本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、155円KOの攻防と為替介入に警戒 豪ドルは雇用統計が注目(2024年4月18日)

マーケットレポート

April 18, 2024

【前日の為替概況】ドル円154.16円まで下落、円買い介入警戒や米長期金利の低下で

17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。
終値は154.39円と前営業日NY終値(154.72円)と比べて33銭程度のドル安水準だった。
節目の155円を目前に政府・日銀による為替介入への警戒感が高まる中、米長期金利の低下に伴う売りが出た。
半面、米利下げ開始時期が後ずれするとの観測を背景に押し目を拾いたい向きは多く、しばらくは154.60円を挟んだもみ合いが続いた。

ただ、日米韓が初となる財務相会合を開き、「最近の急速な円安・ウォン安への日韓の深刻な懸念を認識し、外国為替市場の動向について引き続き緊密に協議する」と盛り込んだ共同声明を発表すると、円買い・ドル売りで反応。
堅調な米20年債入札を受けて米長期金利が低下幅を拡大したこともドル売りを促し、3時過ぎには一時154.16円と日通し安値を付けた。

なお、鈴木財務相は「日米韓の財務相会合で為替について意見交換した」「為替について日米での意思疎通を確認した」と述べたほか、神田財務官は為替について「必要であれば適切な行動取るのは変わらない」「あらゆる手段を排除せずということに尽きる」などと話した。

ユーロドルは6日ぶりに反発。
終値は1.0673ドルと前営業日NY終値(1.0619ドル)と比べて0.0054ドル程度のユーロ高水準だった。
米長期金利の低下などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。
いったんは前日の高値1.0654ドル手前で伸び悩んだものの、米20年債入札後に米金利が低下幅を広げると全般ドル売りが優勢となり、一時1.0680ドルと日通し高値を更新した。

なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動は2月下旬以降、全体としてわずかに拡大した」と総括し、「雇用は小幅なペースで拡大した」「物価上昇は平均して緩やかで、前回の報告とほぼ同じペースだった」「企業のコスト転嫁がさらに難しくなった」と指摘した。

ユーロ円は3日続伸。
終値は164.77円と前営業日NY終値(164.29円)と比べて48銭程度のユーロ高水準。
日米韓財務相会合に係る共同声明が出されると一時164.24円付近まで売られたものの、下押しは限定的だった。
ユーロドルの上昇につれた買いが入ると、4時前に164.81円と日通し高値を更新した。

【本日の東京為替見通し】ドル円、155円KOの攻防と為替介入に警戒 豪ドルは雇用統計が注目

本日の東京外国為替市場のドル円は、155円のノックアウト・オプションの攻防戦や本邦通貨当局のドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。

昨日ワシントンで初めて開催された日米韓財務相会合では、外国為替市場の動向について「緊密に協議する」ことで合意した。
共同声明では「最近の急速な円安およびウォン安に関する日韓の深刻な懸念」を表明し、「既存のG20のコミットメントに沿って、外国為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議する」とした。
G20声明の為替に関するコミットメントとは、「為替レートの過度な変動や無秩序な動きが、経済および金融の安定に対して悪影響を与え得ることを認識する」というものである。

鈴木財務相は、「日米韓の財務相会合で為替について意見交換をした。
為替について日米での意思疎通を確認した」と述べ、急速な円安、ウォン安についての認識を共有したと語った。
神田財務官は、為替市場について必要であれば適切な行動取ることは変わらないとした上で、手の内さらすことになるので具体的な措置には言及しないと述べた。

本日のG7財務相・中銀総裁会議とG20財務相・中銀総裁会議での為替に関する声明に要注目となる。
16日にはエイドリアン国際通貨基金(IMF)金融資本市場局長が、為替の変動が激しい場合には為替市場への介入が「適切になる可能性がある」と述べており、ドル高が進行する中、為替介入を容認していた。

2022年秋の本邦通貨当局のドル売り・円買い介入では、9月22日の介入は声明が出され、10月12-13日にワシントンでG20会議が開催された後、10月21日と24日には覆面介入が行われたことで、今週末にかけて警戒しておきたい。

本日のドル円の注目水準は、155円には大口のノックアウト・オプションが控え、154.80-95円には防戦売りがあると言われている。
上昇チャネルの上限は156.67円、神田財務官が介入に踏み切ると警戒されている「神田ライン」は156.49円、ボラティリティーの拡大を示唆するボリンジャー・バンド+2σは、154.50円付近に控えている。

なお、10時30分には3月豪雇用統計が発表予定。
市場予想は失業率が3.9%で2月の3.7%から悪化、新規雇用者数が+1.00万人で2月の+11.65万人から増加幅の減少が見込まれている。
2月の新規雇用者数は大幅に予想を上回り、失業率は3.7%まで低下したことで、豪準備銀行(RBA)の早期利下げ観測が後退したが、3月が予想通りならば、利下げ観測が台頭することになるのかもしれない。

RBAは、金融政策に関する四半期報告で、インフレ率と経済成長率の予測を引き下げていた。
そして、失業率は25年6月に4.4%を付け、残る予測期間を通じてその水準にとどまると予想し、インフレ圧力を強めることなく最大雇用に戻る道筋と整合的だとしていた。

また10時30分に予定されている野口日銀審議委員のあいさつでは、来週の日銀金融政策決定会合での「展望リポート」で物価見通しが上方修正されるのではないかとの観測への見解などに注目しておきたい。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◇ 野口旭日銀審議委員、あいさつ
○13:30 ◇ 2月第三次産業活動指数(予想:前月比0.5%)

<海外>
○08:15 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○10:30 ◎ 3月豪雇用統計(予想:失業率3.9%/新規雇用者数1.00万人)
○16:00 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:00 ◇ 2月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○18:00 ◇ 2月ユーロ圏建設支出
○21:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○21:30 ◎ 4月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:2.0)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/181.0万人)
○22:15 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討議に参加
○23:00 ◎ 3月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.1%)
○23:00 ◎ 3月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲4.1%/年率換算420万件)
○24:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、イベントに参加
○24:00 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○19日02:30 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○19日04:00 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン)

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

17日16:14 林官房長官
「(円安について)動向を注視しつつ、万全の対応をしていく」

17日16:35 小林日本商工会議所会頭
「(円安について)非常に困る。困る度合いが日に日に高まっている」
「他国との協調介入も含めて考えてもらいたい」
「資源価格の上昇とドル相場がダブルに効いてくる」
「コストプッシュ型のインフレが再燃する懸念が非常に強い」

17日21:12 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「利下げをするかどうかは6月まで待つ必要がある」

17日21:21 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「6月は非常に重要な決定となる」
「6月の理事会に対する市場の期待は明確」
「賃金の伸びは大幅に低下している」
「金融政策を変更する時が来た」

18日02:12
「年内に数回の利下げは可能」

17日22:55 チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事
「PMIデータからは景気回復の兆しが見られる」
「年内のインフレは多かれ少なかれこの水準で推移すると予想」
「インフレ率は2025年半ばまでに目標の2%に回帰すると予想」
「中東紛争がエネルギーコストに与える影響は大きなリスク」

18日00:05 ナーゲル独連銀総裁
「ユーロ圏の物価圧力はしばらく続く可能性がある」
「2024年の独経済は若干の成長が見込まれる」

18日01:03 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「来月は大幅なインフレ低下が予想される」
「インフレ予測の誤差は減少した」
「インフレ目標を持続的に達成するのが我々の仕事」

18日03:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「米経済活動は全てを考慮した結果、若干拡大した」
「12地区のうち10地区では緩やかから穏やかな経済成
長が見られ、2地区では変わらずだった」
「消費者支出は全体としてはほとんど増加しなかった」
「製造業活動はわずかに減少し、同部門の成長を報告したのは3地区のみ」
「住宅建設は平均して若干増加し、ほとんどの地区で住宅販売が強化された」
「経済見通しは慎重ながらも全体としては楽観的だった」
「雇用は全体的にわずかなペースで増加し、9地区では非常に緩やかな増加が報告された。残りの3地区では雇用の変化は報告されなかった」
「賃金は8地区で緩やかなペースで増加したが、残りの4地区では緩やかな上昇にとどまった」
「全体として雇用の増加は小幅であり、賃金上昇率も引き続き緩やかにパンデミック前の水準に戻り、労働力の需要と供給は比較的安定した状態が続くと予想」
「価格上昇は平均して緩やかで、前回とほぼ同じペースとなった」
「インフレは今後も緩やかなペースで安定的に推移すると予想」
「投入価格と生産価格の両方において、短期的なインフレに対する上振れリスクを認識」

18日03:13 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「欧州の経済成長は米国に比べて緩慢」
「わずかに回復の兆候が見てとれる」

18日04:13 鈴木財務相
「日米韓の財務相会合で為替について意見交換した」
「為替について日米での意思疎通を確認した」
「急速な円安、ウォン安についての認識を共有した」

18日04:23 神田財務官
「日米韓で円安、ウォン安への深刻な懸念を共有」
「(為替について)必要であれば適切な行動取るのは変わらない」
「手の内さらすことになるため、具体的な措置には言及しない」
「あらゆる手段を排除せずということに尽きる」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>

ドル円0418

パラメータ0418

陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
2手連続陽線の後、孕み線で反落したものの依然として転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。

本日は上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 156.98(1990/5/11高値)
レジスタンス1 155.87(1990/6/25高値)
前日終値 154.39
サポート1 153.18(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 152.59(4/12安値)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=横ばいの転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロドル0418

パラメータ0418

陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
6手連続陰線の後で抱き線で反発したものの、依然として転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。
しかし、本日の雲のねじれが変化日となる可能性には警戒しておきたい。

本日は横ばいの転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.0743(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0673
サポート1 1.0601(4/16安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンス>

ユーロ円0418

パラメータ0418

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
3手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 165.35(3/20高値)
前日終値 164.77
サポート1 163.73(日足一目均衡表・転換線)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=4/11・12高値を抵抗に戻り売りスタンス>

豪ドル円0418

パラメータ0418

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
しかし、孕み線で切り返したものの転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。

本日は転換線99.73円を念頭に置き、11日と12日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 100.24(4/11・12高値)
前日終値 99.35
サポート1 98.66(4/16安値)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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