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週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、景気停滞の程度を見極め

市場見通し
◆ポンド、経済指標の改定値で景気停滞の程度を見極め
◆対ドルでは米雇用データ、対円では自民党総裁選を睨みながらの値動き
◆加ドル、米加貿易問題は膠着状態

予想レンジ
ポンド円 198.00-202.00円
加ドル円 106.00-109.00円

9月29日週の展望
 ポンドは、英経済指標の改定値で景気停滞の程度を見極め、ベイリー英中銀(BOE)総裁が示した利下げ余地を確かめる展開となりそうだ。また、対ドルでは米雇用データの結果、対円では自民党総裁選に向けた動きにも影響されるだろう。

 発表されるのは、30日の4-6月期国内総生産(GDP)と10月1日、3日の9月購買担当者景気指数(PMI)。GDPは速報値で前期比0.3%/前年比1.2%と予想以上に拡大していたものの、前四半期の値には届かなかった。今週発表の9月PMI速報値は製造業が46.2と弱く、サービス部門は景況判断の境目50を超えていたものの51.9と前回からの下振れ予想を更に下回った。ベイリーBOE総裁は今週の講演で、個人消費の弱まりや労働市場の低迷に言及し、「依然として、金利には引き下げ余地がある」との見解を示した。ただ、「いつどの程度かはインフレの経路次第」とし、景気回復力への懸念と高止まるインフレ率の間で政策判断の難しさを浮き彫りにしている。短期金融市場では、年内残り2回の英金融政策委員会(MPC)で政策金利は据え置きと見ている。市場が完全に織り込んでいる追加利下げは、今のところ来年の春頃に0.25%が1度。一部メディアでは、英中銀による緩和サイクルは終了したというエコノミストの見方も紹介している。

 対ドルでは、当然ながら10月3日に発表の9月米雇用統計は無視できない。週末に向けては複数の雇用データも発表されるため、米労働市場の強弱で振らされる展開も多くなるだろう。対円では、4日投開票が実施される自民党総裁選レースで、誰がリードしているかを意識しておきたいところだ。これらの要因は、ポンドのみならず加ドルにも影響を及ぼすだろう。

 カナダでは、重要指標の発表はないが、加ドルは対米関係や米国以外との経済関連の報道で動意づく場面もあるりそうだ。カーニー加首相は今週、対米貿易交渉が依然進行中であることを改めて表明。カナダは米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)準拠品に対する関税免除措置により、有利な対米貿易条件を受けているとしたものの、完全な関税撤廃を巡る協議は数カ月にわたり膠着状態にあると認めた。今後は、米加間の未解決の論点がUSMCA見直しプロセスに移行することが明らかに。つまり、米加貿易問題はまだ暫く決着がつかないということだろう。

 なお、カナダは24日、インドネシアと新たな包括的経済連携協定(CEPA)に署名。アジアで中国依存を減らし、諸外国との経済関係を深める全体方針の一環である。米中への依存度を減らすことに対し、相場がどのように反応するかを見定めたい。

9月22日週の回顧
 ポンド円は199円後半から199円前半まで売りが先行。9月英PMI速報値が予想を下回ったことが影響した。ただし週後半には、上値を伸ばしたドル円につれて200円台を一時回復した。加ドル円は106円半ばを下押し水準に107.60円台まで切り返した。全般ドル高の流れを受け、ポンドドルや加ドルは対ドルで売りが優勢となった。(了)
(執筆:9月26日、9:00)


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