市場見通し
◆豪ドル、10月雇用統計に注目
◆NZドル、失業率は9年ぶりの水準まで悪化
◆ZAR、S&Pが今月南ア格付けを引き上げる可能性
予想レンジ
豪ドル円 96.00-101.00円
南ア・ランド円 8.50-9.00円
11月10日週の展望
豪ドルは伸び悩む展開となりそうだ。来週は13日に10月雇用統計の発表が予定されており、市場の注目を集めるだろう。豪準備銀行(RBA)は今週の金融政策決定理事会で予想通りに政策金利の据え置きを決定。声明文ではインフレ警戒姿勢を強めたほか、「労働市場の状況は依然としてやや逼迫」「賃金上昇率はピークから鈍化しているが、単位労働コストの上昇率は依然として高い水準にある」などの見解を示しており、今回の雇用統計が強い結果となった場合は豪金利の先安観も一段と後退することになりそうだ。すでに金利先物市場では年内最後のRBA理事会(12月8-9日)も金利が据え置かれるとの見方が優勢となっており、豪ドル相場の下支え要因として意識されるか注目しておきたい。
また、金融市場が全般に神経質な展開となっていることにも注意しておきたい。米政府機関の閉鎖が続いている影響で多くの経済指標が発表延期となるなか、民間の一部指標に対する市場の反応が過敏になっており、足もとでは株価や債券相場が上下に振らされている。為替市場も同様に不安定な動きを見せる場面が多く、しばらくは荒い値動きへの警戒を続ける必要があるだろう。
隣国のニュージーランド(NZ)では、今週発表された7−9月期雇用統計で失業率が約9年ぶりの水準まで悪化した。市場ではNZ準備銀行(RBNZ)が26日に予定されている年内最後の金融政策委員会(MPC)で再び50bpの大幅利下げに動くとの見方も広がりつつある。現在の金利先物市場では25bpの利下げ予想が中心となっているが、金利先安観の高まりはNZドル相場の重しとなる可能性がある。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な動きとなりそうだ。来週は7-9月期失業率の発表が予定されており、ZAR相場への影響に注目しておきたい。なお、一部の米金融機関は「国民統一政府(GNU)による経済改革の実施によって経済成長が加速していることから、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が南アフリカの格付けを今月引き上げる可能性がある」との見解を示した。S&Pによる現在の南アフリカ長期外貨建て格付けは「BB-」。「BB」へと一段階引き上げられても「投機的」な位置付けは変わらないが、ZAR相場にとってはポジティブな材料となるだろう。
11月3日週の回顧
豪ドルは対ドル・対円ともに弱含み。先月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降は対ドルで豪ドルの売り戻しが強まっており、今週も豪ドル売り・ドル買いが継続した。また、対円でも年初来の高値圏ながらやや上値の重さが意識された。RBAは4日に政策金利の据え置きを決めたが、市場予想通りであったため相場への影響は限定的だった。
ZARも対円では伸び悩み。ドル円の上値が重くなった影響もあり、年初来の高値8.95円や節目の9.00円手前からやや持ち高調整売りに押された。(了)
(執筆:11月7日、9:00)
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◆NZドル、失業率は9年ぶりの水準まで悪化
◆ZAR、S&Pが今月南ア格付けを引き上げる可能性
予想レンジ
豪ドル円 96.00-101.00円
南ア・ランド円 8.50-9.00円
11月10日週の展望
豪ドルは伸び悩む展開となりそうだ。来週は13日に10月雇用統計の発表が予定されており、市場の注目を集めるだろう。豪準備銀行(RBA)は今週の金融政策決定理事会で予想通りに政策金利の据え置きを決定。声明文ではインフレ警戒姿勢を強めたほか、「労働市場の状況は依然としてやや逼迫」「賃金上昇率はピークから鈍化しているが、単位労働コストの上昇率は依然として高い水準にある」などの見解を示しており、今回の雇用統計が強い結果となった場合は豪金利の先安観も一段と後退することになりそうだ。すでに金利先物市場では年内最後のRBA理事会(12月8-9日)も金利が据え置かれるとの見方が優勢となっており、豪ドル相場の下支え要因として意識されるか注目しておきたい。
また、金融市場が全般に神経質な展開となっていることにも注意しておきたい。米政府機関の閉鎖が続いている影響で多くの経済指標が発表延期となるなか、民間の一部指標に対する市場の反応が過敏になっており、足もとでは株価や債券相場が上下に振らされている。為替市場も同様に不安定な動きを見せる場面が多く、しばらくは荒い値動きへの警戒を続ける必要があるだろう。
隣国のニュージーランド(NZ)では、今週発表された7−9月期雇用統計で失業率が約9年ぶりの水準まで悪化した。市場ではNZ準備銀行(RBNZ)が26日に予定されている年内最後の金融政策委員会(MPC)で再び50bpの大幅利下げに動くとの見方も広がりつつある。現在の金利先物市場では25bpの利下げ予想が中心となっているが、金利先安観の高まりはNZドル相場の重しとなる可能性がある。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な動きとなりそうだ。来週は7-9月期失業率の発表が予定されており、ZAR相場への影響に注目しておきたい。なお、一部の米金融機関は「国民統一政府(GNU)による経済改革の実施によって経済成長が加速していることから、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が南アフリカの格付けを今月引き上げる可能性がある」との見解を示した。S&Pによる現在の南アフリカ長期外貨建て格付けは「BB-」。「BB」へと一段階引き上げられても「投機的」な位置付けは変わらないが、ZAR相場にとってはポジティブな材料となるだろう。
11月3日週の回顧
豪ドルは対ドル・対円ともに弱含み。先月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降は対ドルで豪ドルの売り戻しが強まっており、今週も豪ドル売り・ドル買いが継続した。また、対円でも年初来の高値圏ながらやや上値の重さが意識された。RBAは4日に政策金利の据え置きを決めたが、市場予想通りであったため相場への影響は限定的だった。
ZARも対円では伸び悩み。ドル円の上値が重くなった影響もあり、年初来の高値8.95円や節目の9.00円手前からやや持ち高調整売りに押された。(了)
(執筆:11月7日、9:00)
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DZH Finacial Research
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