オアンダラボ 30の戦略

平均足とケルトナーチャネルを利用したデイトレードのアイデア


1.使用するテクニカルの紹介


この記事では、平均足とケルトナーチャネルを利用してトレードするアイデアを紹介します。一つのトレンドに対して、押し目買いとブレイクアウトといった二つの異なる局面でエントリーする戦略です。ケルトナーチャネルの傾きからトレンドを判断し、平均足の切り替わりを売買シグナルとします。またトレンドの続伸を狙うべく、トレンドが勢いづくポイントに逆指値注文を入れて2回目のトレードを行います。

1時間足が推奨されるデイトレードです。それでは最初に、使用するテクニカルの概要から解説しましょう。

                 
【使用するテクニカルの概要説明】
平均足ローソク足を改良し、トレンドの発生や継続、終了を判断しやすくした指標。トレンド発生時には同じ色のローソク足が連続(陽連/陰連)しやすく、トレンド転換時には色の切り替わり(陽転/陰転)が発生します。
ケルトナーチャネル(期間15)3本の線で構成され、その中央のラインは指数平滑移動平均線(EMA)です。そのEMAをATRに基づいて乖離させ、アッパーライン(上部バンド)とロウアーライン(下部バンド)を表示します。その上下のラインを突き抜けた場合に、強いトレンドが発生していると考えるのが基本です。

画像1は、日足チャートに平均足とケルトナーチャネルを表示した例です。平均足はトレンド発生時に同じ色が並びやすいのが特徴で、この画像でもその様子が見て取れるでしょう。上昇トレンドでは青色(押し目の局面は赤色)、下降トレンドでは赤色(戻りの局面は青色)が並び、両者が入り混じるときはもみ合い相場であると判断できます。

ケルトナーチャネルは順張りに用いる指標で、アッパーラインやロウアーラインを突き抜けると、その方向へのトレンド発生が示唆されます。なお、 MT5にはケルトナーチャネルが標準搭載されておらず、カスタムインジケーターを入手する必要があります。

OANDAラボでは、MT5に対応したケルトナーチャネル(OANDA – Keltner)を、MT5用ベーシックパッケージにまとめて提供しています(OANDAのMT5が使用条件です)。

オアンダラボ MT5用ベーシックパッケージ

画像1/テクニカルを表示した日足チャート

テクニカルを表示した日足チャート

2.トレード手順


ここでは、上昇トレンドを買いで狙う場合のトレード手順を解説します。下降トレンドを売りで狙う場合は、この条件を反転させて考えます。


<手順①>ケルトナーチャネルの傾きでトレンドを確認


ケルトナーチャネルに注目し、右肩上がりなら上昇トレンドと判断します。横ばいならトレードは控えます。ケルトナーチャネルの中心線はEMAであり、それよりも平均足が上なら安定した上昇トレンド、上昇傾向にあるものの平均足とEMAが頻繁に絡むようならトレンドは強くない、と判断することもできます。


<手順②>平均足がEMAより上を推移している状態で、陰線から陽線になったら1回目のエントリー


右肩上がりのEMAより上を平均足が推移している場合に、押し目買いトレードのタイミングを図ります。陽線を並べてトレンドが順行しているところから、陰線に切り替わって押し目を作り(陰転)、再び陽線に切り替わったら(陽転)エントリーします。


<手順③>直近のアッパーラインを超えている高値に、逆指値の買い注文を入れる


アッパーラインを上回った高値が、ブレイクアウト狙いの水準とします。その水準に逆指値の買い注文を入れて、そこを突破する勢いに乗って利益を狙うというものです。一般的に、高値を更新するブレイクアウト時には、勢いを伴った強い上昇が期待できます。


<手順④-A>利益確定


エントリー後に下の条件で損切りを設定し、その値幅の1.5倍を利益確定の目標とします。損失対利益(リスクリワード)を、1対1.5にするわけです。損切り幅が10pipsなら、利益幅として15pipsを狙います。もしくは、平均足が陰転したときに、損益にかかわらず決済します。


<手順④-B>損切り


エントリーした足の1本前の安値水準に、損切りの逆指値注文を入れます。これらの決済注文は、損切りと利益確定を同時に発注するOCO注文の利用が良いでしょう。

画像2/トレード例

トレード例

<総括>


このトレードアイデアでは、より安い価格での買いを狙う押し目の局面と、より勢いのある状態で買いを狙うブレイクアウトの局面の、2種類の環境を組み合わせています。それぞれ異なった優位性を持つ局面でトレードするため、トータルして利益の取り逃がしが生じにくい設計です。上昇トレンドといっても、一方的に上がり続けることはほとんどなく、上下動を繰り返すので、このような戦略が有効となるのです。

株式会社トレードタイム代表 平野朋之氏監修

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