March 27, 2024
【前日の為替概況】ドル円、小幅に上昇 ロンドンフィキシングでドル買い
26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は上昇。
終値は151.56円と前営業日NY終値(151.42円)と比べて14銭程度のドル高水準だった。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.27%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。
月末・期末が近づく中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると、前日の高値151.54円を上抜けて一時151.60円まで上値を伸ばした。
ただ、米10年債利回りが低下に転じると上昇は一服した。
政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中、22日の高値151.86円や2022年10月21日の高値151.95円、ノックアウトオプションが観測されている152.00円などがレジスタンスとして意識された面もあった。
ユーロドルは小反落。
終値は1.0831ドルと前営業日NY終値(1.0837ドル)と比べて0.0006ドル程度のユーロ安水準だった。
欧州時間に一時1.0864ドルと日通し高値を付けたものの、米長期金利が上昇すると次第にユーロ売り・ドル買いに傾いた。
月末・期末が接近する中、ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いが入ると一時1.0824ドルと日通し安値を更新した。
ただ、米長期金利が低下に転じると下げ渋った。
なお、本日発表の2月米耐久財受注額は予想を上回った一方、3月米消費者信頼感指数は予想を下回るなど強弱入り混じる結果となった。
ユーロ円は小幅続伸。
終値は164.16円と前営業日NY終値(164.09円)と比べて7銭程度のユーロ高水準。
日本時間夕刻に一時163.96円と日通し安値を付けたものの、21時30分過ぎには164.41円と日通し高値を付けた。ただ、1時30分前には164.01円付近まで下押しするなど、一進一退の動きとなった。
ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。
【本日の東京為替見通し】ドル円、1990年以来の高値トライか 年度末のスポ末フローに要警戒
本日のドル円も、堅調地合いが継続されると予想する。
昨日は米金利が小幅ながら前日比で低下したものの、ドル円は日通し高値に近い水準でNYは引けており、買い意欲の強さが示された。
本邦当局者からは、一昨日は神田財務官、昨日は鈴木財務相がそれぞれ口先介入と捉えられる発言が出たものの、市場の反応は限られた。
市場が円安に傾きやすいのは、日銀が17年ぶりの利上げを行ったのにも関わらず、追加利上げは当面難しいとの見方が強いこと挙げられる。
利上げが困難だと見られる要因の1つは、日銀が昨日公表した2月の全国消費者物価指数(CPI)の基調インフレ(「刈込平均値」「加重中央値」「最頻値」)が、それぞれ前月を下回る結果となったこと。
刈込平均値は1月の+2.6%から+2.3%、加重中央値は+1.9%から+1.4%、最頻値は+2.3%から+2.0%へと伸び率が鈍化した。
特に、日銀が重要視しているとされている刈込平均値(品目別価格変動分布の両端の一定割合=上下各10%、を機械的に控除した値)は、2022年9月以来の低水準の伸び率で、インフレ圧力が低下している。
また、一部調査では「物価上昇を上回る賃上げ」が実現するとは思わない、という回答が77%に上るなど、国民全体が賃上げを実感するには程遠い。
このような状況下で再利上げは難しく、神田財務官が一昨日述べた「日米金利差の縮小期待」は米国の利下げ頼みしか期待ができない状況だ。
利上げという切り札を切ったのにもかかわらず、円安が止められない歯がゆさが財務省には残るだろうが、ドル円は1990年以来の水準を目指す方向となるか。
本日は本邦から主だった経済指標の発表が予定されていない。
円相場を動かす要因としては、スポ末(取引した通貨の受け渡しが月末日となる日)で、尚且つスポット応当日が期末・年度末にも重なることなり、実需勢をはじめ東京仲値やロンドンフィキシングにかけて為替予約が多く出る可能性が高いこと。
なお参考までに昨年の3月スポ末は、東京仲値にかけて大きめのドル買い・円売りが出た。
ドル円以外では、豪ドルの動きに要注目。
本日は豪州から2月CPIが発表される。
先週行われた豪準備銀行(RBA)の理事会では、前回声明で含みを持たせていた利上げの可能性に関する文言を削除した。
このことで、市場は引き締めバイアスの後退と受け止められたが、CPIの結果次第で次回のRBAのスタンスにも影響を与えることにもなる。
市場は前年比で1月の+3.4%を小幅に上回る+3.5%予想。
ガソリン価格の上昇や、一部の季節商品割引の解除などで、前回を上回ると予想されている。
なお、2022年9月からの公表となっている月次CPIは、四半期CPIとは違い構成要素が少なく、四半期分の6割から7割程度の構成要素しか含まれていない。
そのため、本日の指標に対する市場の反応は四半期ベースCPIと比較すると大きくはないだろう。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○10:00 ◇ 田村直樹日銀審議委員、あいさつ
<海外>
○09:30 ◎ 2月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比3.5%)
○16:45 ◇ 3月仏消費者信頼感指数(予想:90)
○17:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:4.00%で据え置き)
○18:00 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:00 ◎ カザークス・ラトビア中銀総裁、講演
○19:00 ◎ 3月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:96.2)
○19:00 ◎ 3月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲14.9)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◇ 2月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.80%)
○21:00 ◇ 2月メキシコ貿易収支(予想:2.00億ドルの赤字)
○未定 ☆ 南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:8.25%で据え置き)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○28日02:00 ◎ 米財務省、7年債入札
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
26日08:51 鈴木財務相
「行き過ぎた動きにあらゆる手段を排除せず適切に対応」
「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定推移が重要」
26日18:26 マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「市場が現在織り込んでいる利下げは多過ぎる」
「ある意味では市場が既に利下げを行っているため、BOEが利下げをする必要がない」
26日18:30 ミューラー・エストニア中銀総裁
「利下げ開始可能な地点に近づいている」
「6月会合に向けてインフレ傾向をデータで確認可能」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=上向きの5日線が上昇トレンド示唆>
陽線引け。
下押しも151円前半に留まり151円半ばまで水準を切り上げて終えた。
狭いレンジでの推移が続いているが、5日移動平均線が151円台で上向いていることからも上昇トレンドの継続が示唆されている。
2023年高値151.91円や22年高値151.95円、1990年以来の152円台を視野に入れた取引は変わらず。
ただし22日安値をクリアに割り込むようだと、21日安値150.27円付近までの下押しはあり得るか。
レジスタンス2 152.30(1990/7/6高値)
レジスタンス1 151.95(2022/10/21高値)
前日終値 151.56
サポート1 150.27(3/21安値)
<ユーロドル=1カ月ぶりの均衡表の逆転>
小陰線引け。
買いが強まった場面でも日足一目・基準線に届かずに失速。
1.0830ドル台の200日移動平均線を割り込んで引けた。
1.08ドル後半で下向きの一目・転換線は約1カ月ぶりに基準線を下回り始めた(均衡表の逆転)。
雲の中で推移しているため中立水準ではあるものの、均衡表の逆転が下押し圧力を強めている。
1.09ドル前半の雲の上限を超えるまでは売り目線で臨みたい。
レジスタンス1 1.0917(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 1.0831
サポート1 1.0790(日足一目均衡表・雲の下限)
<ユーロ円=上向きの転換線が相場の方向性を示す>
小陽線引け。
164円割れでは下げ渋るも164円半ばでは頭を抑えられた。
小幅ではあるが2手連続の陽線引け。
先週末に支持水準として働いた一目・転換線は163円前半で明日以降は163.60円台まで上昇見込み。
同線の方向性に沿って買いスタンスで臨みたい。
損切り水準は162.79円で横ばいの基準線を割り込んだところ。
レジスタンス1 164.82(3/22高値)
前日終値 164.16
サポート1 163.21(日足一目均衡表・転換線)
<豪ドル円=転換線から基準線が支持帯となるか確かめ>
ほぼ寄引き同事線引け。
前日高値を上抜けて99円前半で強含むも、一巡後は失速した。
21日の上ヒゲが重しとなり、22日の大陰線の影響も残っているもよう。
本日は98.70円台の一目・転換線から98円半ばの同基準線が支持帯として機能するかを確かめる展開か。
下値の堅さが確認できるようだと再び100円台が期待できる。
逆に割り込むと97円台まで下げ足を速めそうだ。
レジスタンス1 99.71(3/22高値)
前日終値 99.02
サポート1 98.54(日足一目均衡表・基準線)
Provided by
DZH Finacial Research
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