市場見通し
◆豪ドル、四半期インフレ指標(CPI・PPI)に注目
◆豪ドル、米中首脳会談など政治イベントに相場急変リスク
◆ZAR、コモディティ価格の大幅反落が重しに
予想レンジ
豪ドル円 97.00-101.00円
南ア・ランド円 8.60-9.10円
10月27日週の展望
来週の豪ドルは、豪州から発表されるインフレ指標に左右される相場展開になりそうだ。また、引き続き、日米を中心とした政局や米中の貿易摩擦の進展などにも注目。
豪ドルはここ最近、日米欧の政治要因などを中心に上下を繰り返していたが、来週は豪州から29日に7−9月期消費者物価指数(CPI)、31日に卸売物価指数(PPI)が発表予定となっており、結果次第では市場が大きく動意づくことになるだろう。29日には9月のCPIも発表されるが、月次のCPIは四半期CPIバスケットの6割から7割程度しか含まれていない。ブロック豪準備銀行(RBA)総裁も「四半期ごとのCPIに引き続き大きく依存」との見解を示しており、より重要視されている。昨年は一時前年比で3.8%まで上昇したインフレ率は、今年に入り1−3月期は2.4%、4−6月期は2.1%へと低下している。また、RBAが注目しているトリム平均値も昨年は4.0%で高止まりしていたものが2.9%、2.7%へと低下傾向。9月の雇用統計で失業率が4.5%まで上昇したこともあり、インフレ率がさらに低下していた場合は、RBAの利下げ期待が高まることになる。豪ドルの売り圧力になりそうだ。
国外でも、来週は大きなイベントが目白押し。市場が急変するリスクがあることも念頭に入れておきたい。26日にはASEAN首脳会議、27−29日にはトランプ米大統領が来日予定(28日に日米首脳会談の可能性)となっている。また、30日には米中首脳会談が予定されているほか、31日にはAPEC首脳会議が開催される。国際的なイベントが相次ぐが、リスクセンチメントに敏感な豪ドルは米中摩擦の動向などに大きく影響されるだろう。なお、ニュージーランド(NZ)からは30日にANZ企業景況感と信頼感が発表される。
南アフリカ・ランド(ZAR)はもみ合いから抜け出せない可能性が高い。今週は金先物だけではなく南アが世界最大の産出量を誇るプラチナなど、コモディティ価格が大幅に反落。ZARも上値が抑えられている。米中・米露間などの国際情勢の緊迫化が緩和しない場合は、安全資産としてコモディティが再び買われる場面もあるだろうが、急ピッチで上昇した反動から調整が継続されればZARの重しになるだろう。なお、南アからの経済指標では、30日に9月PPI、31日には9月貿易収支が発表される予定。
10月20日週の回顧
豪ドルは対円では「高市トレード」の再開で99円半ばまで上昇した。対ドルでは週初は日経平均株価の大幅上昇を受け、リスク選好の動きにつれて買われる場面もあったが、米中貿易摩擦の再燃から上値も限られた。全般、0.65ドルを挟んだ小動きとなった。ZARも対円ではコモディティ価格の反落で上値が抑えられたが、「高市トレード」の再開が下値を支えることに。8.64円から8.8円台までじり高となった。対ドルでは17ランド前半のレンジからは抜け出せなかった。なお、9月の南アCPIは概ね市場予想に沿った結果だった。(了)
(執筆:10月24日、9:00)
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◆豪ドル、米中首脳会談など政治イベントに相場急変リスク
◆ZAR、コモディティ価格の大幅反落が重しに
予想レンジ
豪ドル円 97.00-101.00円
南ア・ランド円 8.60-9.10円
10月27日週の展望
来週の豪ドルは、豪州から発表されるインフレ指標に左右される相場展開になりそうだ。また、引き続き、日米を中心とした政局や米中の貿易摩擦の進展などにも注目。
豪ドルはここ最近、日米欧の政治要因などを中心に上下を繰り返していたが、来週は豪州から29日に7−9月期消費者物価指数(CPI)、31日に卸売物価指数(PPI)が発表予定となっており、結果次第では市場が大きく動意づくことになるだろう。29日には9月のCPIも発表されるが、月次のCPIは四半期CPIバスケットの6割から7割程度しか含まれていない。ブロック豪準備銀行(RBA)総裁も「四半期ごとのCPIに引き続き大きく依存」との見解を示しており、より重要視されている。昨年は一時前年比で3.8%まで上昇したインフレ率は、今年に入り1−3月期は2.4%、4−6月期は2.1%へと低下している。また、RBAが注目しているトリム平均値も昨年は4.0%で高止まりしていたものが2.9%、2.7%へと低下傾向。9月の雇用統計で失業率が4.5%まで上昇したこともあり、インフレ率がさらに低下していた場合は、RBAの利下げ期待が高まることになる。豪ドルの売り圧力になりそうだ。
国外でも、来週は大きなイベントが目白押し。市場が急変するリスクがあることも念頭に入れておきたい。26日にはASEAN首脳会議、27−29日にはトランプ米大統領が来日予定(28日に日米首脳会談の可能性)となっている。また、30日には米中首脳会談が予定されているほか、31日にはAPEC首脳会議が開催される。国際的なイベントが相次ぐが、リスクセンチメントに敏感な豪ドルは米中摩擦の動向などに大きく影響されるだろう。なお、ニュージーランド(NZ)からは30日にANZ企業景況感と信頼感が発表される。
南アフリカ・ランド(ZAR)はもみ合いから抜け出せない可能性が高い。今週は金先物だけではなく南アが世界最大の産出量を誇るプラチナなど、コモディティ価格が大幅に反落。ZARも上値が抑えられている。米中・米露間などの国際情勢の緊迫化が緩和しない場合は、安全資産としてコモディティが再び買われる場面もあるだろうが、急ピッチで上昇した反動から調整が継続されればZARの重しになるだろう。なお、南アからの経済指標では、30日に9月PPI、31日には9月貿易収支が発表される予定。
10月20日週の回顧
豪ドルは対円では「高市トレード」の再開で99円半ばまで上昇した。対ドルでは週初は日経平均株価の大幅上昇を受け、リスク選好の動きにつれて買われる場面もあったが、米中貿易摩擦の再燃から上値も限られた。全般、0.65ドルを挟んだ小動きとなった。ZARも対円ではコモディティ価格の反落で上値が抑えられたが、「高市トレード」の再開が下値を支えることに。8.64円から8.8円台までじり高となった。対ドルでは17ランド前半のレンジからは抜け出せなかった。なお、9月の南アCPIは概ね市場予想に沿った結果だった。(了)
(執筆:10月24日、9:00)
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DZH Finacial Research
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