本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円は米10年債利回り上昇で堅調推移、春闘集中回答に要注目か(2024年3月13日)

マーケットレポート

March 13, 2024

【前日の為替概況】ドル円、予想を上回る米2月CPIを受けて148.12円まで上昇

12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は6営業日ぶりに反発。
終値は147.68円と前営業日NY終値(146.95円)と比べて73銭程度のドル高水準だった。
2月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.4%/前年比3.2%、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.4%/前年比3.8%と予想より強い内容だったことが分かると全般ドル買いが先行し、一時148.12円と日通し高値を付けた。
ただ、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.07%台まで低下すると一転ドル売りが優勢となり147.07円付近まで急失速した。
もっとも、米10年債利回りが再び上昇するとドル円にも買いが入り、147円台後半まで持ち直している。
米10年債利回りは低調な米10年債入札を受けて、4.17%台まで上昇した。

ユーロドルはほぼ横ばい。
終値は1.0927ドルと前営業日NY終値(1.0926ドル)と比べて0.0001ドル程度のユーロ高水準だった。
2月米CPIを受けた米長期金利の動向に左右される展開となった。
米CPI発表直後に1.0904ドルまで値を下げたものの、その後は急速に持ち直し1.0944ドルと日通し高値を更新。
ただ、前日の高値1.0953ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。米指標結果の消化が進む中で米長期金利が上昇すると全般ドル買いが優勢となり、22時30分過ぎに一時1.0902ドルと日通し安値を付けた。
もっとも、節目の1.0900ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。

ユーロ円は6日ぶりに反発。
終値は161.35円と前営業日NY終値(160.55円)と比べて80銭程度のユーロ高水準。
ドル円が日通し高値を付けたタイミングでユーロ円も一時161.57円と本日高値を付けた。
そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、方向感が乏しくなった。

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは乱高下。
対ドルで一時7万2968ドル前後と史上最高値を更新したものの、最高値を更新した達成感から利益確定目的の売りが膨らむと急失速した。
2時30分前には6万8691ドル前後と日通し安値を付けた。
もっとも、先高観を背景に押し目買い意欲も旺盛で下押しは限定的。
取引終盤には7万1000ドル台半ばまで持ち直した。

【本日の東京為替見通し】ドル円は米10年債利回り上昇で堅調推移、春闘集中回答に要注目か

本日の東京外国為替市場のドル円は、米2月消費者物価指数(CPI)を受けて米10年債利回りが4.15%台で推移していることで堅調推移が予想される中、春闘の集中回答に関するヘッドラインに注目していくことになる。
昨日発表された米2月CPIは前月比+0.4%、前年比+3.2%で、1月の前月比+0.3%、前年比+3.1%から伸び率が上昇していた。
すなわち、ニューヨーク連銀が公表している「多変量コアトレンド(MCT)」で、12月の+2.56%から1月の+3.04%への上昇が示唆していたように、1月の物価上昇が一過性ではなかった可能性が示されたことになる。

米2月のCPIを受けて、パウエルFRB議長が上院銀行委員会での議会証言で述べた「FRBが利下げに着手するために必要なインフレ低下に対する確信はそう遠くない(not far)将来に得られる」という「最後の1マイル」は遠のいたことになる。

しかし、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、6月のFOMCでの0.25%の利下げ開始確率が60%程度となっている。
2月のスーパーコアがわずか0.5%上昇に減速したことや、帰属家賃(OER)が低下に転じたことなどが背景にある。

植田日銀総裁は、昨日の参院財政金融委員会での答弁で、「2%物価目標の持続的達成を見通せるか、賃金と物価の好循環を点検。
今週さらにデータ情報入ってくる。」と述べた。
本日は春闘の集中回答、そして15日には春闘の第1次集計結果が発表されることで、18-19日の日銀金融政策決定会合での判断材料となる。
連合は、組合側の要求した賃上げ率の平均が昨年同時期を上回る5.85%だったと発表している。

18-19日の日銀金融政策決定会合に向けた報道や発言は以下の通りとなる。

■報道

・「日銀は平均賃上げ率が23年を大きく上回れば解除に踏み切る」
・「日銀は3月会合でマイナス金利解除に傾く政策委員が増えている。日銀は国債買い入れ規模を示す新たな量的金融政策の枠組みを検討」
・「3月会合で、少なくとも1人がマイナス金利解除が適切だと意見表明する見通し」
「日銀は3月会合でマイナス金利解除の是非を議論する。春闘の集計を踏まえて判断し、3月にマイナス金利の解除を見送った場合でも利上げの可能性を示唆するか検討する」

■発言

・ハト派の高田日銀審議委員「マイナス金利解除などの条件となっている2%の物価安定目標の実現が見通せる状況になってきた」
・ハト派の中川日銀審議委員「日本の経済・物価情勢は2%の物価安定目標の実現に向けて着実に歩を進めている」
・植田日銀総裁「2%の物価安定目標の実現が見通せる確度について引き続き少しずつ高まっている」

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○春闘、集中回答日

<海外>
○16:00 ◇ 2月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ☆ 1月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○16:00 ◎ 1月英鉱工業生産(予想:前月比横ばい/前年比0.7%)
○16:00 ◎ 1月英製造業生産高(予想:前月比横ばい)
○16:00 ◇ 1月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:150.00億ポンドの赤字/30.00億ポンドの赤字)
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲1.5%/前年比▲2.9%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○20:45 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○23:00 ◎ ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁、講演
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○14日01:00 ◎ 2月ロシアCPI(予想:前月比0.7%)
○14日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

12日07:58 ハンター豪準備銀行(RBA)総裁補・チーフエコノミスト
「インフレが家計消費の最大の阻害要因」
「第4四半期のGDPはほぼ予想と一致」
「最近のインフレデータも予測と一致」
「現在、家計は明らかに苦境に立たされている」

12日09:41 鈴木財務相
「デフレから脱却したとまでは認識していない」
「デフレ脱却に何が足りないのか一概に申し上げられない」
「為替相場や国債金利など具体的なコメントは控える」

12日11:08 植田日銀総裁
「個人消費は非耐久財消費に弱めの動きがうかがわれる」
「景気は一部統計で弱めの動きも緩やかに回復」
「(マイナス・YCC金利解除などの修正)具体的内容・手順は経済・物価の情勢次第」
「当座預金付利を活用し、短期金利の適切コントロール可能」
「物価安定目標2%見通しが持てれば、マイナス金利解除・YCC、そのほかの大規模緩和策の修正を検討」

13日01:01 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)の利下げは4月より6月の可能性が高い」

13日01:27 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「インフレ再燃を阻止するために行動する必要がある」
「制限的な金利がどの程度の期間必要なのか検討中」

13日05:08 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)は春に利下げすることで大筋合意」
「ECBは米連邦準備理事会(FRB)の政策とは無関係に利下げが可能」
「インフレとの戦いに勝利」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ドル円0313

パラメータ0313

陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の上で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。
5手連続陰線の後、抱き線で反発したものの依然として転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。

本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 149.38(3/7高値)
レジスタンス1 148.61(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 147.68
サポート1 146.39(日足一目均衡表・雲の上限)
サポート2 144.57(日足一目均衡表・雲の下限)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=雲の下限を支持に押し目買いスタンス>

ユーロドル0313

パラメータ0313

小陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の中で引けているものの、買いシグナルが優勢な展開となっている。
2手連続陰線の後、孕み線(ほぼ寄引同事線)で反発して転換線1.0890ドルを上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は雲の下限を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.1046(1/2高値)
前日終値 1.0927
サポート1 1.0836(日足一目均衡表・雲の下限)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ポンド円=横ばいの転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ポンド円0313

パラメータ0313

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で推移していることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
しかし、5手連続陰線の後、孕み線で反発したものの転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。

本日は横ばいの転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 189.58(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 188.92
サポート1 187.97(3/11安値)

>ポンド円のリアルタイムチャートはこちら

<NZドル円=基準線を抵抗に戻り売りスタンス>

NZドル円0313

パラメータ0313

陽線引け。
転換線は基準線を下回っているものの、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで買いシグナルが優勢な展開となっている。
しかし、3手連続陰線の後、孕み線で反発したものの転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。

本日は基準線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 91.77(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 90.82
サポート1 89.92(日足一目均衡表・雲の上限)

>NZドル円のリアルタイムチャートはこちら

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