最終更新日:2022年3月24日 20時41分
一目均衡表とは?見方や雲の使い方、設定方法などを詳しく紹介
一目均衡表とは?
一目均衡表は、日本の株式評論家である細田悟一(ペンネーム:一目山人「いちもくせんにん」)氏によって考案された、日本発のインジケーターです。日本ではもちろん、海外でも「ichimoku」の名前で親しまれており多くの投資家に使われています。
図1/一目均衡表のイメージ

一目均衡表の見方
一目均衡表の見方について紹介します。以下の画像を御覧ください。
図2/一目均衡表の見方

前述したように、一目均衡表は、転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2・遅行線(遅行スパン)の5本の線を用いて表示します。先行スパン1と先行スパン2の間に発生する部分を、「雲」と呼びます。まずは、それぞれの見方や計算方法などを覚えましょう。
転換線
転換線は、過去9日間の最高値と最安値の平均を算出し表示させた線です。転換線が上向きであれば上昇が強い、下向きであれば下落が強いと判断します。9日間という短い期間で算出しているため、短期的なトレンドを分析するのに使います。
基準線
基準線は、過去26日間の最高値と最安値の平均を算出し表示させた線です。転換線と同様に、基準線が上向きであれば上昇が強い、下向きであれば下落が強いと判断します。26日間という期間で算出しているため、中期的なトレンドを分析するのに使います。
先行スパン1・先行スパン2
先行スパン1は、転換線と基準線の平均値を26日先に先行して表示させた線です。先行スパン2は、過去52日間の最高値と最安値の平均値を26日先に先行して表示させた線です。それぞれの平均値を26日間先に先行させて表示するため、将来の値動きを分析するのに役立ちます。また先行スパン1と先行スパン2の間にできる部分を塗りつぶすことで、できる部分を「雲」と呼びます。
遅行線(遅行スパン)
遅行線は、当日の終値を26日前に遅行させて表示させた線です。遅行線がローソク足よりも上に表示されていれば上昇が強い相場します。また下に表示されていれば下落が強い相場と判断します。
一目均衡表の3大理論
転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2・遅行線(遅行スパン)の5本の線以外にも、時間論・波動論・水準論(値幅観測理論)という3大理論によって相場を分析できます。それぞれについて、以下で詳しく紹介します。
時間論
一目均衡表の時間論とは、時間によって相場の転換点を分析する考え方です。「9」「17」「26」が基本数値であり、その期間で相場が転換しやすいと分析できます。基準線や転換線のデフォルト設定でも使用されていることからも、重要な数値であることが分かります。
波動論
一目均衡表の波動論とは、波動の形によって相場の方向性を分析する考え方です。基本的な波動の形は、以下の通りです。
- I波動:上昇のみ、下落のみ
- V波動:上昇→下落、下落→上昇
- N波動:上昇→下落→上昇、下落→上昇→下落
I波動とV波動が繰り返し発生し、最終的にN波動が発生します。N波動は基本的な波動の形であるため、相場を分析する際はN波動を意識してみましょう。
水準論(値幅観測理論)
一目均衡表の水準論は、別名「値幅観測理論」とも呼ばれており、相場の上昇幅や下落幅を計算し分析する考え方です。水準論(値幅観測理論)を使うことで、どのくらい価格が上昇するのかやどのくらい価格が下落するのかを計算によって分析できます。基本的な計算方法は、以下の通りです。
- N計算値:上昇1波の値幅と上昇3波が同じ値幅で上昇する計算方法
- E計算値:上昇1波の値幅よりも上昇3波が2倍の値幅で上昇する計算方法
- V計算値:調整2波の値幅よりも上昇3波が2倍の値幅で上昇する計算方法
- NT計算値:上昇1波と調整2波を引いた値幅が上昇3波で上昇する計算方法
相場の上昇幅や下落幅を分析できるため、ポジションを決済する際に利用できる理論です。
一目均衡表の使い方
実際の取引で使える一目均衡表の基本的な使い方を紹介します。
雲
一目均衡表の基本的な使い方は、「雲」を使います。以下の画像を御覧ください。
図3/一目均衡表の使い方

「雲」を使った分析方法はシンプルです。雲よりも価格が下にあれば下落優勢、上にあれば上昇優勢と判断します。雲よりも価格が下なら売り目線、上なら買い目線というシナリオを立てられます。
三役好転・三役逆転
一目均衡表には、三役好転と三役逆転という使い方があります。三役好転は買いサイン、三役逆転は売りサインです。
【三役好転の条件】
- 転換線が基準線よりも上にいる状態
- 遅行線(遅行スパン)が価格よりも上にいる状態
- 価格が雲よりも上にいる状態
【三役逆転の条件】
- 転換線が基準線よりも下にいる状態
- 遅行線(遅行スパン)が価格よりも下にいる状態
- 価格が雲よりも下にいる状態
以下の画像を御覧ください。
図4/三役好転

下落していた相場が三役好転後に、大きく上昇していることが分かります。
一目均衡表を使う際の注意点
一目均衡表を使う際の注意点は、雲の中に価格がある時や雲がねじれている時は注意が必要です。なぜならば方向感がなくレンジ相場になる傾向があるからです。以下の画像を御覧ください。
図5/一目均衡表の注意点

雲の中に価格がある時や雲にねじれが発生していると、レンジ相場になっていることが分かります。特に、スキャルピングを行う方で、5分足や15分足などの短い時間足で多く発生する傾向があるので、注意をしましょう。
一目均衡表に関する本
OANDAではFXに関する様々な良書を出版・販売しているパンローリング社とタイアップしています。数ある良書の中から厳選し、一目均衡表をこれから使い始める初心者の方におすすめしたい本を紹介します。今回おすすめする本は、「真・チャート分析大全 小次郎氏流テクニカル指標を計算式から学び、その本質に迫る」です。
図6/真・チャート分析
この本の著者小次郎講師は、チャート研究家として様々なFXに関連する本を出版し活躍している人物です。一目均衡表の5本線について詳しく書かれているので、初心者の方にも理解しやすい内容といえます。また一目均衡表だけではなく、移動平均線やボリンジャーバンドなどのインジケーターについても詳しく書かれているため、他のインジケーターを勉強したい方にもおすすめです。
OANDA(オアンダ)の口座開設をお持ちの方であれば、書籍のプレゼントキャンペーンも行っているので、ぜひご活用ください。
一目均衡表の設定方法
ここではMT4・MT5・Tradingviewといった各取引プラットフォームで一目均衡表を設定する方法について紹介します。
MT4への設定方法
一目均衡表をMT4(Meta Trader 4)へ設定する方法を紹介します。MT4を開き「挿入」→「インディケータ」→「トレンド」→「Ichimoku Kinko Hyo」を選択
図7/一目均衡表をMT4へ設定する方法

MT5への設定方法
一目均衡表をMT5(Meta Trader 5)へ設定する方法を紹介します。MT5を開き「挿入」→「インディケータ」→「トレンド系」→「Ichimoku Kinko Hyo」を選択
図8/一目均衡表をMT5へ設定する方法

Tradingviewへの設定方法
一目均衡表をTradingviewへ設定する方法を紹介します。Tradingviewを開き「インジケーター」を選択→検索窓に「一目均衡表」と入力し選択
図9/一目均衡表をTradingviewへ設定する方法

一目均衡表に関するよくある質問
一目均衡表に関するよくある質問に答えていきます。
パラメーター設定はどうすれば良いの?
一目均衡表のパラメーター設定は、基本的にデフォルト設定されている数値で問題ありません。数値を変更しても取引の成功率が上がるわけではないため、数値にこだわる必要もありません。
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