週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、4-6月期CPIに注目

市場見通し
◆豪ドル、日米金融政策で荒い値動きとなる可能性
◆豪ドル、4-6月期CPIに注目
◆ZAR、SARBの予想は意見割れる

予想レンジ
豪ドル円 94.00-99.00円
南ア・ランド円 8.20-8.60円

7月28日週の展望
 豪ドルは荒い値動きに警戒が必要となりそうだ。来週は日米で金融政策の発表が予定されており、円やドル相場は大きく振らされる可能性がある。当初は無風と予想されていた30-31日の日銀金融政策決定会合だが、今週に日米関税交渉が締結したことで日銀が懸念していた不確実性が和らいだとして、市場では早期利上げ観測が再び浮上。実際に利上げに踏み切る可能性は高くないと思われるが、日米関税合意を受けた展望リポートの内容が注目されるだろう。追加利上げへの思惑が高まった際には豪ドル円も売りに押される可能性がありそうだ。

 米国でも29-30日の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。市場予想は金利据え置きとなっているが、今回も据え置きを決めたとなれば、トランプ米大統領を始めとする米政権側からパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長やFRBメンバーへの圧力が一層強まることは想像に難くない。利下げ時期を巡るFRB内の意見の相違が拡大する可能性もあり、ドル相場を不安定にする要因として注意しておきたい。

 また、30日には豪州でも4−6月期消費者物価指数(CPI)の発表が控えており、市場の注目を集めるだろう。豪準備銀行(RBA)理事会は前回(7-8日)の会合で予想外の金利据え置きを6対3で決定したが、ブロックRBA総裁は「意見の相違は方向性ではなくタイミングの問題だ」として、「四半期CPIが軟化すれば金融緩和への道筋が開けるだろう」との見方を示している。

 来週は、四半期CPIなどの結果を見極めながら、RBAの今後の利下げスケジュールを探っていく必要がありそうだ。なお、金利先物市場では現時点で次回(8月11-12日)理事会での0.25%利下げをほぼ100%程度織り込んでいるほか、年内に計3-4回の利下げを織り込んだ状態にある。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な展開となりそうだ。来週は31日に南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策決定委員会(MPC)が開催されるが、現時点では0.25%の利下げか、金利据え置きかで市場予想も割れている。もっとも、SARBと財務省が検討中のインフレ目標引き下げによって、次の利下げは現状の緩和サイクルでおそらく最後になると予想されており、南アの実質金利は今後も高水準を維持するだろう。この実質金利の高さが現状のZAR買いを支えている要因ともなっているが、トランプ米政権の関税政策によって南ア経済がさらに低迷する可能性もあり、市場では追加緩和で景気を刺激する余地が乏しくなることはむしろ今後の懸念材料と警戒する声も聞かれている。

7月21日週の回顧
 豪ドルは対ドルで0.66ドル台まで上値を伸ばし、年初来の高値を更新。一方、対円ではドル円が下落した影響で伸び悩む場面もあったが、96円台を中心とするレンジ内で下値の堅い動きとなった。ZARも対ドルでは買いが入り、年初来高値をうかがう展開に。対円では8.3円台の高値圏でもみ合いとなった。(了)

(執筆:7月25日、9:00)


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