本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円は155円KOの攻防戦、豪ドルは豪インフレ率に要注目か(2024年4月24日)

マーケットレポート

April 24, 2024

【前日の為替概況】ドル円154.88円まで上昇、米長期金利と欧米株価の上昇で

23日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは反発。
終値は1.0701ドルと前営業日NY終値(1.0655ドル)と比べて0.0046ドル程度のユーロ高水準だった。
欧州時間発表の4月仏・独サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を大幅に上回ると、ユーロ買い・ドル売りが先行。
NY時間発表の4月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ったことが分かると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化した。
23時30分過ぎには一時1.0711ドルと日通し高値を更新した。

主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時105.61まで低下した。

ドル円は小反落。
終値は154.83円と前営業日NY終値(154.85円)と比べて2銭程度のドル安水準だった。
中東情勢を巡る警戒感が和らぐ中、欧米株価の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが先行。
米長期金利の上昇に伴うドル買いも入り、22時30分過ぎに一時154.88円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。

ただ、米PMI速報値の下振れをきっかけに米長期金利が低下に転じるとドル円にも売りが波及。
米2年債入札後に米金利が低下幅を広げると全般ドル売りが優勢となり、一時154.56円と日通し安値を付けた。
日経新聞が「日銀は25-26日に開く金融政策決定会合で円安加速の影響を議論する」と報じたことも相場の重しとなった。

もっとも、米利下げ開始時期が後ずれするとの観測を背景に押し目を拾いたい向きは多く、下値は限定的だった。
ユーロ円などクロス円の上昇につれた買いも入った。

ユーロ円は3日続伸。
終値は165.71円と前営業日NY終値(164.98円)と比べて73銭程度のユーロ高水準。
低調な米経済指標をきっかけにユーロドルが上昇するとユーロ円にも買いが波及。
中東情勢を巡る警戒感が和らぐ中、欧米株価の上昇を背景にリスク・オンの円売りも出て、23時30分過ぎに一時165.74円と2008年8月以来の高値を更新した。

ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。
ポンド円は一時192.85円、豪ドル円は100.45円、NZドル円は92.01円、カナダドル円は113.34円、スイスフラン円は170.19円、メキシコペソ円は9.13円まで値を上げた。

【本日の東京為替見通し】ドル円は155円KOの攻防戦、豪ドルは豪インフレ率に要注目か

本日の東京外国為替市場のドル円は、155円のノックアウト・オプションへの買い仕掛けと防戦売りとの攻防戦や円安局面での本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。
しかしながら、ドル円が155円台に乗せるのは、25-26日の日銀金融政策決定会合でのゼロ金利継続や26日発表の米3月PCEデフレーターでのインフレ再燃という材料が必要なのかもしれない。

ドル円が1990年6月以来の高値圏まで上昇している背景には、日米の金融政策の乖離が挙げられる。
すなわち、米連邦準備理事会(FRB)は量的金融引締政策(QT)を継続中であり、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ開始時期は秋以降に先送りされるとの見方が浮上し、さらに利上げの可能性もやや高まりつつある。

ウィリアムズ米NY連銀総裁は「私の基本的な予測ではない」としながらも、「データが要求するのならば利上げする可能性もある」と述べ、アトランタ連銀のボスティック総裁もインフレが高進すれば、追加利上げの可能性を示唆している。
また、ジェファーソンFRB副議長は、インフレが予想通りに減速しない場合は現在の金融引き締め姿勢をより長期間維持することが適切だ、と述べている。

FRBスタッフの推計によると、3月のPCEデフレーターは前年比+2.7%と2月の同比+2.5%から伸びが加速するとみられており、予想通りならば、ドル買いに拍車がかかることになる。

一方で、日銀は、イールドカーブコントロール(YCC)を撤廃したものの、量的金融緩和政策(QE)は継続しており、日銀金融政策決定会合での追加利上げは夏以降になるのではないか、との見方が優勢となっている。

明日からの日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁が円安による輸入物価の上昇が基調的な物価上昇率に影響を与える可能性に言及し、「無視できない大きさの影響が発生した場合には金融政策の変更もあり得る」と述べ、「円安加速の影響を議論する」との新聞報道があるものの、ゼロ金利の維持が見込まれている。
注目ポイントは、関係筋が示唆したように、展望レポートでの物価見通しが上方修正される可能性となっている。

市場が警戒しているのは、2022年9月22日の日銀金融政策決定会合の後、黒田前日銀総裁が「当面金利を引き上げるようなことはない」と述べたことで、ドル円が145円台に乗せた段階で、本邦通貨当局がドル売り・円買い介入に踏み切ったことの再現である。

26日に日銀金融政策決定会合でゼロ金利の維持が決定され、植田日銀総裁の記者会見がハト派だった場合、円安に拍車がかかる可能性が高まるが、そこで、本邦通貨当局がドル売り・円買い介入に踏み切る可能性に警戒しておきたい。

10時30分に発表される3月豪消費者物価指数(CPI)は前年同月比+3.4%と予想されており、1月と2月と変わらずと見込まれている。
また、1-3月期豪CPIは前年同期比+3.5%と予想されており、前期の同比+4.1%からの伸び率鈍化が見込まれている。
予想通りならば、インフレの鎮静化が確認されることで、豪ドルの売り要因となる。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 3月企業向けサービス価格指数(予想:前年比2.1%)

<海外>
○07:45 ◎ 3月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○10:30 ◎ 3月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比3.4%)
○10:30 ◎ 1-3月期豪CPI(予想:前期比0.8%/前年同期比3.5%)
○15:50 ◎ デコス・スペイン中銀総裁、講演
○16:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○16:10 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○16:35 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:00 ◎ 4月独Ifo企業景況感指数(予想:88.8)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:30 ◎ 2月カナダ小売売上高(予想:前月比0.1%/自動車を除く前月比横ばい)
○21:30 ◎ 3月米耐久財受注額(予想:前月比2.5%/輸送用機器を除く前月比0.3%)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○25日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

23日09:44 鈴木財務相
「市場の動きは高い緊張感をもって見ている」
「為替相場の行き過ぎた動きには適切に対応」
「過度の変動にはあらゆるオプションを排除せずに対応」
「日々の動きについてはコメントを控える」
「環境が整ったと捉えられてもいい」(為替介入について問われ)
「今後の対応は日米間共同声明などを踏まえて行動」

23日10:31 植田日銀総裁
「(物価上昇率が見通し通りの場合)金融緩和の度合いを調整し、短期金利を引き上げていく」
「物価見通し2%の達成期間、現時点では25年度にかけてと想定」
「基調的な物価見通しが下振れた場合、具体的な対応をあらかじめ言うのは難しい」

23日14:12 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「インフレとの戦いは終わりつつある」
「サプライズがなければ、6月欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げはほぼ確実」

23日15:46 経団連の十倉雅和会長
「経済のファンダメンタルズを踏まえると円安に行き過ぎ」
「政府・日銀は行き過ぎた円安には過去にも介入」
「為替介入、政府・日銀は適切に判断して対応する」

23日22:01 ナーゲル独連銀総裁
「インフレが目標に戻る兆しを確認できるまでは、利下げはできない」
「6月の利下げを確約する前にデータを確認したい」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>

ドル円0424

パラメータ0424

小陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
高値圏での孕み線で伸び悩んだものの、依然として転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。

本日は上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 156.98(1990/5/11高値)
レジスタンス1 155.87(1990/6/25高値)
前日終値 154.83
サポート1 153.74(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 152.59(4/12安値)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=基準線を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロドル0424

パラメータ0424

陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
3手連続陽線で下落中の転換線を上回って引けたものの、横ばいの基準線を下回って引けていることで反落の可能性が示唆されている。

本日は下落中の転換線1.0666ドルを念頭に置き、基準線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.0772(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.0701
サポート1 1.0601(4/16安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=4/23安値を支持に押し目買いスタンス>

ユーロ円0424

パラメータ0424

陽線引け。
転換線は基準線と同値、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な展開となっている。
3手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は23日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 166.47(ピポット・レジスタンス2)
前日終値 165.71
サポート1 164.63(4/23安値)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=下落中の転換線を支持に押し目買いスタンス>

豪ドル円0424

パラメータ0424

陽線引け。
転換線は基準線を下回っているものの、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な展開となっている。
2手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は下落中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 100.81(4/9高値)
前日終値 100.43
サポート1 99.12(日足一目均衡表・転換線)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号


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