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週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、不安定な国内政治が懸念材料

市場見通し
◆ポンド、不安定な国内政治状況が懸念材料に
◆ポンド、月次GDPや鉱工業生産など英経済指標に注目
◆加ドル、USMCA協定見直しに対する悲観的な見方が重し

予想レンジ
ポンド円 208.50-212.50円
加ドル円 111.50-114.50円

1月12日週の展望
 来週のポンド相場は、不安定な英国内政治状況を警戒しつつ、11月国内総生産(GDP)や鉱工業生産で景気動向を見極めながらの値動きとなりそうだ。調査会社ユーガブによる最新の世論調査では、与党・労働党の支持率が最大野党・保守党を下回った。これは2024年夏の政権交代後では初めて。もっとも支持率は両党とも10%台と低調であり、20%超を維持し続ける右派ポピュリスト政党「リフォームUK」には及ばない。今年5月には、予定通りであれば昨年に続き地方議会選挙が行われ、前回同様にリフォームUKが議席数を伸ばす可能性が高まっている。
 
 昨年11月下旬に公表された英政府予算案を経て、財政再建のめどが立ち、それが英長期債やポンドの支えとなってきた。しかしながら、支持率低下でスターマー首相の求心力が揺らぐなか、労働党内の統制が乱れれば、財政・経済政策の一貫性に対する市場の警戒感は強まるだろう。財政リスクが再び浮上するようであれば、ポンドにとってもネガティブ要因となる。

 来週は15日に月次GDPが予定されているが、9・10月と2カ月連続で0.1%減だった。もし3カ月連続でマイナス成長となれば、遅行指標であるとはいえセンチメント悪化は避けられない。翌週には英雇用データや12月インフレ指標の発表を控えているため、11月GDPだけで金融政策に対する思惑は高まりにくいが、少なくともポンドには重石となるだろう。なお、市場では英中銀の次回利下げについて、今年3回目の金融政策委員会(MPC)となる4月末を織り込みつつある。

 加ドルは、カナダと米国の金融政策見通しの差による買いはひとまず一巡したようだ。今後しばらくは、「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直し」に対する悲観的な見方が重しとなりそうだ。米調査会社ユーラシア・グループが発表した「2026年の世界10大リスク」では、9位に「USMCAのゾンビ化」が挙げられた。トランプ米大統領が二国間交渉の圧力を維持するため意図的に結論を先送りし、協定が延長も破棄も改定もされず、不確実性だけが長期化する状態を指している。このシナリオが現実化すれば、当然ながらカナダ経済にとっては痛手となる。

 また、米国がベネズエラの石油権益を掌握したことで、ベネズエラ産の原油が市場に出回りやすくなることが想定される。米国はベネズエラからの供給をテコに、カナダに対して価格・パイプライン政策で圧力をかけやすくなるとの指摘もあるようだ。カナダの石油セクターに不利に働くようだと、加ドルの上値は追いづらくなるかもしれない。

1月5日週の回顧
 ポンドは底堅く始まり、対円では週前半に2008年8月以来の212円台乗せを達成した。対ドルも1.3560ドル台と昨年9月以来の高値圏まで上昇。もっとも一巡後は、英政治の不透明感も嫌気されて戻り売りが優勢となり、対円では210円前半、対ドルでも1.34ドル前半まで下落した。
 加ドルは対円では114円台で伸び悩み、週後半には112円後半まで下値を広げた。対ドルも1.38加ドル後半まで加ドル安が進んだ。USMCA見直しへの否定的な見方が重しとなった。(了)


(執筆:1月9日、9:00)


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