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週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、8月CPIに注目

市場見通し
◆豪ドル、8月CPIに注目
◆NZドル、四半期GDPの失速で金利先安観広がる
◆ZAR、SARBは金利据え置きを決定

予想レンジ
豪ドル円 95.50-99.00円
南ア・ランド円 8.40-8.80円

9月22日週の展望
 豪ドルは伸び悩む展開となりそうだ。来週は24日に8月消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。豪準備銀行(RBA)は金融政策を決定する際の判断材料として四半期ベースのインフレ率を重視していることを示唆しているものの、次回のRBA理事会(29-30日)の前に発表される最後のインフレ統計であるため、直近の豪インフレ動向を確認するための指標として注目が集まっている。

 なお、今週に発表された8月雇用統計では常勤雇用者数の大幅減が明らかとなり、市場予想に反して新規雇用者数は減少した。RBAは前回の理事会(8月11-12日)で利下げを決めた際に、金利引き下げの根拠の一つとして労働市場の状況が若干緩和していることを挙げており、豪雇用指標がさえない結果となったことで、一時後退していた豪金利先安観が再び広がる可能性もある。現在の金利先物市場では年内にあと1回程度の利下げしか織り込んでいない状況だが、来週のCPIなどを受けて再び利下げ期待が高まるか確認しておきたい。

 隣国のニュージーランド(NZ)では今週発表された4−6月期国内総生産(GDP)が予想比で大きく下振れる結果となり、NZの金利先安観が広がった。金利先物市場ではNZ準備銀行(RBNZ)の年内2回の利下げをすでに100%織り込んでいるほか、来年前半までに政策金利が2.25%まで低下すると見込んでいる。RBNZの中心的な予測によると、現在の利下げ局面での着地点は2.50%程度となっているが、市場での急速な利下げ期待の高まりは今後もNZドルの重荷となる可能性が高い。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は底堅い展開となりそうだ。今週開催された南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策決定委員会(MPC)では、政策金利が7.00%での据え置きとなった(決定は4対2、2名が0.25%の利下げを主張)。SARBは今後数カ月でインフレ率が約4%まで上昇すると予測しており、今年の平均は3.4%、2026年は3.6%になると見込んでいる。SARBが実質的なインフレ目標と設定した3%を当面は上回る見込みとなっており、南アの金利先安観は後退。市場では「SARBは今後の利下げに慎重な姿勢を取る可能性が高い」との見方が広がっている。また、SARBは今年の経済成長率見通しを従来の0.9%から1.2%に引き上げており、南ア経済の景気見通し改善もZAR相場を下支えしそうだ。

9月15日週の回顧
 豪ドルは対円では弱含み。豪雇用統計がさえない結果となったことも重しとなり、97円台半ばまで値を下げた。対ドルでは米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表直後に0.67ドル台まで値を上げたが、その後は伸び悩んだ。
 ZARは対円で底堅い動きとなり、一時8.53円の年初来高値に面合わせした。対ドルでも年初来のZAR高水準を更新する場面があったものの、週末にかけては買いが一服した。(了)
(執筆:9月19日、9:00)


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