ホーム » 用語解説登録 » ゼロ金利政策

ゼロ金利政策とは|仕組み・メリット・デメリットなどをわかりやすく解説


ゼロ金利政策とは金利をゼロ%付近に抑制する政策を指し、中央銀行の金融政策の文脈で用いられます。

日本・米国・ユーロ圏でそれぞれゼロ金利政策を採用した経験があり、伝統的な金融調節手段での対応が難しい局面で用いられました。

本記事では、ゼロ金利政策の仕組みやメリット・デメリットなどを解説します。

ゼロ金利政策とは

日本の事例を使って、ゼロ金利政策の目的や背景等を解説します。

  • ・ゼロ金利政策の目的・仕組み
  • ・ゼロ金利政策導入の背景

ゼロ金利政策の目的・仕組み

ゼロ金利政策の目的は、デフレ圧力が高まる可能性に対処して、景気の悪化に歯止めをかけることです。

ゼロ金利政策の実行を通じて、日本経済を景気回復の軌道に乗せることが重要な目標とされます。

また、ゼロ金利政策は、必要に応じて資金供給を行いながら無担保コール翌日物金利をゼロ%に誘導する仕組みで実行されます。

無担保コール翌日物は日本銀行政策金利の誘導目標であり、日銀は公開市場操作を通じて金利を目標値に誘導します。

ゼロ金利政策導入の背景

ゼロ金利政策導入の背景として、デフレ経済の進行が挙げられます。

1990年代後半以降、日本経済は物価が持続的に下落するデフレ傾向にあり、物価の安定の実現が重要な政策課題でした。

デフレの要因として、バブル経済の崩壊による資産価格の下落や、金融危機の影響により企業が投資に慎重となったことなどが挙げられます。

さらに、人口動態の変化などの構造的要因も指摘されています。

この状況において、通常の金利引き下げなど伝統的な金融政策だけでは景気を十分に刺激することが困難となり、物価の安定が実現しない状況が続きました。

そこで、1999年に日本銀行は非伝統的政策の一種に位置づけられることもあるゼロ金利政策を導入し、短期金利をゼロ%に誘導しました。

ゼロ金利政策を導入した主な中央銀行

ゼロ金利政策を導入した中央銀行として、以下の3つを紹介します。

なお、グラフ内の赤枠はゼロ金利政策(またはマイナス金利政策)を採用していた期間です。

  • ・日本銀行 (BOJ)
  • ・米連邦準備制度理事会 (FRB)
  • ・欧州中央銀行 (ECB)

日本銀行 (BOJ)

日本銀行 (BOJ)_20260423

>国別経済指標

バブル崩壊後のデフレ環境を受けて、日銀は1999年2月にゼロ金利を導入しました。

2000年にゼロ金利をいったん解除したものの、2010年に短期金利の誘導目標を0~0.1%程度に設定し、実質的にゼロ金利政策を再開しています。

その後、物価の上昇を受けて、2024年3月に政策金利を0.1%に引き上げました。

なお、2001年~2006年の短期金利も0%付近に張り付いています。

当時の日銀は量的緩和政策を採用しており、短期金利は操作目標でなかったものの、実態としてゼロ金利の状態だったと言えます。

米連邦準備制度理事会 (FRB)

米連邦準備制度理事会 (FRB)_20260423

>国別経済指標

2008年のリーマンショック後の混乱を受けて、2008年12月に政策金利を0~0.25%に引き下げました。

同時に発表された連邦公開市場委員会(FOMC)のステートメントにおいて、政策金利を異例に低い水準に引き下げる必要性が示されています。

その後、2015年にゼロ金利は解除されたものの、新型コロナウイルスの影響を受けて2020年3月に再びゼロ金利政策を導入しました。

コロナショックからの回復後、2022年にゼロ金利が解除されて利上げが再開されています。

欧州中央銀行 (ECB)

欧州中央銀行 (ECB)_20260423

>国別経済指標

2008年のリーマンショック後に顕在化した欧州債務危機を受けて、欧州中央銀行(ECB)は2012年7月に政策金利(複数の金利)のうち一部をゼロ近傍に設定しました。

その後、マイナス金利を経て、2022年9月にゼロ金利が終了してプラス圏に引き上げられました。

ゼロ金利政策のメリット・デメリット

ゼロ金利政策のメリットとデメリットは以下の通りです。

  • ・ゼロ金利政策のメリット
  • ・ゼロ金利政策のデメリット

ゼロ金利政策のメリット

ゼロ金利政策のメリットは、貸出金利を低く抑えることで資金の借り入れ需要を刺激し、経済活動を活性化できる点です。

企業が新規に投資する場合、自己資金とともに借入資金を使用します。

資金を借り入れると利子を支払う必要があり、企業等にとってコストになります。

ゼロ金利ならば借り入れコストを低く抑えられ、金利が高い場合に比べて借り入れしやすくなると考えられます。

企業が投資を増やして経済が活性化すると、デフレを回避して経済を発展させられるという流れです。

ゼロ金利政策のデメリット

ゼロ金利政策の主なデメリットとして、金融機関の収益の悪化や資産バブル発生リスクが挙げられます。

金融機関はゼロ金利の環境では貸出金利を下げる必要があり、利ざやを得ることが難しく、経営環境が厳しくなります。

また、わずかなコストで多額の資金を借りられることから、各種資産に資金が流入して資産価格が高騰する可能性もあります。

ゼロ金利政策に関するQ&A

ゼロ金利政策に関するよくある質問は、主に以下の通りです。

  • ・ゼロ金利政策とマイナス金利政策の違いは何ですか?
  • ・日本のゼロ金利政策はいつから実施されましたか?
  • ・日銀の政策金利はどこで確認できますか?

ゼロ金利政策とマイナス金利政策の違いは何ですか?

ゼロ金利政策とマイナス金利政策の違いは、金利の低さの度合いです。

いずれも低金利ですが、マイナス金利の場合は銀行に資金を預けると金利を支払う必要が生じます(一般の預金ではなく、金融機関が中央銀行に預ける資金の一部に適用される)。

ゼロ金利の場合、金利を支払う必要はありません。

日本のゼロ金利政策はいつから実施されましたか?

日本で最初にゼロ金利政策が導入されたのは1999年2月です。

日銀金融政策決定会合において、政策金利ができるだけ低めに推移するよう促すことが決められました。

日銀の政策金利はどこで確認できますか?

日銀の政策金利の推移はOANDA証券のグラフで確認できます。

日銀の金融政策決定会合ごとの詳細については、日銀ホームページで公開されています。

【まとめ】ゼロ金利政策とは|仕組み・メリット・デメリットなどをわかりやすく解説

ゼロ金利政策とは、中央銀行が政策金利をゼロ%付近まで引き下げて資金調達コストを低くする金融政策です。

企業等の借入額の増加を促し、景気回復やデフレ防止を図る意図があります。

OANDA証券では、ゼロ金利政策をはじめ投資に関わる基礎的な用語を、初心者の方向けにわかりやすく解説するコンテンツを提供しています。

OANDA証券での取引に興味をお持ちいただけた方は、以下のボタンから口座開設をご検討ください。

OANDA証券の口座開設


本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。

この記事をシェアする