週間為替展望(ドル/ユーロ)−ドル円、相次ぐ米重要指標に注目

市場見通し
◆ドル円、介入の可能性高まるも円先安観から下値堅い
◆米雇用統計をはじめ、米重要指標が目白押し
◆ユーロドル、欧州市場は夏時間に移行

予想レンジ
ドル円   149.00-155.00円
ユーロドル 1.0500-1.1000ドル

4月1日週の展望
 ドル円は、政府・日銀による介入警戒感は高まっているものの、円先安観を背景に押し目買い意欲が強いことから下値の堅い動きとなりそうだ。

 3月に日銀が異次元の大規模金融緩和を終了させたものの、声明や植田日銀総裁、その他日銀メンバーからも「しばらくは緩和的な金融政策を継続する」との姿勢を確認したことで継続的な利上げ期待は後退。円先安観が一段と高まっている状況となっている。27日に鈴木財務相が「あらゆるオプションを排除せずに、断固たる措置をとっていきたい」と発言し、介入が近いことを示唆する文言とされている“断固たる”という表現を使用したため介入警戒感が高まっており、仮に介入が実施されればドル円は急落することは想定できるだろう。ただ、日銀が金融緩和を継続する姿勢を示している以上、介入のみで円安トレンドを終わらせることは難しく、単なる押し目になってしまう可能性がある。

 また、ドル円の上昇を後押ししているのは、米国の早期利下げ観測の後退もある。先月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の金利見通しを受けて6月利下げ観測が高まったことは確かだが、来年以降の金利見通しが引き上げられた。足元で米インフレ指標の相次ぐ強い結果を受けて、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事は「私の見解では利下げの全体的な回数を減らすか、さらに先送りするのが適切だ」と述べるなど、利下げ観測が後退している。

 そういった意味でも、今後は一段と米経済指標の結果に注目が集まりやすいだろう。来週は4月1日に3月ISM製造業景況指数、2日に2月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、3日に3月ADP雇用統計や3月ISM非製造業景況指数、そして週末の5日には3月雇用統計など重要指標が目白押しとなっており、結果次第では金利見通しに大きく影響を与えそうだ。

 ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)の早期利下げ観測から引き続き上値の重い展開が想定される。なお、週末31日から欧州市場は夏時間に移行する為、株式相場の取引時間や経済指標の発表が1時間早くなる。また、週明け4月1日はイースター休暇の為、欧州市場は休場となる。

3月25日週の回顧
 ドル円は狭いレンジで方向感がなかった。151円台前半でのもみ合いが続いた後、田村日銀審議委員のハト派発言を受けて買いが強まり、一時151.97円と1990年7月以来の高値を付けた。ただ、「財務省・金融庁・日銀による3者会合が開催された」との報道で151.03円まで失速。その後は151円台前半での推移となっている。
 
 ユーロドルは週前半は底堅く1.0864ドルまで上昇したが、月末・期末に絡んだロンドンフィキシングでのドル買いフローの影響を受けて1.0775ドルまで下押しした。(了)

(小針)


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