市場見通し
◆豪ドル、RBA総裁は利下げ幅が限られる可能性を示唆
◆豪ドル、日米の材料に注目
◆ZAR、来週以降に重要イベント相次ぐ
予想レンジ
豪ドル円 94.00-98.00円
南ア・ランド円 8.20-8.50円
9月8日週の展望
豪ドルは荒い値動きに警戒が必要となりそうだ。今週発表された4−6月期の豪国内総生産(GDP)は市場予想を上回る強い結果となり、その後に豪準備銀行(RBA)のブロック総裁はRBAの予測よりも消費支出が回復しているとして、「この状況が続けば今後の利下げは限られるかもしれない」との見解を示した。金利先物市場では年内のRBAの利下げはあと1回程度と想定されており、豪金利先安観が後退しつつあることは豪ドルの支えとなるだろう。
もっとも、来週については9月ウエストパック消費者信頼感指数や8月NAB企業景況感指数の発表が予定されている程度で相場への影響は限定的となる見込み。対して日本では8日に自民党の臨時総裁選が実施されるか否かの結果が明らかになるほか、11日には米国で8月消費者物価指数(CPI)の発表が予定されているため、目先的には豪ドルもドル相場や円相場の動向に振らされやすい。特に自民党の臨時総裁選が開催されることが決まった場合、政局の不透明感から円売りが進む可能性が高く、週明けの為替市場には警戒しておく必要があるだろう。
一方で、テクニカル面では対円を中心に下押しリスクに警戒が必要となる。豪ドル円などオセアニアのクロス円は先月後半から調整らしい調整を挟まないまま上昇が続いており、豪ドル円は7月15日につけた直近高値97.43円手前で今週に上値の重さを確認したことも含めて、調整売りが進みやすい局面にあることは頭に入れておきたい。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な展開となりそうだ。来週は9日に4-6月期国内総生産(GDP)、11日に4−6月期経常収支が予定されているほか、翌週には8月CPIや南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策などの重要イベントも控えている。ZAR相場は足もとで対ドル・対円ともに方向感の乏しい動きとなっていたが、来週以降は値幅を伴った動きを見せる可能性があるだろう。豪ドルと同様に自民党総裁選実施の有無、米国のCPIなどを確認しつつ、ZAR相場の方向性を見極めたいところだ。
なお、今週発表された8月のABSA製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.5と前月の50.8から低下し、好不況の分水嶺である50.0を再び下回った。米国による関税の影響や、今後の影響がより大きくなる可能性があることなどが指摘されている。米関税政策によるZAR相場への影響はここまで限られているものの、南アの実体経済に与える影響についても改めて注意する必要がありそうだ。
9月1日週の回顧
豪ドルは対円で週明けから買いが進み、一時97.30円まで上昇するもその後は買い一服となった。対ドルでは0.65ドル台を中心に上下したものの、方向感なく推移。ZARも対ドルでは17.50-80ZAR台のレンジ内でもみ合い。対円では3日に8.44円まで上昇したが、8月25日につけた直近高値8.45円には届かず、その後は伸び悩んだ。(了)
(執筆:9月5日、9:00)
Provided by
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。
一覧へ戻る
◆豪ドル、日米の材料に注目
◆ZAR、来週以降に重要イベント相次ぐ
予想レンジ
豪ドル円 94.00-98.00円
南ア・ランド円 8.20-8.50円
9月8日週の展望
豪ドルは荒い値動きに警戒が必要となりそうだ。今週発表された4−6月期の豪国内総生産(GDP)は市場予想を上回る強い結果となり、その後に豪準備銀行(RBA)のブロック総裁はRBAの予測よりも消費支出が回復しているとして、「この状況が続けば今後の利下げは限られるかもしれない」との見解を示した。金利先物市場では年内のRBAの利下げはあと1回程度と想定されており、豪金利先安観が後退しつつあることは豪ドルの支えとなるだろう。
もっとも、来週については9月ウエストパック消費者信頼感指数や8月NAB企業景況感指数の発表が予定されている程度で相場への影響は限定的となる見込み。対して日本では8日に自民党の臨時総裁選が実施されるか否かの結果が明らかになるほか、11日には米国で8月消費者物価指数(CPI)の発表が予定されているため、目先的には豪ドルもドル相場や円相場の動向に振らされやすい。特に自民党の臨時総裁選が開催されることが決まった場合、政局の不透明感から円売りが進む可能性が高く、週明けの為替市場には警戒しておく必要があるだろう。
一方で、テクニカル面では対円を中心に下押しリスクに警戒が必要となる。豪ドル円などオセアニアのクロス円は先月後半から調整らしい調整を挟まないまま上昇が続いており、豪ドル円は7月15日につけた直近高値97.43円手前で今週に上値の重さを確認したことも含めて、調整売りが進みやすい局面にあることは頭に入れておきたい。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な展開となりそうだ。来週は9日に4-6月期国内総生産(GDP)、11日に4−6月期経常収支が予定されているほか、翌週には8月CPIや南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策などの重要イベントも控えている。ZAR相場は足もとで対ドル・対円ともに方向感の乏しい動きとなっていたが、来週以降は値幅を伴った動きを見せる可能性があるだろう。豪ドルと同様に自民党総裁選実施の有無、米国のCPIなどを確認しつつ、ZAR相場の方向性を見極めたいところだ。
なお、今週発表された8月のABSA製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.5と前月の50.8から低下し、好不況の分水嶺である50.0を再び下回った。米国による関税の影響や、今後の影響がより大きくなる可能性があることなどが指摘されている。米関税政策によるZAR相場への影響はここまで限られているものの、南アの実体経済に与える影響についても改めて注意する必要がありそうだ。
9月1日週の回顧
豪ドルは対円で週明けから買いが進み、一時97.30円まで上昇するもその後は買い一服となった。対ドルでは0.65ドル台を中心に上下したものの、方向感なく推移。ZARも対ドルでは17.50-80ZAR台のレンジ内でもみ合い。対円では3日に8.44円まで上昇したが、8月25日につけた直近高値8.45円には届かず、その後は伸び悩んだ。(了)
(執筆:9月5日、9:00)
Provided by
DZH Finacial Research
「投資を面白く、投資家を笑顔に」をスローガンに、株式や為替など様々な金融マーケットの情報を提供。
豊富な経験を持つエキスパートが多数在籍し、スピーディー且つオリジナルな視点からの情報をOANDA Labに配信しています。
会社名:株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
所在地:東京都中央区明石町8番1号 聖路加タワー32階
商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。