オアンダラボ 30の戦略

ダイバージェンスとは|意味・現象例や活用方法などを詳しく解説


ダイバージェンスとは、テクニカル指標(オシレーター系インジケーター)とローソク足の示す方向性が、逆行している状況を指します。

トレンド転換のサインとして考えられます。

本記事では、ダイバージェンスの意味や活用方法、用いる際の注意点について詳しく解説していきます。

ダイバージェンスとは

ここではダイバージェンスの意味や、発生例について解説します。

意味

ダイバージェンスとは

ダイバージェンスとは「逆行現象」を意味し、オシレーター系のインジケーターと、ローソク足が逆方向に動いている状態を指します。

オシレーター系のインジケーターは、相場の過熱感を測るテクニカル指標で「買われ過ぎ・売られ過ぎ」を判断できます。

ローソク足が高値を切り上げているにもかかわらず、オシレーターが高値を切り下げていれば、その後に下落に転じる可能性を示唆します(弱気のダイバージェンス)。

同様に、ローソク足が安値を切り下げているにもかかわらず、オシレーターが安値を切り上げていれば、その後に上昇に転じる可能性を示唆します(強気のダイバージェンス)。

現象例

ダイバージェンスを実際のチャートで見ると、以下の通りです。

下のチャートでは、オシレーター系のインジケーターとしてRSI(相対力指数)を表示しています。

ダイバージェンス現象例(RSI)上昇トレンド20241126

出典:TradingView

上図では、ローソク足が安値を切り下げ、RSIが安値を切り上げており、上昇トレンドに転換しています。

ダイバージェンス現象例(RSI)下降トレンド_20241126

出典:TradingView

上図では、ローソク足が高値を切り上げ、RSIが高値を切り下げており、下落トレンドに転換しています。

ダイバージェンスの活用方法

ダイバージェンスの活用方法について、以下3つのテクニカル指標を用いて解説します。

MACD

MACD(マックディ)は、トレンドの方向を確認しつつ、相場の過熱感(買われ過ぎ・売られ過ぎ)も判断できる、汎用性の高いオシレーター系インジケーターの1つです。

以下のチャートでは、ローソク足が安値を切り下げ、MACDは安値を切り上げており、トレンドの反転が起きています。

MACD
出典:TradingView

以下では、MACDを使ったダイバージェンスの具体例や、MACDについて詳しく解説しています。

MACDとは|チャートの見方・活用方法・MT4での設定方法をわかりやすく解説

RSI

RSIは日本語で「相対力指数」と言い、相場の買われ過ぎ・売られ過ぎを分析するオシレーター系のインジケーターです。

下のチャートでは、ローソク足が高値を切り上げ、RSIは高値を切り下げており、下降トレンドに転換しています。

RSI

出典:TradingView

以下では、RSIを使ったダイバージェンスの具体例を含め、RSIについて詳しく解説しています。

RSIとは|基本の見方・使い方・設定方法などを詳しく解説

ストキャスティクス

ストキャスティクスは、オシレーター系のインジケーターで、日本語では「推計統計学」という意味です。

過去の一定期間の最高値と最安値から終値の位置を分析し、相場の過熱感を判断します。

買われ過ぎや売られ過ぎの状態から、相場が反転するタイミングを見極めるために利用されます。

以下のチャートでは、ローソク足が安値を切り下げ、ストキャスティクスが安値を切り上げるダイバージェンスが発生しています。

ストキャスティクス
出典:TradingView

以下では、ストキャスティクスについてや、ストキャスティクスを使ったダイバージェンスの具体例などを詳しく解説しています。

ストキャスティクスとは|計算式や設定方法・見方・使い方などを詳しく紹介

ダイバージェンスに関する注意点

ダイバージェンスに関する主な注意点は、以下の通りです。

トレンド転換が必ずしも起きるとは限らない

ダイバージェンスはトレンドの「弱まり」を知らせるサインです。

トレンドが弱まっても転換するとは限らず、トレンドがそのまま継続することもあります。

以下のチャートでは、ローソク足が安値を切り下げ、ストキャスティクスが安値を切り上げるダイバージェンスが発生しています。

ダイバージェンスのだまし

出典:TradingView

しかし、上昇トレンドへの転換がなく、下落トレンドが継続しています。

このような「ダマシ」の現象は、テクニカル分析におけるあらゆる指標や手法で見られます。

ダイバージェンスだけで取引しない

ダイバージェンスの発生頻度は、それほど高くありません。

特に強いトレンド相場では、ダイバージェンスは発生しにくいです。

以下のチャートを見ると、右側の弱いトレンドではダイバージェンスが発生しているものの、左側の強いトレンドでは、ダイバージェンスが発生していません。

ダイバージェンスだけで取引しない

出典:TradingView

ダイバージェンスが発生しない相場は多くあるため、ダイバージェンスだけで取引を行わないことが重要です。

ダイバージェンスは大局のトレンド転換を示唆します。

それよりも小さい局面でのトレードは、その他のテクニカル指標などでの分析を主軸にすることが推奨されます。

あるいは、様々なチャートパターンに注目することで、多くの取引チャンスを見極めることもできます。

ダイバージェンスに関するQ&A

ダイバージェンスに関してよく見られる疑問点は、以下の通りです。

ダイバージェンスだけで勝てますか?

ダイバージェンスはあくまで相場の反転を示唆するサインであり、必ずトレンドが転換するわけではありません。

トレンドの強さによっては、ダイバージェンスが現れた後もトレンドが続く場合もあります。

分析精度を高めるためにも、他のテクニカル指標と組み合わせて活用することが推奨されます。

ダイバージェンスにおすすめのインジケーターは何ですか?

ダイバージェンスを確認するには、オシレーター系のインジケーターを使用します。

一般的に使用されるインジケーターとして「MACD」「RSI」「ストキャスティクス」などが挙げられます。

それぞれのテクニカル指標に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

MACDとは|チャートの見方・活用方法・MT4での設定方法をわかりやすく解説

RSIとは|基本の見方・使い方・設定方法などを詳しく解説

ストキャスティクスとは|計算式や設定方法・見方・使い方などを詳しく紹介

ヒドゥンダイバージェンスとは何ですか?

ヒドゥンダイバージェンス

ヒドゥンダイバージェンスは、トレンド転換の可能性を示すダイバージェンスとは逆に、トレンド継続の可能性を示す現象です。

ダイバージェンスは、上昇トレンドの時にローソク足およびオシレーターの高値同士(下降トレンドの場合は安値同士)を結んで逆行現象を確認しますが、ヒドゥンダイバージェンスでは上昇トレンドの時は安値同士(下降トレンドの時は高値同士)を結んで逆行現象を確認します。

ローソク足が安値を切り上げている一方で、オシレーターが安値を切り下げていれば上昇トレンドの継続を示唆します。

ローソク足が高値を切り下げている一方で、オシレーターが高値を切り上げていれば下降トレンドの継続を示唆します。

【まとめ】ダイバージェンスとは|意味・現象例や活用方法などを詳しく解説

ダイバージェンスとは、オシレーター系のインジケーターと相場の価格(ローソク足)が逆行している現象を指します。

ダイバージェンスは相場の弱気・強気を示しており、トレンドの転換点となる可能性が示唆されます。

ただし、ダイバージェンスが発生しても必ずトレンドが転換するわけではありません。

他の指標を用いたテクニカル分析を併せて行い、分析精度を高めることが推奨されます。

テクニカル分析の手法については、以下のコンテンツで詳しく解説しています。

また、OANDA証券ではテクニカル分析で役立つオリジナルのインジケーターを複数提供しています。

OANDA証券でのお取引に興味をお持ちいただけた方は、以下のボタンから口座開設をご検討ください。

口座開設ボタン

テクニカル分析についてもっと学びたい方へのオススメコンテンツ

ピボット

長く為替トレーディングの第一線で活躍されてきた山中康司(やまなかやすじ)氏監修のもと、ピボットの基本的な知識や使い方、トレーディングアイデアなどをご紹介します。またOANDAではピボットに関するオリジナルインジケーターを多数提供しています。インジケーターはOANDAの口座をお持ちのお客様だけがお使いいただけます。

実践で生かせる「30の投資戦略」をさらに読みたい方へオススメコンテンツ

OANDA証券では、相場の節目や投資家心理などを分析する「OANDAオーダーブック」、各市場の値動きの癖を分析する「各マーケットHigh Low表示」など、取引に役立つツールやインジケーターの提供を行っています。
「30の戦略」カテゴリでは、それらのツールやインジケーターを使い、実践の取引で生かせる戦略に関するコンテンツを豊富に提供しています。
たとえば「OANDAオーダーブック」に関するコンテンツでは、短期的な相場の反発ポイントや値動きの加速ポイントなどを探る方法について解説しています。
OANDA証券のツールやインジケーターを使い様々な戦略を公開しているので、ぜひ実践取引にお役立てください。


本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。

この記事をシェアする
オアンダラボ 30の戦略
US30で3本の移動平均線を活用して順張りするトレードアイデア
金CFDのトレードアイデア|移動平均線とRSIを用いてトレンドフォローする方法を解説
US100(米国100株価指数)で3種類のテクニカルを利用したトレンドフォローのトレードアイデア
US500(米国500株価指数)でストキャスティクスを利用したブレイクアウトのトレード手法
JP225(日経株価指数225)のレンジ相場でRSIとストキャスティクスを利用したトレード手法
U30(米国ウォールストリート株価指数30)でアリゲーターを利用した順張りのトレードアイデア
JP225でボリンジャーバンドを活用した逆張りのトレードアイデア
US500(米国500株価指数)でRCIと平均足を利用した順張りのトレードアイデア
US100(米国100株価指数)で平均足とATRを活用するブレイクアウトのトレードアイデア
US30(米国ウォールストリート株価指数30)で移動平均線とADXを用いたブレイクアウトのトレードアイデア
JP225(日本株価指数225)で朝の高値/安値ブレイクアウトを狙うトレードアイデア
平均足とケルトナーチャネルを利用したデイトレードのアイデア
平均足と単純移動平均線を利用した早期利確型デイトレードのアイデア
平均足と単純移動平均線を利用した短期型デイトレードのアイデア
平均足と単純移動平均線を利用したスイングトレードのアイデア
2本のRSIを利用デイトレードのアイデア
3本の移動平均線を利用したスキャルピングトレードのアイデア
2本の移動平均線を利用した短期型デイトレードのアイデア
Trading Viewでドル円と日米10年債利回りを比較する方法
TradingView(トレーディングビュー)のアラート機能の使い方や設定方法
Trading Viewのインジケーターにインジケーターを追加する方法
Trading Viewの銘柄設定と円ドル表記にする方法
Trading Viewにインジケーターを表示する方法と各種設定
Trading Viewのチャートで他の銘柄と比較する方法
Trading Viewの出来高プロファイルとは?見方や設定方法を紹介
MT4のトレード詳細レポートでトレード成績を確認する方法
ハーモニックパターンとは?Trading Viewでの活用方法
ラインブレイクチャート(新値足)でトレンドを把握する
Donchianとは?意味やMT4への設定方法、活用方法を紹介
Chart in Chartで隠れた心理的節目をチェックする
MT4用インジケーターChart-In-Chartの使い方を紹介
RSIで相場の流れを探る
マルチタイムフレームとは?入手方法やMT4への設定方法を紹介
ダイバージェンスとは|意味・現象例や活用方法などを詳しく解説
Point and figureを使い価格のターゲットを算出する方法
Point and figureを使ったトレンド分析のやり方
Tickチャートを使用し、FX市場での短期トレード戦略を構築する
FX相場の各市場の値動きの癖を探す
シカゴIMMポジションを使い相場のトレンドを把握する方法を紹介
OANDAオープンオーダーで反発、ブレイクを狙う

ホーム » 30の戦略 » ダイバージェンスとは|意味・現象例や活用方法などを詳しく解説