日本時間9月8日(火)8時50分に、内閣府から2026年4-6月期GDP(国内総生産)の2次速報が発表されます。1次速報では実質GDPが前期比+0.3%(年率+1.1%)と3四半期連続のプラス成長となったものの、個人消費は横ばい、設備投資は減少と内需の弱さが目立つ内容でした。9月1日に発表された法人企業統計では設備投資が市場予想を上回っており、今回の2次速報では年率+1.7%への上方修正が見込まれています。日銀の追加利上げ判断の材料としても注目されます。
発表の概要
| 指標名 | 2026年4-6月期GDP2次速報 |
|---|---|
| 発表日時 | 2026年9月8日(火)日本時間8時50分 |
| 発表機関 | 内閣府 |
| 1次速報 | 前期比+0.3%/前期比年率+1.1% |
| 今回の市場予想 | 前期比+0.4%/前期比年率+1.7% |
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1次速報の振り返り
4-6月期の1次速報は前期比年率+1.1%と、1-3月期(年率+1.9%)から減速しつつも3四半期連続のプラス成長を確保しました。ただし中身を見ると、内訳は以下の通りとなっています。
- 個人消費:前期比横ばいにとどまる
- 設備投資:減少
- 公的在庫:大幅なマイナス寄与
- 外需寄与度:年率+1.8%ポイントの大幅プラス(ただし輸入が前期比▲1.5%と落ち込んだ影響が大きい)
このように、成長率の割に内需の弱さが目立つ「見た目より弱い」内容であり、市場予想も下回っていました。項目別に見ると、プラス成長の主因は外需(純輸出)と民間在庫で、なかでも外需の押し上げは輸入が前期比▲1.5%と落ち込んだ影響が大きく、内需の最終需要はほぼ成長に寄与していません。
先行指標の動向:法人企業統計(9月1日発表)
2次速報の改定方向は、9月1日に財務省から発表された法人企業統計からある程度予測することができます。今回の結果は以下の通りです。
※ 表は横にスクロールできます →
| 項目 | 結果 | 評価 |
|---|---|---|
| 全産業設備投資(ソフトウェア含む、前年比) | +1.6%(市場予想▲0.3%) | 上方修正要因 |
| 全産業設備投資(金融・保険除く、前年比) | +4.5%(11兆9,270億円) | 強い |
| 季調済み前期比 | 製造業+1.2%/非製造業▲2.5% | まちまち |
設備投資が市場予想を上回ったことから、2次速報の成長率の市場予想は前期比+0.4%・年率+1.7%と、1次速報(年率+1.1%)から伸びが高まる見通しとなっています。
前回発表時(1次速報)の市場の反応
8月17日の1次速報発表時は、結果が市場予想を下回ったものの、為替市場の反応は限定的でした。一方、株式市場は日銀の金融政策を巡る材料として素直に反応しており、指標発表時の初動という点では、為替よりも日経225(JP225)の方が動きやすい傾向があります。
1次速報発表時のドル円(USD/JPY)の動き

1次速報発表時の日経225(JP225)の動き

今回の結果によるシナリオ別の市場への影響
日本のGDPに対する為替市場の初動は通常限定的ですが、日銀の追加利上げ観測に関わるデータとして方向感には影響します。その為替市場では、発表を前に円買いが一段と加速しています。7日の海外時間にドル円(USD/JPY)は先週来の下値の目安だった155円ちょうどを割り込み、一時154円台半ばまで下落しました(足元では154.75円近辺)。株式市場では、日経225(JP225)が日銀の利上げ観測の高まりに加え、中東情勢の緊迫を背景とした原油高も重しとなって8月の高値から調整を続けており、足元では66,220円近辺で推移しています。景気の強さを示すデータが「業績面の追い風」と「利上げの逆風」のどちらとして受け止められるか、綱引きを映しやすい局面です。
※ 表は横にスクロールできます →
| シナリオ | USD/JPY | JP225 |
|---|---|---|
| 予想を上回る大幅上方修正(年率+2.0%超) | 日銀の利上げ観測を下支えし、円買い方向に働きやすい | 景気の強さはプラス材料となる一方、利上げ観測の高まりや円高が重しになる面も |
| 予想並みの上方修正(年率+1.7%前後) | 織り込み済みで反応は限定的にとどまりやすい | 限定的な反応にとどまりやすい |
| 予想を下回る(年率+1.5%未満・下方修正含む) | 内需の弱さが改めて意識され、円売り方向に働きやすい | 景気面では重しとなる一方、利上げ後ずれ観測や円安が下支えする面も |
なお、実質GDPとあわせて名目GDPとGDPデフレーターも改定されます。1次速報では名目GDPが前期比+1.2%と実質(+0.3%)を大きく上回り、GDPデフレーターは前年比+2.6%と、国内で続く物価上昇を映しています。デフレーターの改定は日銀が重視する物価情勢の評価にもつながるため、実質GDPの改定幅とあわせて確認したいポイントです。このほか、同週の他の材料(週内では9月11日の8月米CPIが最大の注目イベントです)の影響が混在する点には注意が必要です。
OANDAのオーダーブックから見る市場参加者の動向
オープンオーダー(指値注文の分布)
9月7日17時10分時点のOANDAのオーダーブックのうち、オープンオーダー(未約定注文)を見ると、全体では買いが53.9%、売りが46.1%です。先週から下値の目安として注目されていた155円ちょうどの大口の買い指値は、7日の下落で約定して消滅しました。逆指値の売り注文を巻き込みながら155円を割り込んだ直後の分布であり、現在値(154.6円近辺)の下では、154円ちょうど近辺に控える次の大口の買い指値が下値の目安になります。上値では155円から157円にかけて戻り売りの指値注文が幅広く並び直しています。東京時間朝の発表は流動性が薄く、これらの集中帯を試す動きが出た場合は値が飛びやすい点に注意が必要です。
オープンポジション(売買比率)
また、オープンポジションの売買比率はロング61.8%、ショート38.2%と、下落が進むなかでもロングへの傾きがむしろ強まっています。逆張りの押し目買いが入り続けている一方、155円台から156円台で買ったロングの大半が含み損のまま残っており、GDPが円高方向の材料となる場合はこれらの損切りが下げ幅を広げやすい構図です。円安方向に戻す場合も、155円台からは「やれやれ売り」が上値を抑えやすいとみられます。

OANDAの通貨強弱チャートから見る直近1週間の相場環境
直近1週間のOANDAの通貨強弱チャートを見ると、日銀の9月利上げ観測を背景に、円が主要通貨のなかで突出した最強を維持し、7日の海外時間にはさらに上値を伸ばしています。先週金曜の米雇用統計が予想を大きく上回った後も米ドルは下位圏に沈んだままで、「円最強・ドル軟調」の流れが週をまたいで強まっています。あすのGDPが上方修正となれば、利上げ観測の補強材料としてこの円買いの流れを後押ししやすく、逆に下振れる場合は急ピッチな円高の一服につながる可能性があります。

まとめ
- ✓1次速報は年率+1.1%も、個人消費横ばい・設備投資減少と内需は弱め
- ✓法人企業統計の設備投資が予想を上回り、2次速報は年率+1.7%への上方修正が市場予想
- ✓為替・株の初動は限定的になりやすいが、日銀の利上げ判断材料として方向感に影響。日経225(JP225)は利上げ観測との綱引きに注目
- ✓ドル円は発表前夜に155円を割り込み154円台へ。次の下値の目安は154円ちょうどの大口買い指値
- ✓東京時間朝の発表につき、流動性の薄さとオーダー集中帯に注意
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OANDA Lab編集部
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