用語解説

エンベロープとは|見方・使い方やボリンジャーバンドとの違いなどを解説


エンベロープ(移動平均乖離率バンド)とはテクニカル指標の一種で、移動平均線から一定の乖離率で上下に描画した2本の線(バンド)を指します。

一般的に、為替レートが上下どちらかの線に到達すると、トレンド反転のサインとみなされます。

本記事ではエンベロープの使い方や注意点、ボリンジャーバンドとの違いなどについて詳しく解説していきます。

エンベロープとは

エンベロープの意味や、計算式について詳しく解説します。

  • ・意味
  • ・一般的な計算式

意味

エンベロープはテクニカル指標の一種で、移動平均線から一定の乖離率で上下に描画した2本の線(バンド)を指します。

中心の移動平均線と上下の線は同じ形状となり、乖離率は一定であるのが特徴です。

エンベロープの意味

出典:TradingView

移動平均からの乖離はやがて修正されるという性質があり(グランビルの法則)、その乖離の度合いを確認するのに適しています。

一般的な計算式

エンベロープは、単純移動平均線(SMA)を上下に乖離させる計算で求めます。

  • 上限のバンド(アッパーバンド):移動平均線+移動平均線✕n%
  • 下限のバンド(ロワーバンド):移動平均線-移動平均線✕n%
  • n:移動平均線との乖離率

移動平均線の価格が150円で、乖離率が10%の場合の計算式は、以下の通りです。

上限のバンド:150+150✕10%=165

下限のバンド:150-150✕10%=135

エンベロープの見方・使い方

エンベロープは、上下限のバンドをトレンドの反転ポイントとして用います。

ここでは、エンベロープを実際のトレード場面でどのように使うのか詳しく説明します。

  • ・上限のバンドに到達したら売りシグナル
  • ・下限のバンドに到達したら買いシグナル

上限のバンドに到達したら売りシグナル

為替レートが上限のバンドに到達すると買われすぎと判断され、売りシグナルを意味します。

売りポジション保有後、移動平均線まで戻ってきたポイントが利益確定の目安です。

上限のバンドがレジスタンスライン(抵抗線)として働くことを期待して取引します。

エンベロープの買いサイン

出典:TradingView

下限のバンドに到達したら買いシグナル

為替レートが下限のバンドに到達すると売られすぎとみなされ、買いシグナルを意味します。

買いポジション保有後、移動平均線まで戻ってきたポイントが利益確定の目安です。

下限のバンドがサポートライン(支持線)として働くことを期待して取引します。

エンベロープ下限の番んどに到達したら買いシグナル

出典:TradingView

エンベロープの詳しい設定方法は「TradingViewでエンベロープを設定する方法」で解説しています。

エンベロープに関するQ&A

エンベロープに関するよくある質問は以下の2つです。

  • ・ボリンジャーバンドとの違いは何ですか?
  • ・エンベロープの注意点は何ですか?

ボリンジャーバンドとの違いは何ですか?

エンベロープとボリンジャーバンドは、いずれも移動平均線の上下にバンドを表示したものですが、バンドの算出ルールが異なります。

ボリンジャーバンドは標準偏差を用いた線を引くため、価格変動に併せてバンドの幅が狭くなったり、広がったりします。

一方で、エンベロープは移動平均線に対して一定の幅(%)で線を引くため、バンドの幅は変わりません。

見た目は似ている両者ですが、バンドの性質が大きく異なります。

エンベロープとボリンジャーバンドの違い1 エンベロープとボリンジャーバンドの違い2

出典:TradingView

エンベロープの注意点は何ですか?

エンベロープは、トレンド相場で値動きに勢いがある場合には、価格がバンドで反発せずに突き抜けてしまうことがあります。

エンベロープの注意点

出典:TradingView

いわゆるダマシとなる可能性がありますが、その対策として、以下の案が考えられます。

・バンドに触れた後にローソク足が数本確定するのを待つ

・取引開始時に損切り注文を出し、過大な損失を回避する

・他のテクニカル指標と組み合わせて判断する

【まとめ】エンベロープとは|見方・使い方やボリンジャーバンドとの違いなどを解説

エンベロープはテクニカル指標の一種で、移動平均線から一定の乖離率で上下に描画した2本の線(バンド)を指します。

上下のバンドをトレンド反転のサインとして用います。

ボリンジャーバンドが価格変動に伴ってバンドの幅が大きく変動する一方、エンベロープのバンド幅は一定です。

エンベロープはトレンド相場で価格に勢いがある場合には、価格がバンドを突き抜けてしまうこともあるため注意が必要です。

また、他のテクニカル分析を併用して総合的に判断することで、効果的な利用を期待できます。


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