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本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、日銀金融政策決定会合や中東情勢警戒で上値は限定的か(2024年4月22日)

マーケットレポート

April 22, 2024

【前日の為替概況】過度なリスク回避後退でユーロ反発 対円165.03円、対ドル1.0677ドル

19日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは小反発。
終値は1.0656ドルと前営業日NY終値(1.0643ドル)と比べて0.0013ドル程度のユーロ高水準だった。
アジア市場では中東情勢の緊迫化を背景にリスク・オフの動きが強まり一時1.0611ドルまで売り込まれたものの、17日の安値1.0606ドルや16日の安値1.0601ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。

「イスラエルの攻撃を受けたイランは再攻撃に慎重な姿勢を示している」との報道が伝わると、投資家の過度なリスク回避姿勢はいったん落ち着き、ユーロ買い・ドル売りがさらに進んだ。
23時30分過ぎには一時1.0677ドルと日通し高値を更新した。
その後の下押しも1.0640ドル付近にとどまった。

なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時105.85まで低下した。

ドル円は横ばい。
終値は154.64円と前営業日NY終値(154.64円)と同水準だった。
NY市場に限れば、狭いレンジでのもみ合いに終始した。
NY時間の安値は154.46円、高値は154.65円で値幅は19銭程度だった。
来週25-26日に開かれる日銀金融政策決定会合を前に方向感が出にくい面もあった。

この日の東京市場では中東情勢を巡る懸念からリスク回避の円買い・ドル売りが優勢となり一時153.59円まで売り込まれた。
ただ、中東情勢に対する警戒感が和らぐと買い戻しが優勢となった。
半面、政府・日銀による為替介入への警戒感から上値も限られた。
16日に付けた34年ぶりの高値154.79円や大量のノックアウトオプションが観測されている155.00円もレジスタンスとして意識される。

ユーロ円は小反発。
終値は164.70円と前営業日NY終値(164.59円)と比べて11銭程度のユーロ高水準。
アジア市場では一時163.02円まで売り込まれたものの、海外市場では買い戻しが優勢となった。
中東の地政学リスクを背景としたリスク・オフの動きが徐々に後退し、円売り・ユーロ買いが進んだ。
24時前には一時165.03円と日通し高値を更新した。

【本日の東京為替見通し】ドル円、日銀金融政策決定会合や中東情勢警戒で上値は限定的か

本日の東京外国為替市場のドル円は、25-26日に開催される日銀金融政策決定会合や中東情勢への警戒感などから上値が重い展開が予想される。

もし155円のノックアウト・オプションへの買い仕掛けが行われた場合は、防戦売りとの攻防戦や本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性が高まることで警戒しておきたい。

先週のG7会議では従来の為替声明が確認されたに留まり、G20会議では、ドル高に関する議論はなかったと報じられている。
しかし、19日に開催された国際通貨金融委員会では、鈴木財務相と植田日銀総裁が出席し、円安進行を念頭に、外国為替相場の行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取るとの意見を表明した。
そして、声明では「為替市場を含めた金融市場における変動の高まり」を指摘し、「過度な変動は望ましくない」との見解が示されており、円安進行時の円買い介入への警戒感を高めている。

神田財務官は、円買い介入の大義名分として、投機筋による円売りとボラティリティーの拡大を挙げていた。

4月16日時点のIMM通貨先物の投機筋の円売り持ちネットポジションは、165619枚(x1250万円=約2兆円)と、2007年6月26日以来(188077枚)17年ぶりの高水準となっている。

ボラティリティー増大を示唆するボリンジャー・バンド+2σは155.15円付近にあり、神田ライン(※過去28日間の安値から10円上昇した水準)は157.42円にある。
ドル円の上昇チャネルの本日の上限は156.91円にある。

2022年10月の円買い介入は、12-13日のG20会議の後、21日と24日に覆面介入が実施されている。

先週19日の市場は、イスラエルによるイランの核施設へのミサイル攻撃、という米系メディアによる報道を受けて、地政学リスク回避の株売り・円買いとなったが、イランが反撃に慎重なスタンスを示したことで、中東情勢への警戒感はやや和らいでいる。

しかしながら、中東情勢は予断を許さない状況が続いていることで、今後も関連ヘッドラインには警戒しておきたい。

イスラエルとイランの軍事衝突による中東の地政学リスク回避の動きが強まった場合、先週金曜日のようにIMM通貨先物の円売り持ちポジションの手仕舞いなどに繋がることで、リスク回避の円買い要因となる。
しかしながら、第5次中東戦争などに拡大した場合は、原油価格の上昇により円安要因となる。

日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁が先週ワシントンでのG20財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、円安による輸入物価の上昇が基調的な物価上昇率に影響を与える可能性に言及し、「無視できない大きさの影響が発生した場合には金融政策の変更もあり得る」と述べていることで、やや警戒感が高まっている。
また、関係筋の話として、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2024年度のコアCPI見通しを1月の2.4%から引き上げることを検討する可能性が報じられており、要注目となる。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
特になし

<海外>
○16:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○21:30 ◇ 3月カナダ鉱工業製品価格
○21:30 ◇ 3月カナダ原料価格指数
○23:00 ◎ 4月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲14.4)
○23日00:30 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

19日10:38 米政府高官
「イスラエルがイランの標的を空爆したことを確認」

19日12:32 イラン高官
「イランに対するミサイル攻撃はなかった」
「イスファハンの爆発音は防空システム発動によるもの」

19日14:53 カザークス・ラトビア中銀総裁
「インフレとの戦いで勝利宣言は時期尚早」
「景況感は悪化しているものの、確信は強まっている」

19日19:13 シムカス・リトアニア中銀総裁
「年内3、4回の利下げはあり得る」

19日22:06 ラガルドECB総裁
「ユーロ圏のディスインフレプロセスは続いている」
「特定の金利の道筋を事前に約束することはない」
「ユーロ圏成長見通し、歴史的基準で依然平均を下回る」

19日23:21 ラムスデン英中銀(BOE)副総裁
「ディスインフレのプロセスはおそらくでこぼこ」
「米国、英国、欧州でインフレが低下」
「現在、英国のインフレ率はそれほど異常値ではない」
「為替がインフレに与える影響を考慮」
「英インフレ持続性に対する市場の懸念が高まったことで、英金利はここ数週間、数カ月で上昇」

19日23:34 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「2024年はこれまでのところ、インフレ巡る進展が停滞している」
「FRBはデータが過熱を示しているかどうか確認する必要」
「過去3カ月のインフレは無視できない」
「待つのは合理的」

20日00:50 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「基本シナリオはないが、2024年に1回のみの利下げとなる可能性は低い」
「7月の利下げも排除しないが、現時点で予想するのは難しい」
「ECBとFRBの金利差は拡大する可能性がある」

20日04:38 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「インフレは引き続き広範囲に及ばなくなりつつある。正しい方向に進んでいる」
「全体として、インフレ見通しに対する下振れリスクは以前よりも低下」
「地政学的緊張は国際社会における深い懸念要因」
「原油価格が高騰すれば、それを考慮する必要がある」

20日04:40 ミュラー・エストニア中銀総裁
「経済がECBの予測に沿えば、6月から年末までに数回の利下げが行われる可能性」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=4/19安値を支持に押し目買いスタンス>

ドル円0422

パラメータ0422

寄引同事線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
153.59円まで下影を伸ばして底堅さを確認し、依然として転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は19日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 156.98(1990/5/11高値)
レジスタンス1 155.87(1990/6/25高値)
前日終値 154.64
サポート1 153.59(4/19安値)
サポート2 153.24(日足一目均衡表・転換線)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロドル0422

パラメータ0422

陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
孕み線で切り返したものの、依然として転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。

本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.0734(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0656
サポート1 1.0601(4/16安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>

ユーロ円0422

パラメータ0422

下影小陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
下影を伸ばした孕み線で切り返して底堅さを確認し、転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 165.35(3/20高値)
前日終値 164.70
サポート1 163.66(日足一目均衡表・転換線)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=4/19安値を支持に押し目買いスタンス>

豪ドル円0422

パラメータ0422

下影小陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
2手連続陰線でも97.78円までの下影で底堅さを確認し、転換線を上回る水準で推移していることで反発の可能性が示唆されている。

本日は転換線99.21円を念頭に置き、19日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 100.24(4/11・12高値)
前日終値 99.25
サポート1 97.78(4/19安値)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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