加ドル、週末の雇用データに注目
週間展望・回顧(ポンド、加ドル)
◆市場の目線はFOMCに、ドル主導の相場展開
◆ポンド、利上げ期待の高まりが支え
◆加ドル、加雇用の好調が続くかどうかに注目
予想レンジ
ポンド円 164.50-170.00円
加ドル円 96.50-100.00円
5月1日週の展望
来週、市場の目線は米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けられ、結果公表を受けたドルの動きに左右される展開が予想される。
市場では8割弱の確率で利上げが織り込まれているが、一部では据え置きの可能性を排除していない。
0.25%の利上げに踏み切り、今後は利上げを停止する可能性を示唆するのではないかとの思惑も浮上してはいる。
ただし、米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派もハト派も依然としてインフレ高への警戒感が強く、5月以降の会合で利上げ停止か利上げ継続かはこれまで通りに「データ次第」と強調し、再利上げの可能性を残すと見込まれる。
英国内では来週、主な経済指標の発表や注目のイベントは予定されていない。
3月雇用・物価データを受けて、市場ではイングランド銀行(英中銀、BOE)の追加利上げに対する期待感が強まった。
英経済鈍化への過度な警戒感が後退していることでポンドの売り圧力は弱まっているが、積極的に買い上げる材料にも乏しい。
インフレ圧力の持続、賃金の伸びの継続的な強さなどを背景に、BOEが5月会合で0.25%の利上げを決定するのは確実視されているが、その後の6・8月会合でも0.25%の利上げに踏み切るとの見方が高まりつつある。
ただ、景気やインフレの先行きに不透明感が強く、ポンドは政策見通しの変化に一喜一憂しながら神経質な動きが続きそうだ。
BOE金融政策委員会(MPC)のピル委員は「企業と労働者の転嫁ごっこが持続的な価格圧力を引き起こしている」とし、「英国民は物価上昇による生活水準の歴史的な悪化を回復しようとするのではなく、生活水準悪化を受け入れる必要がある」と主張した。
なお、MPCで最もハト派とされるテンレイロ委員が7月に任期を迎えるが、後任として起用されるリスク管理会社クロールのグローバル首席エコノミストのグリーン氏が最近、追加利上げの必要性に言及したこともあり、今後MPCの議論は一段とタカ派寄りにシフトする可能性が指摘されている。
原油価格の伸び悩みや、カナダ中銀(BOC)の利上げサイクルが終焉を迎えたことで、加ドルは上値の重い動きが続きそうだ。
BOCが今週公表した調査では、市場参加者が年末まで政策金利を4.50%に据え置くと予想していることが明らかになった。
また、来年初めに利下げを開始し、年末には3.00%まで政策金利を引き下げる見込みのほか、年末のインフレ率見通しは前回の+2.9%から+2.7%に下方修正された。
来週は、4月雇用データの発表が予定されている。3月の雇用者数は7カ月連続増加。
失業率は5.0%と4カ月連続で過去最低水準にとどまり、経済の底堅さが示された。
強い結果となれば、追加利上げを回避したいBOCには圧力となりそうだ。
4月24日週の回顧
今週末に日銀金融政策決定会合、来週にFOMCを控え、ポンドドルは1.24ドル台、ポンド円は166円台を中心に方向感は限定的。
4月英製造業PMI速報値は予想比下振れの46.6となった一方で、サービス部門PMIは54.9と予想を上回り、まちまちの結果となった。
原油安が重しとなり、ドル/加ドルは1.36加ドル半ば、加ドル円は97円半ばまでやや加ドル売りが優勢となった。(了)
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