本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、底堅い展開か 日米金融政策への思惑から(2023年7月25日)

マーケットレポート

July 25, 2023

【前日の為替概況】ユーロ下落 対ドル1.1060ドル、対円156.24円 ユーロ圏景気悪化懸念

 

24日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは5日続落。
終値は1.1064ドルと前営業日NY終値(1.1124ドル)と比べて0.0060ドル程度のユーロ安水準だった。
欧州時間発表の仏・独・ユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値が軒並み予想を下回ったことを受けて、ユーロ圏景気の先行き不安が高まると、NY市場に入ってもユーロ売りの流れが続いた。
市場では「今夏以降、ECBが利上げを一時停止する可能性が意識されている」との声が聞かれた。
米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出ると、5時前には一時1.1060ドルと日通し安値を更新した。

ドル円は5営業日ぶりに反落したものの、下値は堅かった。
終値は141.48円と前営業日NY終値(141.73円)と比べて25銭程度のドル安水準。
ユーロ円やポンド円などクロス円の下落につれた円買い・ドル売りが先行。
7月の米サービス部門・総合PMI速報値が予想を下回ったことが伝わると一時140.76円と日通し安値を付けた。

ただ、米製造業PMI速報値が予想を上回ったこともあり下押しは限定的だった。
一時は3.78%台まで低下した米10年債利回りが上昇に転じたことも買い戻しを促し、5時過ぎには141.55円付近まで下げ渋った。

ユーロ円は反落。
終値は156.53円と前営業日NY終値(157.68円)と比べて1円15銭程度のユーロ安水準。
低調なユーロ圏PMI速報値を受けて欧州の景気悪化懸念が高まる中、22時30分前に一時156.24円と本日安値を付けた。
その後の戻りも156.70円付近にとどまった。

【本日の東京為替見通し】ドル円、底堅い展開か 日米金融政策への思惑から

 

本日の東京外国為替市場のドル円は底堅い展開が予想される。
本日から明日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利上げが確実視されていることがドルの支え。
また、27-28日の日銀金融政策決定会合では、現状の大規模金融緩和の維持が見込まれていることが円の重し。

日米欧の中央銀行関係者は、ブラックアウト期間で金融政策に関する発言ができない。
そのため本日は、財務省関係者による円安牽制発言や岸田政権関係者による日銀の金融政策への言及に注目することになる。

25-26日のFOMCでは、一連の引き締めサイクルで11回目の利上げ(+0.25%⇒FF金利誘導目標5.25-50%)が確実視されており、注目ポイントは、年末に向けた残り3回(9月、11月、12月)のFOMCで12回目の利上げ(+0.25%)が再強調されるか否かとなる。

なお、米10年債利回りは3.80%台で推移しており、米国長期債券市場は、7月FOMCが最後の利上げ、そして来年以降のFEDピボット(FRBの利下げ転換)を織り込み始めている。

27-28日の日銀決定会合では、現状の大規模金融緩和策、政策金利で唯一のマイナス金利(-0.10%)と世界で唯一採用されているイールドカーブコントロール(YCC)の現状維持が見込まれている。

植田日銀総裁は、18日に「持続的・安定的な2%の物価目標までに距離があるとの認識に変化がなければ、粘り強く金融緩和を続ける姿勢も変わらない」と述べて、YCCの許容変動幅の拡大観測を打ち消した。
しかし、植田日銀総裁の発言の行間を深読みすれば、「認識に変化がなければ」という前提条件が示されており、その前提は足元から崩れつつあるのではないだろうか。

内閣府は、今年度の消費者物価指数の見通しを前年比+2.6%に大きく引き上げ、7月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、物価見通しが現状の+1.8%から+2.5%へ引き上げられる可能性が報じられている。

神田財務官も昨日、「日本の物価・賃金の動向、最近のデータは予想より上振れしている」と述べて、前提が変化していることを示唆していた。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
特になし

<海外>
○17:00 ◎ 7月独Ifo企業景況感指数(予想:88.0)
○22:00 ◇ 5月米住宅価格指数(予想:前月比0.6%)
○22:00 ◎ 5月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比▲2.2%)
○23:00 ◎ 7月米消費者信頼感指数(予想:111.8)
○23:00 ◎ 7月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲10)
○26日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。
▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

24日08:13 神田財務官
「日銀の金融政策についてコメントする立場にない」
「日本の物価・賃金の動向、最近のデータは予想より上振れしている」
「企業の賃金など行動変化しており、内外の共通認識変化している」

24日11:32 磯崎官房副長官
「金融政策の具体的手法は日銀に委ねられるべき」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=転換線を上回って引け、24日安値が支持に>

各ラインの期間

 

陰線引け。
雲の上で引けているものの、転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回っているため売りシグナルが優勢な展開。
4手連続陽線の後の孕み線で反落した。
しかしながら、転換線を上回って引けたことで反発の可能性が示唆されている。

本日は、24日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2  144.20(7/7高値)
レジスタンス1  143.01(7/10高値)
前日終値  141.48
サポート1  140.76(7/24安値)
サポート2  139.61(日足一目均衡表・転換線)

<ユーロドル=上昇中の転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロドル=上昇中の転換線を抵抗に戻り売りスタンス

各ラインの期間

 

陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けているため、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
もっとも、5手連続陰線で転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。

本日は、上昇中の転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  1.1168(日足一目均衡表・転換線)
前日終値  1.1064
サポート1  1.0977(7/11安値)

<ポンド円=180円後半の24日安値を支持に押し目買い>

ポンド円=180円後半の24日安値を支持に押し目買い

各ラインの期間

 

陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の上で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。
前営業日の大陽線から、孕み線で反落した。
ただしかし転換線を上回って引けており、反発の可能性が示唆されている。

本日は、180円後半の24日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  182.52(7/21高値)
前日終値  181.49
サポート1  180.77(7/24安値)

<NZドル円=87円半ばの転換線を念頭に置いた取引>

NZドル円=87円半ばの転換線を念頭に置いた取引

各ラインの期間

 

陽線引け。
雲の上で引けているものの、転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回っているため売りシグナルが優勢な展開となっている。
しかし2手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。

本日は、87.58円まで上昇してきた転換線を念頭に置いた取引に。
もし転換線を下回って下落圧力が強まるようだと、86円前半の雲の上限が意識されそうだ。

レジスタンス1  88.70(7/14高値)
前日終値  87.77
サポート1  86.27(日足一目均衡表・雲の上限)

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