January 10, 2024
【前日の為替概況】ロンドン・フィキシングでドル買い 対円144.62円、対ユーロ1.0911ドル
9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。
終値は144.48円と前営業日NY終値(144.23円)と比べて25銭程度のドル高水準となった。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.05%台から3.99%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。
23時過ぎに一時143.65円付近まで下押しした。
ただ、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると強含んだ。
アジア時間に付けた日通し安値かつ200日移動平均線が位置する143.42円が重要なサポートとして意識された面もあり、4時前には一時144.62円と日通し高値を更新した。
ユーロドルは反落。
終値は1.0931ドルと前営業日NY終値(1.0950ドル)と比べて0.0019ドル程度のユーロ安水準だった。
欧州時間発表の11月独鉱工業生産が予想を下回ったことを受けて、NY市場でもユーロ売り・ドル買いが進行。
ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると、前日の安値1.0923ドルを下抜けて一時1.0911ドルと日通し安値を付けた。
その後の戻りも1.0940ドル付近にとどまった。センテノ・ポルトガル中銀総裁は「欧州中央銀行(ECB)は最近の想定よりも早期に利下げを実施し、5月まで決断を待つ必要はない」と述べたほか、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「インフレがECBの目標である2%にしっかりと持続的に定着すれば、年内に利下げが実施される」などと話した。
ユーロ円はほぼ横ばい。
終値は157.94円と前営業日NY終値(157.93円)と比べて1銭程度のユーロ高水準。
欧州株相場の下落を背景にリスク・オフの円買い・ユーロ売りが先行すると、23時過ぎに一時157.21円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。
ドル円の持ち直しに伴う円売り・ユーロ買いが出ると、4時前に158.00円付近まで値を戻した。
代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは乱高下。
米証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物投資型の上場投資信託(ETF)を承認したと伝わると買いが先行。
対ドルで一時4万7914ドル前後まで上昇した。
ただ、SECが「ビットコインETFを承認した事実はない」と表明すると一転売りが優勢に。
一時4万5021ドル前後まで急落した。
なお、ゲンスラーSEC委員長は「SECのソーシャルアカウントが不正使用された」と説明した。
【本日の東京為替見通し】ドル円は米10年債利回りを見据え、豪ドルは豪11月CPIに要注目か
本日の東京外国為替市場のドル円は、明日発表される米12月消費者物価指数(CPI)を控えて米10年債利回りが4.0%台で推移していることで底堅い展開が予想される。
昨日のドル円は、本邦輸出企業からのドル売りで200日移動平均線の143.42円まで売られたものの、攻防の分岐点である200日線や日足一目均衡表・転換線(143.11円)が支持帯となり、米10年債利回りも4.0%台を維持したことで144.62円まで反発した。
本日のドル円は、5・10日(ゴトー日)での売り買いを見極めつつ、米10年債利回りや日経平均株価などの動向を見据えながらの相場展開が予想される。
8時30分に発表される日本の11月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比+1.5%)では、日銀の金融政策正常化の条件が「賃金と物価の好循環」となっていることで、注目しておきたい。
ちなみに、米12月の賃金総額は11月の伸び率から鈍化していた。
すなわち、労働の単価が上昇したため、企業は長時間労働者を雇えなくなっており、労働者に支払われる金額の伸びが減速し、米国経済の減速を暗示していた。
9時30分に発表される11月の豪消費者物価指数(CPI)の予想は、前年比+4.4%と、10月の同比+4.9%からの伸び率鈍化が見込まれている。
昨年12月に公表された四半期金融政策報告では、12月末のCPIとCPIトリム平均予想をともに4.5%としており、RBA予想と比較したインフレの鈍化程度が焦点となる。
もし、11月のCPIが予想の前年比+4.4%を下回る結果となれば、RBAの予測よりも豪州のインフレ鈍化のペースが若干早い可能性を示すことになるため、RBAの利下げ開始時期が前倒しになるとの見方が強まることになる。
今年最初の豪準備銀行(RBA)理事会は2月5-6日に予定されている。
昨年12月5日のRBA理事会では、市場予想通り政策金利を4.35%に据え置くことを決定し、「更なる金融引き締めが必要になるかどうかは、今後のデータやリスク次第」と表明していた。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 11月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比1.5%)
<海外>
○09:30 ◎ 11月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比4.4%)
○16:00 ◇ 11月トルコ失業率
○16:00 ◇ 11月トルコ鉱工業生産
○16:00 ◎ 12月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比4.8%)
○16:45 ◇ 11月仏鉱工業生産(予想:前月比横ばい)
○17:20 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○23:00 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○23:15 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、議会証言
○24:00 ◇ 11月米卸売売上高(予想:前月比▲0.3%)
○11日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○11日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○11日04:30 ◎ デコス・スペイン中銀総裁、講演
○11日05:15 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
9日06:37 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事
「インフレの低下が停滞した場合には引き続き利上げの用意がある」
「政策金利がしばらく据え置かれればインフレはさらに低下する可能性」
「現在の政策スタンスは十分に制限的であるようだ」
「インフレ率が2%近くまで低下すれば、最終的にはFRBの政策金利を引き下げるのが適切に」
「労働市場の需要と供給のバランスが改善されつつある」
「インフレの上振れリスクは依然として残る」
9日18:56 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「緩和の時期が近づいている」
「12月のインフレデータはよいニュースだった」
10日02:52 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「インフレデータを引き続き警戒する必要」
「2024年に利下げが行われるはず」
「インフレが目標の2%にしっかりと持続的に定着すれば利下げへ」
「ECBは金利について急がず、また固執しすぎてもいけない」
「ECBの利下げはデータによって決定される」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=200日線から転換線までを支持帯に押し目買い>
陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
しかし、孕み線で反発して転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は、200日移動平均線143.49円から143.39円まで上昇してきた転換線を支持帯に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 146.59(2023/12/11高値)
レジスタンス1 145.97(1/5高値)
前日終値 144.48
サポート1 143.39(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 141.86(1/3安値)
<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
抱き線で反落して転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。
本日は、基準線1.0932ドルを念頭に置き、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0981(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0931
サポート1 1.0828(日足一目均衡表・雲の上限)
<ポンド円=基準線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。しかし、2手連続陰線でも転換線を上回って引けており、反発の可能性が示唆されている。
本日は、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 184.31(1/5高値)
前日終値 183.63
サポート1 182.27(日足一目均衡表・基準線)
<NZドル円=89円半ばで横ばいの転換線が支持に>
小陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を下回っているものの、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な展開となっている。
2手連続陰線でも転換線を上回って引けており、反発の可能性が示唆されている。
本日は、89.58円で横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 90.52(1/5高値)
前日終値 90.13
サポート1 89.58(日足一目均衡表・転換線)
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DZH Finacial Research
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