【本日の東京為替見通し】ドル円、NY株高や米金利上昇で底堅い展開か FOMC声明を控える

マーケットレポート

June 14, 2023

【前日の為替概況】ドル円 139.01円から140.31円まで上昇、米10年債利回りが3.8%台へ

 

13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。
終値は140.22円と前営業日NY終値(139.60円)と比べて62銭程度のドル高水準だった。
5月米消費者物価指数(CPI)が前年比4.0%上昇と予想の4.1%上昇を下回り、2021年3月以来の低水準を記録すると、インフレの過熱感が緩和したとの見方が広がった。
13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが一時停止されるとの観測がさらに高まり円買い・ドル売りで反応。
22時過ぎに一時139.01円と日通し安値を更新した。

 

ただ、節目の139.00円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。
一時は3.67%台まで低下した米10年債利回りが3.84%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、4時過ぎに140.31円と日通し高値を更新した。
「米連邦準備理事会(FRB)は7月のFOMCで追加利上げに踏み切る」との観測も根強い。

 

なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、7月FOMCでの追加利上げを予想する確率は60%を超えている。
ユーロドルは続伸。
終値は1.0793ドルと前営業日NY終値(1.0757ドル)と比べて0.0036ドル程度のユーロ高水準だった。
14日のFOMCでは金利が据え置かれる一方、15日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会では追加利上げが見込まれており、欧米金利差縮小への思惑からユーロ買い・ドル売りが進んだ。
5月米CPIの下振れを受けて一時1.0824ドルと5月22日以来の高値を更新した。
ただ、米長期金利が上昇に転じると1.07ドル台後半まで上げ幅を縮めた。

 

ユーロ円も続伸。
終値は151.34円と前営業日NY終値(150.18円)と比べて1円16銭程度のユーロ高水準。
ドル円の持ち直しや米国株高に伴うリスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となり、一時151.38円と5月2日以来の高値を付けた。

ポンド円は一時176.87円と16年1月以来7年5カ月ぶりの高値を付けた。
英統計局が発表した4月の平均賃金(3カ月移動平均)の伸び率が5カ月ぶりの高さまで拡大し、予想を上回ったことが伝わると、英中銀(BOE)が金融引き締めを加速するとの見方が広がりポンド買いを誘った。
ポンドドルも一時1.2625ドルと5月11日以来の高値を更新した。

【本日の東京為替見通し】ドル円、NY株高や米金利上昇で底堅い展開か FOMC声明を控える

 

本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りの上昇を受けて底堅い展開が予想される。
ただし、明朝3時に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を控えて上値は限定的だと思われる。
ドル円は、5月30日の高値140.93円と6月1日の安値138.45円を底辺とする三角保ち合いを上抜けており、上昇トレンドが再開する可能性が高まりつつある。
すなわち、7月FOMCでの利上げ観測や15-16日の日銀金融政策決定会合での大規模金融緩和策の継続観測を背景にした上昇トレンドの再開が予想される。

 

米5月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.1%/前年比+4.1%と発表され、4月の前年比+4.9%から伸び率が減速し、昨年6月の前年比+9.1%をピークにした伸び率鈍化傾向が確認された。
しかし、コアCPIが前年比+5.3%と発表され、4月の同比+5.5%から低下したものの、鈍化ペースが緩慢だったことで、7月のFOMCでの利上げ観測は払拭されていない。
また、5月のインフレ調整後の実質平均時給が前月比+0.3%と今年最高の伸び率を記録したことも、7月の利上げの可能性を高めている。

 

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、東京時間の明朝3時に発表されるFOMC声明では5.00-25%での据え置きがほぼ確実となり、7月のFOMCでは5.25-50%への利上げ確率は60%台となっている。

 

米CPIの原数値をみると、昨年5月の291.268から今年5月は303.294まで拡大していた(つまり、+4.1%)。
昨年6月は294.728まで上昇していたため、今年6月が5月同様に前月比+0.1%ならば、前年比+3.9%へ低下することになる。
7月のFOMC前のCPI発表時には警戒しておきたい。

 

FOMCでは、先日、次期FRB副議長に指名されているジェファーソンFRB理事がタカ派的な利上げ休止を示唆していたように、据え置きが見込まれている。
注目ポイントは、7月FOMCでの利上げへの言及やドット・プロット(金利予測分布図)でのターミナルレート(利上げの最終到達点)の水準となる。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
特になし

<海外>
○07:45 ◇ 1-3月期ニュージーランド(NZ)経常収支(予想:68.30億NZドルの赤字)
○15:00 ◇ 5月独卸売物価指数(WPI)
○15:00 ☆ 4月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○15:00 ◎ 4月英鉱工業生産(予想:前月比▲0.1%/前年比▲1.7%)
○15:00 ◎ 4月英製造業生産高(予想:前月比▲0.2%)
○15:00 ◇ 4月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:165.00億ポンドの赤字/37.00億ポンドの赤字)
○15:00 ◎ 5月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい/前年比9.4%)
     ◎    コア指数(予想:前月比▲0.1%/前年比6.7%)
○18:00 ◎ 4月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.8%/前年比0.8%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○20:00 ◇ 4月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲1.4%)
○21:00 ◎ 4月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比1.0%)
○21:30 ◎ 5月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.1%/前年比1.5%)
    ◎  食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.9%)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○15日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:5.00-5.25%で据え置き)
○15日03:00 ◎ FOMC、経済・金利見通し発表
○15日03:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

13日10:35 植田日銀総裁
「現実インフレ2%が続けば、予想インフレも2%に近づく」

13日22:46 バイデン米大統領
「CPIの結果はインフレ対策の進展を示している」

14日00:23 ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「インフレ率は目標と比べて依然として高すぎる」
「金融政策のインフレに対する効果は即時ではないため、中期的にスタンスを調整するには注意深く経済を監視する必要がある」

14日01:48 イエレン米財務長官
「準備通貨としてのドルの地位は徐々に低下だろう」
「ドルが世界の準備通貨であることが重要」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=持ち直した転換線を支持に押し目買いスタンス>

<ドル円=持ち直した転換線を支持に押し目買いスタンス>

各ラインの期間

 

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けており、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
3手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は139.50円台に持ち直した転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2:142.48(2022/11/11高値)
レジスタンス1:140.93(5/30高値)
前日終値:140.22
サポート1:139.53(日足一目均衡表・転換線)
サポート2:137.34(日足一目均衡表・基準線)

<ユーロドル=1.07ドル半ばまで上昇した転換線が支持に>

<ユーロドル=1.07ドル半ばまで上昇した転換線が支持に>

各ラインの期間

 

陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けて三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
雲の中では伸び悩んだが、2手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、1.0746ドルまで上昇してきた転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1:1.0905(5/16高値)
前日終値:1.0793
サポート1:1.0746(日足一目均衡表・転換線)

<ポンド円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>

<ポンド円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>

各ラインの期間

 

大陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けており、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
抱き線で切り返し、転換線を大きく上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1:177.65(ピポット・レジスタンス1)
前日終値:176.84
サポート1:174.78(日足一目均衡表・転換線)

<NZドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>

<NZドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>

各ラインの期間

 

陽線引け。
転換線は基準線を下回っているものの、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けているため、買いシグナルが優勢な展開となっている。
4手連続陽線で転換線を上回って引けていることで続伸の可能性が示唆されている。
本日は、85円前半まで水準を上げた転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1:87.31(5/23高値)
前日終値:86.22
サポート1:85.17(日足一目均衡表・転換線)

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