市場見通し
◆豪ドル、RBA理事会に注目
◆NZドル、利下げが織り込まれる中で戻りは限られそう
◆ZAR、キャリートレードの流れを見極め
予想レンジ
豪ドル円 96.00-100.00円
南ア・ランド円 8.40-8.80円
9月29日週の展望
豪ドルは神経質な動きを予想している。来週は30日に豪準備銀行(RBA)の金融政策発表が予定されている。市場予想は政策金利の3.60%据え置きとなっている。ブロックRBA総裁は22日に「四半期ごとの消費者物価指数(CPI)に引き続き大きく依存」と発言するも、24日の8月の月次CPIが前年比+3.0%と予想や前回値を上回り、昨年7月以来の高い上昇率だった。現在の金利先物市場では、次回RBAの利下げ予想は来年2月となっており、年内は据え置きが見込まれている。そうした中、声明や総裁会見に注目しており、RBAの次の一手についての手掛かりが示されれば豪ドル相場を動かすことになるだろう。
また、来週は豪ドルに限らず、日米でも重要イベントが目白押しとなっている。米国では10月2日の9月雇用統計を筆頭に、雇用関連の指標が複数予定されている。今のところあまり材料視されていないが、米国の10月からの新会計年度の「つなぎ予算案」の期限が31日に迫っており、リスク要因となる恐れがある点にも留意したい。本邦要因では、自民党総裁選の開票は10月4日(土)であるものの、選挙戦における各候補の発言のほか、世論調査の結果に対して市場は神経質な反応を見せる恐れがある。また、その手前の10月1日には日銀短観も発表される。これらを受けたドル円の動きが、豪ドル円を始めとするクロス円相場に影響を及ぼすことが予想される。
隣国のニュージーランド(NZ)では、主だった経済イベントは予定されておらず、前述のドル円を始め、主要国株価の上下によるリスクセンチメントに影響を受けやすいと見る。ただ、金利先物市場ではNZ準備銀行(RBNZ)の年内2回の利下げをすでに100%織り込んでいる状態であり、10月8日のRBNZ理事会に向けて上値は限られそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調地合いが続きそうだ。米国とは関税問題で緊張が続いているものの、その一方で中国は南アへの投資拡大で合意しており、現在は南アの最大の貿易相手国となっている。ZARは対ドルのみならず、対円でも年初来高値を更新している。米株主要3指数が過去最高値圏で推移するなど市場が安定しており、キャリートレードしやすい環境となっていることも高金利通貨であるZARの上昇を後押ししているもよう。また、来週は南アでは主だった経済指標が予定されておらず、引き続き株価をながめながらの展開が見込まれる。ただ、対円ではドル円相場の行方が波乱要因になり得るため注意が必要だろう。
9月22日週の回顧
豪ドルは対円では切り返し。97円台前半での底堅さを確認すると、8月豪CPIの上振れを受けて上昇。ドル円で円安が進んだことも買いを後押しすると、98円台前半まで値を上げた。
ZARは対円で堅調な値動き。日米での株高も追い風となって一時8.60円まで上昇して年初来高値を更新した。対ドルでも17.21ランド台まで昨年9月末以来の水準までランド買いが進んだ。(了)
(執筆:9月26日、9:00)
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◆NZドル、利下げが織り込まれる中で戻りは限られそう
◆ZAR、キャリートレードの流れを見極め
予想レンジ
豪ドル円 96.00-100.00円
南ア・ランド円 8.40-8.80円
9月29日週の展望
豪ドルは神経質な動きを予想している。来週は30日に豪準備銀行(RBA)の金融政策発表が予定されている。市場予想は政策金利の3.60%据え置きとなっている。ブロックRBA総裁は22日に「四半期ごとの消費者物価指数(CPI)に引き続き大きく依存」と発言するも、24日の8月の月次CPIが前年比+3.0%と予想や前回値を上回り、昨年7月以来の高い上昇率だった。現在の金利先物市場では、次回RBAの利下げ予想は来年2月となっており、年内は据え置きが見込まれている。そうした中、声明や総裁会見に注目しており、RBAの次の一手についての手掛かりが示されれば豪ドル相場を動かすことになるだろう。
また、来週は豪ドルに限らず、日米でも重要イベントが目白押しとなっている。米国では10月2日の9月雇用統計を筆頭に、雇用関連の指標が複数予定されている。今のところあまり材料視されていないが、米国の10月からの新会計年度の「つなぎ予算案」の期限が31日に迫っており、リスク要因となる恐れがある点にも留意したい。本邦要因では、自民党総裁選の開票は10月4日(土)であるものの、選挙戦における各候補の発言のほか、世論調査の結果に対して市場は神経質な反応を見せる恐れがある。また、その手前の10月1日には日銀短観も発表される。これらを受けたドル円の動きが、豪ドル円を始めとするクロス円相場に影響を及ぼすことが予想される。
隣国のニュージーランド(NZ)では、主だった経済イベントは予定されておらず、前述のドル円を始め、主要国株価の上下によるリスクセンチメントに影響を受けやすいと見る。ただ、金利先物市場ではNZ準備銀行(RBNZ)の年内2回の利下げをすでに100%織り込んでいる状態であり、10月8日のRBNZ理事会に向けて上値は限られそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調地合いが続きそうだ。米国とは関税問題で緊張が続いているものの、その一方で中国は南アへの投資拡大で合意しており、現在は南アの最大の貿易相手国となっている。ZARは対ドルのみならず、対円でも年初来高値を更新している。米株主要3指数が過去最高値圏で推移するなど市場が安定しており、キャリートレードしやすい環境となっていることも高金利通貨であるZARの上昇を後押ししているもよう。また、来週は南アでは主だった経済指標が予定されておらず、引き続き株価をながめながらの展開が見込まれる。ただ、対円ではドル円相場の行方が波乱要因になり得るため注意が必要だろう。
9月22日週の回顧
豪ドルは対円では切り返し。97円台前半での底堅さを確認すると、8月豪CPIの上振れを受けて上昇。ドル円で円安が進んだことも買いを後押しすると、98円台前半まで値を上げた。
ZARは対円で堅調な値動き。日米での株高も追い風となって一時8.60円まで上昇して年初来高値を更新した。対ドルでも17.21ランド台まで昨年9月末以来の水準までランド買いが進んだ。(了)
(執筆:9月26日、9:00)
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DZH Finacial Research
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