株式明日の戦略-場中に値を消すも大幅高、年初来高値を更新して好地合いが続く

市場見通し
 29日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は317円高の31233円。26日の米国株は債務上限問題の進展期待から大幅高。27日にはバイデン大統領とマッカーシー下院議長との間で、債務上限の引き上げについて基本合意したことが報じられた。米国のデフォルト回避が濃厚となったことを受けて、寄り付きから400円を超える上昇。すぐに上げ幅を600円超に広げて31500円台に乗せた。

 強めに始まった主力半導体株に伸び悩むものが多く、指数も開始早々に天井をつけると、以降は値を消す展開。ただし、商社株や海運株などバリュー系の主力銘柄に買いが入ったほか、指数寄与度の大きいソフトバンクGに非常に強い動きが見られたことから、失速の度合いは緩やかとなった。後場に入って上げ幅を250円程度に縮めたところでは盛り返し、300円を超える上昇で終了。年初来高値を更新した。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆5100億円。業種別では海運、卸売、銀行などが大きく上昇した一方、食料品、陸運、小売の3業種が下落した。月面探査プログラムの成果について発表したアイスペースが急伸。半面、資生堂、ファンケル、コーセーなど、化粧品株の弱さが目立った。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1135/値下がり603。ソフトバンクGが値を飛ばして8.2%高。川崎汽船など先週の動きがさえなかった海運株に見直し買いが入った。証券会社の目標株価引き上げを手がかりに、三井物産、三菱商事など大手5大商社株がそろって上場来高値を更新。半導体株は利食い売りに押されるものも散見されたが、アドバンテストやソシオネクストは大幅高となった。ほか、Abalanceが商いを伴って急伸した。

 半面、ファストリ、キーエンス、ダイキンなど値がさ株が軟調。任天堂、ソニーG、トヨタなど主力ど真ん中銘柄が逆行安となった。レーザーテックが高く始まった後に失速して2%を超える下落。インバウンド関連が嫌われており、JR東海、OLC、JALなどが売りに押された。株高でリスクオンの地合いが続く中、電力株や食品株などディフェンシブセクターが弱い動きとなった。

 日経平均は高く始まった後は買いが続かず、ローソク足では陰線を形成した。にもかかわらず、300円を超える上昇。直近まで上昇をけん引していた半導体株には利益確定売りも出てきたが、商社など別ジャンルの銘柄には買いが入った。グロースからバリューへの資金シフトがスムーズに進み、全体としての強い基調は崩れないという、理想的な流れとなっている。今晩の米国は休場であすは手がかり難となるが、現状では休場明けの米国株は上昇が濃厚。好材料を先取りしているとはいえ、強く売り込む理由が乏しい。突発的な悪材料が出てこなければ、水曜も良好な地合いが見込まれる。きょうは31200円台で終えたが、場中に失速した分は火曜と水曜で埋め、再び31500円台を試しに行くと予想する。

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