January 31, 2024
【前日の為替概況】ドル円、147.10円から147.93円まで上昇 予想上回る米12月JOLTS求人
30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら反発。
終値は147.61円と前営業日NY終値(147.50円)と比べて11銭程度のドル高水準だった。
NY勢参入直後の22時30分前に一時147.58円まで上げたものの、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.03%台まで低下すると円買い・ドル売りが優勢に。
日本時間夕刻に付けた147.16円を下抜けて一時147.10円と日通し安値を更新した。
ただ、米労働省が発表した12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が902.6万件と予想の875.0万件を上回り、米10年債利回りが4.10%台まで上昇すると一転ドル買い戻しが優勢に。
1時過ぎには147.93円と日通し高値を更新した。
もっとも、米10年債利回りが再び低下に転じるとドル円にも売りが出て147.57円付近まで下押しした。
明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に方向感に乏しい展開だった。
ユーロドルは小反発。
終値は1.0845ドルと前営業日NY終値(1.0833ドル)と比べて0.0012ドル程度のユーロ高水準となった。
米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0857ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.0858ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。
12月米JOLTS求人件数の上振れをきっかけに米長期金利が上昇するとドル買い戻しが優勢となり、1.0828ドル付近まで下押しした。
もっとも、米長期金利が再び低下すると1.0849ドル付近まで持ち直した。
明日のFOMC結果公表を前に方向感は乏しく、NY時間に限れば0.0029ドル程度の狭いレンジ取引に終始した。
200日移動平均線が位置する1.0842ドル付近も意識された。
ユーロ円は反発。
終値は160.09円と前営業日NY終値(159.80円)と比べて29銭程度のユーロ高水準。
仏CAC40や独DAX、NYダウが史上最高値を更新する中、リスク・オンの円売りが優勢となった。
1時過ぎには一時160.34円と日通し高値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円もNY中盤以降は買いが目立った。
【本日の東京為替見通し】ドル円は日銀会合での主な意見、豪ドルは豪インフレ率に要注目か
本日の東京外国為替市場のドル円は、明朝公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を控えて動きづらい展開の中、日銀金融政策決定会合における主な意見(1月22-23日分)を見極める展開が予想される。
1月22-23日に開催された日銀金融政策決定会合では、緩和的な金融スタンスが維持されたものの、「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)では、物価見通しが実現する確度が「引き続き、少しずつ高まっている」と示された。
植田日銀総裁も、会合の後の定例記者会見で「この先、賃金と物価の好循環をさらに確認することができれば」と前置きしながらも、「マイナス金利含め金融緩和策の継続の是非を検討していくことになる」と正常化に前向きな姿勢を明確に示した。
本日公表される「主な意見」では、物価見通しの実現確度の高まりに関する各委員の見解を見極めることになる。
国際通貨基金(IMF)は四半期世界経済見通しで、現時点では日本銀行の緩和的政策が適切だとの認識も示しつつも、インフレが予想外に急伸した場合に備え、利上げの準備をしておくことが必要だと指摘している。
明朝未明の4時に公表されるFOMC声明では、金融引締めから金融緩和への転換という3月FOMCでの利下げ開始の序曲となるのか否かを見極めることになる。
- ・2023年3月からずっと声明に盛り込まれてきた「追加的な金融政策の引き締め(any additional policy firming)」という文言が削除される可能性。
- ・資金市場への配慮から月950億ドルの量的金融引締政策(QT)の見直しが示唆される可能性。
- ・昨年12月のパウエルFRB議長の発言「リスクは均衡している」を裏付ける形で、FRBの二大責務(物価安定と雇用の最大化)のリスク均衡が確認される可能性。
9時30分に発表される10-12月期豪消費者物価指数(CPI)(予想:前期比+0.8%/前年同期比+4.3%)や12月豪CPI(予想:前年同月比+3.7%)を見極めつつ、2月5-6日の豪準備銀行(RBA)理事会でのタカ派姿勢の変化の可能性を探ることになる。
前回のRBA理事会での声明文は「更なる金融引き締めが必要になるかどうかは、今後のデータやリスク次第」となっていた。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 12月鉱工業生産速報(予想:前月比2.4%/前年比0.2%)
○08:50 ◇ 12月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比4.7%)
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(1月22-23日分)
○14:00 ◇ 1月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:37.5)
○14:00 ◇ 12月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲6.2%)
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
<海外>
○09:00 ◇ 1月ANZ企業信頼感
○09:30 ◎ 10-12月期豪消費者物価指数(CPI、予想:前期比0.8%/前年同期比4.3%)
○09:30 ◎ 12月豪CPI(予想:前年同月比3.7%)
○10:30 ◎ 1月中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:49.2)
○16:00 ◎ 12月独小売売上高(予想:前月比0.6%/前年比▲1.9%)
○16:00 ◇ 12月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.5%/前年比▲8.2%)
○16:00 ◇ 1月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○16:00 ◇ 12月トルコ貿易収支(予想:61.0億ドルの赤字)
○16:30 ◇ 12月スイス小売売上高
○16:45 ◇ 1月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比横ばい/前年比3.3%)
○16:45 ◇ 12月仏卸売物価指数(PPI)
○17:30 ◎ 10-12月期香港域内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.5%/前年同期比4.7%)
○17:55 ◎ 1月独雇用統計(予想:失業率5.9%/失業者数変化1.10万人)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 12月南アフリカ貿易収支(予想:150億ランドの黒字)
○22:00 ◎ 1月独CPI速報値(予想:前月比0.2%/前年比3.0%)
○22:15 ☆ 1月ADP全米雇用報告(予想:14.5万人)
○22:30 ☆ 11月カナダGDP(予想:前月比0.1%/前年比1.0%)
○22:30 ☆ 10-12月期米雇用コスト指数(予想:前期比1.0%)
○23:45 ◎ 1月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:48.0)
○1日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○1日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:5.25-5.50%で据え置き)
○1日04:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○1日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:11.25%に引き下げ)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
30日19:55 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「金利引き下げの決定までにさらなるデータが必要」
「最初の利下げは25bpが望ましい」
「利下げのタイミングが4月か6月かは大きな違いではない」
31日00:23 マクルーフ・アイルランド中銀総裁
「利上げ路線についてはオープンマインドでいる必要」
「ディスインフレが着実に進行中」
「2%の目標到達に自信がある」
31日01:48 ナーゲル独連銀総裁
「ドイツの経済見通しは『素晴らしい』とは言えない」
「インフレは間違いなく正しい方向に進んでいる」
31日05:10 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「インフレはタイムリーに2%に到達するだろう」
「理事会全員が次の行動は利下げということで一致している」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=1/19高値を抵抗に戻り売りスタンス>
小陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
しかし、孕み線で反発したものの、依然として転換線147.73円を下回って引けており、反落の可能性が示唆されている。
本日は転換線を念頭に置き、19日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 149.75(2023/11/22高値)
レジスタンス1 148.80(1/19高値)
前日終値 147.61
サポート1 146.44(日足一目均衡表・雲の上限)
サポート2 144.53(日足一目均衡表・基準線)
<ユーロドル=雲の上限を抵抗に戻り売りスタンス>
小陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。
孕み線で反発したものの依然として転換線を下回って引けており、反落の可能性が示唆されている。
本日は1.0864ドルの転換線を念頭に置き、雲の上限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0965(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 1.0845
サポート1 1.0796(1/29安値)
<ポンド円=1/26高値を抵抗に戻り売りスタンス>
小陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で推移していることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
しかし、2手連続陰線で転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。
本日は転換線187.72円を念頭に置き、26日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 188.57(1/26高値)
前日終値 187.45
サポート1 186.52(1/30安値)
<NZドル円=横ばいの基準線を支持に押し目買いスタンス>
小陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
4手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は90.28円の転換線を念頭に置き、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 90.99(1/11高値)
前日終値 90.57
サポート1 89.81(日足一目均衡表・基準線)
Provided by
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