東京為替見通し=ドル円は底堅い、フェドウォッチ変わらず過度のドル買いには要警戒

市場見通し
 海外市場では、4月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大きく上回ったことを受けて、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが進行。ドル円は、一時134.57円と3月15日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。ユーロドルは1.0909ドルまで弱含んだ。

 本日のドル円は、値動きは限定されるだろうが、底堅さを維持できるか。先週は米国の複数インフレ指標が弱かったのにもかかわらず、米金利の低下幅は限られた。また、昨日は予想よりも強い米経済指標が発表されると、米金利は上げ幅を広げた。米金利は上昇基調をたどっているといえる。本日も米金利の基調が支えとなり、ドル円は一定の底堅さを保った取引となりそうだ。

 もっとも、CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウォッチ」は、この数週間は変化が乏しい。「フェドウォッチ」では、次回5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)利上げ(FF金利誘導目標レンジを5.00-5.25%へ引き上げ)予想が9割弱となっている。しかし、年央から徐々に利下げ予想が増え、今年最後12月のFOMCでは、5.00-5.25%の水準を保つとの予想はわずか5%程度しかない。これは、中長期的な視点で捉えると、金利市場は年央から年後半にかけての景気低迷による金利低下のシナリオを一切変えていないといえる。ここ最近は、米金利が上昇基調をたどっているとはいえ、レンジの中での取引でもあり、過度にドル買いに反応することには、一定の警戒感をもつ必要もありそうだ。

 なお、本日のアジア時間では中国から、1-3月期国内総生産(GDP)はじめ複数の経済指標が発表される。市場予想と結果にかい離があった場合は、為替市場もリスク選好・回避の動きになることもあるので注意を払いたい。
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