ロンドン為替見通し=ECB高官発言でユーロ底堅く推移しつつ、NYタイム待つことになるか

市場見通し
 ロンドンタイムは、欧州中央銀行(ECB)高官の発言内容が欧・米金融政策格差の意識にどのように働きかけるか注視する局面となるだろう。先週末はラガルド総裁ほかタカ派なECB高官の発言と、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の「信用不安を考慮すると、政策金利は想定されていたほど上昇する必要がないかもしれない」との発言の違いが、欧・米金融政策の方向性の差異を印象付ける材料となった。

 本日はNY勢が動き出して以降に予定されているイベントを含め、ECB高官の講演が目白押し。NY入り前に発言するのは、17時45分:ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、18時:デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、20時30分:ホルツマン・オーストリア中銀総裁などになる。
 ※時間は日本時間

 ロンドン序盤に講演予定のブイチッチ・クロアチア中銀総裁の発言は、クロアチアがユーロを導入したのが今年1月からであり、為替市場全体にどれほど直接的な影響があるかは不確かな部分もある。しかし、5月会合で利上げして以降もインフレへの対応について「我々の仕事はまだ終わっていない」などと発言しており、タカ派姿勢であることは間違いない。

 その後に講演するデギンドスECB副総裁は、まだユーロの下落局面だったが18日「利上げ局面は終わりに近づいているものの、もう少し利上げ余地は残されている」と発言。ホルツマン・オーストリア中銀総裁も「金利が4%に達するまで利上げを停止するべきでない」との見解を示している。

 NY入りにかけた21時30分に講演予定のブラード米セントルイス連銀総裁は利上げ継続を主張するタカ派な姿勢を示すと考えられるが、その後NYタイムに伝わる各高官の発言は、総じてECBサイドからはタカ派、FRBサイドからはハト派な発言が目立つことになりそう。

 タカ派寄りのECB当局者発言を受け、欧州入り以降のユーロは底堅く推移しつつ、NYタイムにも予定されているECB高官、そしてFRB高官の発言を待つことになりそうだ。


想定レンジ上限
・ユーロドル:日足一目均衡表・基準線1.0928ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドル:3月24日安値1.0713ドル。

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