週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、インフレ指標に注目

市場見通し
◆豪ドル、雇用情勢落ち着き利下げ観測後退でレンジ取引か
◆豪ドル、インフレ指標に注目
◆ZAR、CPIを受けたSARBレビューに注目

予想レンジ
豪ドル円 98.00-102.00円
南ア・ランド円 7.95-8.30円

4月22日週の展望
 豪ドルはレンジ取引となりそうだ。今週発表された豪雇用統計は新規雇用者数が減少したが、失業率は予想よりも強い結果だった。雇用統計が落ち着いていることで、豪準備銀行(RBA)は利下げを急がず、年内の利下げはないとの予想が広がっている。米連邦準備理事会(FRB)同様にRBAも早期利下げ観測が後退していることで、豪ドルは当面はレンジから抜け出せないとみる。

 ただ、来週は24日に1−3月期と3月の消費者物価指数(CPI)が発表される。昨年の10−12月期は前年比で4.1%、RBAの注目度が高いトリム平均値が4.2%だったが、今年に入り発表された1・2月の月次CPIはいずれも3.4%になるなど、インフレは抑えられている。市場予想も1−3月期は3.5%へ低下となっており、もし予想通りとなれば豪ドルは軟調な動きになりそうだ。また、CPIだけではなく26日には卸売物価指数(PPI)と輸出・輸入物価指数も立て続けに発表される予定。来週はインフレ指標に敏感に豪ドルが上下することになりそうだ。

 国外要因としては、豪ドルがリスク選好・回避の動きに敏感に反応することから、引き続き株式市場の動きに注目。中東情勢の緊迫化はやや和らいでいるが、引き続き動向を警戒してみなければならないだろう。なお、ニュージーランド(NZ)からは24日に3月貿易収支、26日に4月ANZ消費者信頼感指数がそれぞれ発表予定。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は底堅さを維持できるか。今週発表された3月のCPIは前月や市場予想よりも下振れた。インフレが抑制されることは経済や財政にはメリットが大きいことでZARの下支えとなりそうだ。もっとも、インフレについては、市場は「ピークに達した可能性があるものの、進行中のディスインフレ軌道は依然不安定で、重大な上振れリスクを浮き彫りにしており、金融政策委員会(MPC)は時期尚早な利下げを避けるために細心の注意を払う必要がある」との声が多い。

 そういったなかで、来週は南アフリカ準備銀行(SARB)が金融政策の見通しに関する中間情報を提供する「金融政策レビュー」が23日に公開される。市場予想通りSARBが慎重姿勢を貫くのか、それともややハト派寄りのレビューとなるかが注目される。なお、25日に3月PPIが発表予定。また、引き続き商品市場の動向にも注視しておきたい。

4月15日週の回顧
 豪ドルは対円では強含み、対ドルではレンジ内で小動き。ドル円が1990年6月以来となる154円後半まで上昇したことで、豪ドル円も一時100円台に乗せた。その後は円買い介入警戒感などもあり上値が抑えられ、98円後半まで弱含む場面もあったが下値は限定的だった。

 ZARは対円ではもみ合い、対ドルでは軟調な動き。対ドルでは株安を嫌気したリスク回避の動きで、3月上旬以来となる19.20ZARまでZAR安が進んだ。対円ではドル円とドルランドの綱引き状態が続き、明確なトレンドを作ることが出来なかった。(了)


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