本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、米10年債利回り3.93%台で底堅い展開か(2023年7月6日)

マーケットレポート

July 6, 2023

【前日の為替概況】米10年債利回り上昇でドル高、対円144.70円付近・対ユーロ1.0851ドル

 

5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。
終値は144.66円と前営業日NY終値(144.47円)と比べて19銭程度のドル高水準だった。
欧州株相場やナイト・セッションの日経平均先物が下落したことを手掛かりに円買い・ドル売りが先行。
ダウ平均が一時190ドル超下落したことも相場の重しとなり、前日の安値144.21円を下抜けて一時144.08円まで値を下げた。

ただ、3日の安値143.99円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。
米10年債利回りが3.9454%前後と3月9日以来約4カ月ぶりの高水準を記録したことも相場の支援材料となり、一時144.70円付近まで持ち直した。

なお、米連邦準備理事会(FRB)が公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月13-14日分)では「ほぼ全ての当局者が年内の追加利上げを予想」「一部の当局者は利上げを支持したものの、見合わせに同意した」ことが明らかになった。
市場では「7月のFOMCで利上げを決める確率を高める内容だった」と受け止められた。

ユーロドルは続落。
終値は1.0854ドルと前営業日NY終値(1.0879ドル)と比べて0.0025ドル程度のユーロ安水準だった。
欧州時間発表の6月ユーロ圏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値が予想を下回ったうえ、欧州中央銀行(ECB)調査による1年先の期待インフレ率が前回から低下したことでユーロ売りが出やすい地合いとなった。

NYの取引時間帯に入ると、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.0851ドルと日通し安値を更新した。

ユーロ円は小幅続落。
終値は157.02円と前営業日NY終値(157.17円)と比べて15銭程度のユーロ安水準。
ユーロドルの下落につれた売りが出ると一時156.79円と日通し安値を付けたものの、ドル円の持ち直しに伴う円売り・ユーロ買いが入ると下げ渋った。

【本日の東京為替見通し】ドル円、米10年債利回り3.93%台で底堅い展開か

 

本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りが3.93%台で推移していることで底堅い展開が予想される。
ただし、依然として145円台での本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感は維持しておきたい。

本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性が高いと警戒されている145円台を買い進むには、明晩発表される米6月雇用統計で、7月米連邦公開市場委員会(FOMC)と年内もう一回の計0.50%(0.25%x2回)の追加利上げの確証が必要なのかもしれない。

公表された6月のFOMC議事録は、タカ派的スキップ(見送り)として7月FOMCでの11回目となる0.25%追加利上げの可能性を高める内容だった。
内容を受けて米10年債利回りは3.94%台まで上昇し、ドルも押し上げられた。

なお、ドル円の上値を抑えている一因として、27-28日の日銀金融政策決定会合において長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)許容変動幅(※±0.5%)の拡大観測の台頭があるようだ。

背景には、6月日銀会合の「主な意見」で、YCCの早期修正論が取り上げられたこと。
また、昨日発表された1-3月期の需給ギャップがマイナス0.34%になり、昨年10-12月期のマイナス0.37%から、2期ぶりに改善したこと。
そして、連合が発表した平均賃上げ率が1993年以来の高水準となる前年比+3.58%を記録したことなどが挙げられる。

植田日銀総裁は、5月の講演で「物価は『需給ギャップ』によって決まってくる」と説明。
基調的な物価が2%の物価安定目標に向けて徐々に高まっていくという現在の見通しは、「需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率が高まっていくということが前提」だと述べていた。

植田総裁は、YCC許容変動幅の拡大観測を否定しておらず、需給ギャップや賃金上昇率が改善傾向にあるため、変動幅の拡大に対する警戒感がドル円の上値を抑えている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50  ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>
○10:30  ◇ 5月豪貿易収支(予想:105.00億豪ドルの黒字)
○15:00  ◎ 5月独製造業新規受注(予想:前月比1.0%/前年同月比▲9.7%)
○17:30  ◎ 6月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:51.0)
○18:00  ◎ 5月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.2%/前年比▲2.7%)
○未定  ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:6.75%で据え置き)
○20:00  ◇ MBA住宅ローン申請指数
○20:30  ◇ 6月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:15  ☆ 6月ADP全米雇用報告(予想:22.8万人)
○21:30  ◇ 5月カナダ貿易収支(予想:11.5億カナダドルの黒字)
○21:30  ◎ 5月米貿易収支(予想:690億ドルの赤字)
○21:30  ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:24.5万件/174.5万人)
○21:45  ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○22:45  ◎ 6月米サービス部門PMI改定値(予想:54.1)
○22:45  ◎ 6月米総合PMI改定値
○23:00  ☆ 6月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:51.0)
○23:00  ◎ 5月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:993.5万件)
○24:00  ◇ EIA週間在庫統計
○7日01:00  ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。
▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

5日16:03  ナーゲル独連銀総裁
「さらなる利上げが必要となるだろう」
「引き締めはまだ終わっていない」

5日17:43  ビスコ・イタリア中銀総裁
「十分な期間、高金利を維持することは可能」
「さらなる利上げのみがインフレ抑制のために必要な方法ではない」

5日18:24  アブドルアジズ・サウジアラビアエネルギー相
「OPEC+は市場支援に必要なことは何でもする」

5日20:28  ショルツ独首相
「インフレに取り組む欧州中央銀行(ECB)を支持」
「金利0%を続けることはできない」

6日03:08  米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月13-14日分)
「ほぼ全ての当局者が年内の追加利上げを予想」
「一部の当局者は利上げを支持したものの、見合わせに同意した」
「ほぼ全ての当局者が据え置きは適切もしくは許容可能と判断」
「利上げを支持した当局者らは労働市場の逼迫、経済の勢いの強さ、インフレが2%に向かう兆しが乏しいことなどを指摘」
「FRBスタッフは今年後半に緩やかな景気後退(リセッション)が始まる可能性が高いと見ている」
「FRBスタッフのインフレ予測は、今年のインフレ率が3.0%、コアインフレ率が3.7%で、前回の予測と比べてほぼ変わらず」
「FRBスタッフはベースラインのインフレ予測を巡るリスクは上向きに傾いていると予測」
「2025年にはPCEとコアPCEインフレ率はいずれも2%近くになると予想」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=144円台の乗せてきた転換線付近が支持に>

ドル円=144円台の乗せてきた転換線付近が支持に

各ラインの期間

 

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けており、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
一時144円前半に下押すも、結局は孕み線で反発した。
転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

転換線は本日、144.01円と大台に乗せてきた。
同線付近を支持に押し目買いスタンスで臨み、大台割れの3日安値を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2  146.59(2022/11/10高値)
レジスタンス1  145.07(6/30高値)
前日終値  144.66
サポート1   143.99(7/3安値)
サポート2   143.29(6/27安値)

<ユーロドル=転換線から4日高値が抵抗帯に>

ユーロドル=転換線から4日高値が抵抗帯に

各ラインの期間

 

陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の中で引けたものの買いシグナルが優勢な展開となっている。
強含んだ場面では転換線を僅かに超えたが、1.09ドル前半の4日高値の手前で伸び悩んだ。
3手連続陰線で転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。
本日も転換線から4日高値を抵抗帯として戻り売りスタンスで臨みたい。

レジスタンス1  1.0916(7/4高値)
前日終値  1.0854
サポート1   1.0798(日足一目均衡表・雲の下限)

<ユーロ円=6/27安値を支持に押し目買いスタンス>

ユーロ円=6/27安値を支持に押し目買いスタンス

各ラインの期間

 

小陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けており、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
2手連続陰線で反落しているものの転換線を上回って引けており、反発の可能性が残されている。
同線は本日156.88円まで上昇してきた。

本日は、6月27日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  158.00(6/28高値)
前日終値  157.02
サポート1  156.40(6/27安値)

<豪ドル円=転換線の上は維持、同線を念頭に置いた取引>

豪ドル円=転換線の上は維持、同線を念頭に置いた取引

各ラインの期間

 

陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けており、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
4手連続陽線の後、抱き線で反落したものの転換線の上は維持されており、切り返す可能性は示唆されている。

本日は転換線96.00円を念頭に、基本は押し目買いスタンスで臨み、6月28日の安値を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  97.68(6/19高値)
前日終値  96.27
サポート1  95.16(6/28安値)

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