市場見通し
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は139.76円まで上昇した。7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測や、日銀会合で大規模な金融緩和策が維持されるとの見方などが支えとなった。ユーロドルは米長期金利の上昇が重しとなり、1.0743ドル付近まで下押しした。ユーロ円は、欧米株価や日経平均先物の上昇を受けて円売り・ユーロ買いが強まり150.26円付近まで強含みに推移した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、本日と明日開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて動きづらい展開が予想される。
ドル円は、過去9日間のレンジの中心である日足一目均衡表・転換線139.45円を軸に、5月30日の高値140.93円と6月1日の安値138.45円を底辺とする三角保ち合いを形成しつつあり、放れに就くスタンスとなっている。すなわち、FOMC声明やパウエルFRB議長の会見がタカ派的であれば上放れ、ハト派的ならば下放れの可能性が高まることになる。
本日からのFOMCでは、先日、次期FRB副議長に指名されているジェファーソンFRB理事がタカ派的な利上げ休止を示唆していたように、据え置きが見込まれている。注目ポイントは、ドット・プロット(金利予測分布図)での7月FOMCでの利上げ示唆や12月のFF金利の見通しとなる。
CMEがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、6月は5.00-25%で据え置き、7月は5.25-50%への利上げ確率が高まっている。
5月のFOMC声明では、「委員会は入手する情報を注意深く見極め、その金融政策への含意を判断する」と言及し、3月FOMC声明に盛り込まれた「いくらかの追加引き締めが適切となる可能性を見込む」との文言が削除されたことで、6月の利上げ休止を示唆した。
パウエルFRB議長は、5月FOMC声明発表後の記者会見で、「今回の声明は6月の政策金利据え置きを示唆しているのか?」との質問に対し、「追加利上げを見込むとの文言を削除したことは意義のある変化だ。政策は入手するデータに左右され、会合ごとに判断する。その質問には6月の会合時に取り組む」と答えていた。
FF金利誘導目標は、これまでの10回の利上げで5.00-25%まで上昇している。
消費者物価指数(CPI)は、昨年6月の前年比+9.1%をピークに、4月はFF金利の下限5.00%を下回る同比+4.9%まで低下しており、本日発表される5月のCPIは同比+4.1%まで伸び率が鈍化することが見込まれている。
また、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCE総合価格指数の4月分は、同比+4.4%と発表されており、3月分の同比+4.2%からは上昇していたものの、FF金利の下限5.00%は下回っている。
そして、米10年債利回りが3.7%台、米2年債利回りが4.5%台で推移し、長短金利逆転(逆イールド)となっていることは、これまでの経験則では、リセッション(景気後退)の到来を警告し、FEDピボット(FRBの利下げへの転換)を予告している。1968年以降の8回のリセッションは、米国債の3カ月物利回りが10年物を上回るイールドカーブ逆転の後に起きた。足もとで3カ月物利回りは5.2%台で推移している。
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本日の東京外国為替市場のドル円は、本日と明日開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて動きづらい展開が予想される。
ドル円は、過去9日間のレンジの中心である日足一目均衡表・転換線139.45円を軸に、5月30日の高値140.93円と6月1日の安値138.45円を底辺とする三角保ち合いを形成しつつあり、放れに就くスタンスとなっている。すなわち、FOMC声明やパウエルFRB議長の会見がタカ派的であれば上放れ、ハト派的ならば下放れの可能性が高まることになる。
本日からのFOMCでは、先日、次期FRB副議長に指名されているジェファーソンFRB理事がタカ派的な利上げ休止を示唆していたように、据え置きが見込まれている。注目ポイントは、ドット・プロット(金利予測分布図)での7月FOMCでの利上げ示唆や12月のFF金利の見通しとなる。
CMEがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、6月は5.00-25%で据え置き、7月は5.25-50%への利上げ確率が高まっている。
5月のFOMC声明では、「委員会は入手する情報を注意深く見極め、その金融政策への含意を判断する」と言及し、3月FOMC声明に盛り込まれた「いくらかの追加引き締めが適切となる可能性を見込む」との文言が削除されたことで、6月の利上げ休止を示唆した。
パウエルFRB議長は、5月FOMC声明発表後の記者会見で、「今回の声明は6月の政策金利据え置きを示唆しているのか?」との質問に対し、「追加利上げを見込むとの文言を削除したことは意義のある変化だ。政策は入手するデータに左右され、会合ごとに判断する。その質問には6月の会合時に取り組む」と答えていた。
FF金利誘導目標は、これまでの10回の利上げで5.00-25%まで上昇している。
消費者物価指数(CPI)は、昨年6月の前年比+9.1%をピークに、4月はFF金利の下限5.00%を下回る同比+4.9%まで低下しており、本日発表される5月のCPIは同比+4.1%まで伸び率が鈍化することが見込まれている。
また、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCE総合価格指数の4月分は、同比+4.4%と発表されており、3月分の同比+4.2%からは上昇していたものの、FF金利の下限5.00%は下回っている。
そして、米10年債利回りが3.7%台、米2年債利回りが4.5%台で推移し、長短金利逆転(逆イールド)となっていることは、これまでの経験則では、リセッション(景気後退)の到来を警告し、FEDピボット(FRBの利下げへの転換)を予告している。1968年以降の8回のリセッションは、米国債の3カ月物利回りが10年物を上回るイールドカーブ逆転の後に起きた。足もとで3カ月物利回りは5.2%台で推移している。
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DZH Finacial Research
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