が上昇するわけではありませんが、価格の下落が弱まった場面でサインが出るので、流れが変わるタイミングを掴みやすいといえます。
デッドクロス(売りサイン)
ストキャスティクスにおけるデッドクロスとは「%K」が「%D」を上から下に抜ける現象です。
買われすぎゾーンでデッドクロスが発生すると売りサインとなり、価格が下落しやすいと判断できます。
画像5/デッドクロス(売りサイン)
ゴールデンクロスと同様にデッドクロスが発生しても必ず価格が上昇するわけではありませんが、価格の上昇が弱まった場面でサインが出るので、流れが変わるタイミングを掴みやすいといえます。
ダイバージェンス
ストキャスティクスには、ダイバージェンスという売買サインもあります。
ダイバージェンスとは、価格とインジケーターの動きが逆行する現象です。
以下の画像を御覧ください。
画像6/ダイバージェンス
画像6では価格が安値を切り下げるような動きとなっているのに対し、ストキャスティクスは切り上げるような動きとなっており、価格の動きが逆行するような動きとなっていることが分かります。
このような状況となった場合は下落の勢いが以前よりも弱くなったことを示しており、トレンド転換の前兆となることがあります。
画像6のチャートではその後、下落基調から緩やかな上昇基調に転じる動きとなりました。
もちろん強い下落トレンドが続くような局面では他のオシレーター系のインジケーター同様に、低い水準に張り付くダマシが続くこともあり、毎回このような動きとなるわけではありませんが、トレンドの勢いが弱くなっていることには注目すべきです。
利益が出ているポジションの利益確定や、現在のトレンド方向へ新たなトレードの見送り検討などの目安に使えます。
ストキャスティクスの注意点
ストキャスティクスを使う際の注意点は、「ダマシ」です。
ダマシとは、売買サインと逆の方向に価格が動いてしまう現象です。
ダマシを完全に防ぐ方法はありませんが、対策することでダマシに引っかかるリスクを抑えられます。
対策にはいくつかあり、他のインジケーターを組み合わせることやスローストキャスティクスを使うなどがあります。
それぞれのやり方について以下で詳しく紹介するので、是非参考としてください。
ストキャスティクスと他のインジケーターを組み合わせた取引手法
ダマシを回避する対策の一つとして、他のインジケーターを組み合わせると前述しました。ここではストキャスティクスとMACDを組み合わせた取引手法について紹介します。
ストキャスティクス×MACDを組み合わせた取引手法
ストキャスティクス×MACDを組み合わせた取引手法について紹介します。
以下の画像を御覧ください。
画像7/ストキャスティクス×MACDを組み合わせた取引手法
画像7ではストキャスティクスがゴールデンクロスを発生し買いのサインが出ています。
しかしこのタイミングで買ってしまうと、価格は下がり損切りです。
この時のMACDを御覧ください。
MACDはゴールデンクロスをしておらず、むしろ2本線が整列して下落が強いと判断できます。
その後MACDがゴールデンクロスをし、価格が上昇しています。
このようにMACDを組み合わせることでエントリーを精査し、より精度の高い取引が可能です。
もちろんMACDを組み合わせてもダマシに合う可能性はありますが、ダマシに合う頻度を少なくすることはできます。
ファーストよりもスローストキャスティクスのほうがダマシは少ない
ストキャスティクスと一言でいっても、ファーストとスローといわれる2つのタイプがあります。
ファーストストキャスティクスは前述の計算式で算出された%Kと%Dを組み合わせたものです(ここまでの説明には、ファーストストキャスティクスを用いました)。
スローストキャスティクスは%Dと、それを移動平均化したSlow%Dを組み合わせたものです。
最新の価格水準がそのまま反映されるファーストストキャスティクスの方が反応は早いという特徴があります。
しかし価格のぶれに敏感に反応しすぎるので、ダマシも多くなるといったデメリットがあります。
このダマシを軽減させるものが、スローストキャスティクスです。
初動の動きへの反応はファーストストキャスティクスには及びませんが、しっかりと方向感が出てきてから反応します。
ダマシがファーストストキャスティクスに比べて少ないという特徴があります。
画像8/ファースト(下段)とスロー(上段)のストキャスティクスの比較
ストキャスティクスの設定方法
MT4/MT5、Tradingviewなどの取引プラットフォームに、ストキャスティクスを設定する方法について紹介します。
MT4(Meta Trader4)への設定方法
ストキャスティクスをMT4へ設定する方法を紹介します。
設定する手順は以下の通りです。
- ・「挿入」→「インディケータ」→「オシレーター」→「Stochastic Oscillator」
画像9/ストキャスティクスの設定(MT4)
MT5(Meta Trader5)への設定方法
ストキャスティクスをMT5へ設定する方法を紹介します。
設定する手順は以下の通りです。
- ・「挿入」→「インディケータ」→「オシレーター」→「Stochastic Oscillator」
画像10/ストキャスティクスの設定(MT5)
Tradingview(トレーディングビュー)への設定方法
ストキャスティクスをTradingviewへ設定する方法を紹介します。
設定する手順は以下の通りです。
- ・「インジケーター」→検索窓に「ストキャスティクス」と入力→「STOCH(ストキャスティクス)」
画像11/ストキャスティクスの設定(Tradingview)
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長く為替トレーディングの第一線で活躍されてきた山中康司(やまなかやすじ)氏監修のもと、ストキャスティクスの基本的な知識や使い方、トレーディングアイデアなどをご紹介します。またOANDAでは、ストキャスティクスに関するオリジナルインジケーターを多数提供しています。このオリジナルインジケーターは、OANDAの口座をお持ちのお客様だけがお使いいただけます。
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