本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、日銀金融政策決定会合後の円買い介入の可能性に要警戒か(2024年4月26日)

マーケットレポート

April 26, 2024

【前日の為替概況】ドル円155.75円まで上昇、米1-3月期 PCEコア指数が前期比年率+3.7%

25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。
終値は155.65円と前営業日NY終値(155.35円)と比べて30銭程度のドル高水準だった。
米商務省が発表した1-3月期米国内総生産(GDP)速報値が前期比年率1.6%増と予想の2.4%増を下回ったことが分かるとドル売りが先行し155.33円付近まで下押ししたものの、米連邦準備理事会(FRB)が重視するインフレ指標である食品とエネルギーを除いた個人消費支出(PCE)コア価格指数が前期比年率3.7%上昇と予想の3.4%上昇を上回ったことが分かると一転ドル買いが優勢に。
22時前に一時155.75円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。

ただ、時事通信が「日銀は26日の日銀金融政策決定会合で国債買い入れ縮小の方法を検討する。
縮小すれば、日銀が保有する国債の償還ペースが新規買い入れを上回ることになりそうで、国債保有残高を減らしていく事実上の量的引き締め局面に移行することになる」と報じると円買い・ドル売りで反応し、155.37円付近まで下押しした。
政府・日銀による為替介入が一段と警戒されたことも相場の重し。

なお、イエレン米財務長官は為替介入について「まれな出来事であるべき」「過度な変動がある場合に限定され、事前に協議があることが期待される」と述べた。

ユーロドルは反発。
終値は1.0730ドルと前営業日NY終値(1.0699ドル)と比べて0.0031ドル程度のユーロ高水準だった。
米GDP速報値が予想を下回ったことが分かると一時1.0739ドルと日通し高値を付けたものの、同時に公表されたコアPCEが予想を上回ると一転ドル買いが優勢となり、22時過ぎには1.0678ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、そのあとは再びドル売りが優勢となり、本日高値の1.0739ドルに面合わせした。

ユーロ円は5日続伸。
終値は167.02円と前営業日NY終値(166.21円)と比べて81銭程度のユーロ高水準。
22時過ぎに165.95円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、2時30分過ぎには167.09円と2008年8月以来の高値を更新した。
一時は大証終値比480円安の3万7130円まで大幅下落した日経平均先物が持ち直し、300円高の3万7910円まで上昇したことも相場の支援材料。

【本日の東京為替見通し】ドル円、日銀金融政策決定会合後の円買い介入の可能性に要警戒か

本日の東京外国為替市場のドル円は、日銀金融政策決定会合や経済・物価情勢の展望(展望レポート)、そして植田日銀総裁の会見を見極めながら、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。

日銀金融政策決定会合では、ゼロ金利の維持が予想されているが、一部報道では、国債買い入れ縮小の方法が検討される、円安加速の影響を議論する、と報じられており、展望レポートでは物価見通しの上方修正が見込まれている。

15時30分からの植田日銀総裁の記者会見では、円安による輸入物価の上昇が基調的な物価上昇率に影響を与える可能性に言及することが予想されるが、2022年9月22日の円買い介入の再現となる可能性に警戒しておきたい。

イエレン米財務長官は、2022年秋の本邦通貨当局による円買い介入に関しては、「ボラティリティーを滑らかにするスムージング(smoothing out volatility)が目的であれば理解できる」と述べていた。
しかし、昨日は、「介入は過度な変動(excessive volatility)がある場合に限定され、事前に協議があることが期待される」と述べた。

神田財務官が円買い介入の大義名分としている投機筋の円売り圧力とボラティリティー増大の状況は、2022年9月22日時点と現状は以下の通りとなっている。

■2022年9月22日
・IMMネット円売り持ち高:81280枚(※9/20時点)
・ボリンジャー・バンド+2σ:146.12円
・FF金利誘導目標:3.00-25%
・午前11時台:日銀金融政策決定会合で大規模金融緩和策の維持が決定され、ドル円は145.37円まで上昇した後、日銀のレートチェックの噂などで143.55円まで急落した。
 神田財務官は「過度な変動や無秩序な動きは、容認できない」「あらゆる手段を排除せず、対応できる準備」「必要な時は必ず介入することになる」と述べた。
・午後15時30分過ぎ:黒田日銀総裁が「必要であれば躊躇なく追加的な緩和措置を講じる。当面金利を引き上げるようなことはない」と述べたことで、145.90円まで上昇した。
・午後17時30分頃:本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入(2兆8382億円)が実施され、ドル円は140.70円まで急落した。

■2024年4月26日
・IMMネット円売り持ち高:165619枚(※4/16時点)
・ボリンジャー・バンド+2σ:156.55円
・FF金利誘導目標:5.25-50%

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:30 ◎ 4月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合予想:前年比2.2%)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.10%で据え置き)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(4月、基本的見解)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見

<海外>
○08:01 ◇ 4月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲20)
○10:30 ◎ 1-3月期豪卸売物価指数(PPI)
○10:30 ◇ 1-3月期豪輸入物価指数(予想:前期比0.1%)
○15:45 ◇ 4月仏消費者信頼感指数(予想:92)
○18:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、パネルディスカッションに参加
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表(予想:16.00%で据え置き)
○21:00 ◇ 3月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.40%)
○21:00 ◇ 3月メキシコ貿易収支(予想:7.00億ドルの黒字)
○21:30 ◎ 3月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.6%)
     ◎ 3月米個人所得(予想:前月比0.5%)
     ☆ 3月米PCEデフレーター(予想:前年比2.6%)
     ☆ 3月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.3%/前年比2.7%)
○23:00 ◎ 4月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:77.9)
○27日01:00 ◎ 3月ロシア失業率(予想:2.8%)

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

25日11:11 林官房長官
「為替市場の動向をしっかり注視し、万全の対応を行っていきたい」
「為替はファンダメンタルズを反映し安定的に推移することが重要、過度の変動は望ましくない」
「日銀には引き続き政府と連携を図り、物価目標の安定的な実現に向け適切な政策運営を期待」

25日11:16 鈴木財務相
「市場をしっかり注目して適切な対応していく思いに変わりはない」
「今の局面で多く話せないこと何卒ご理解いただきたい」

25日16:26 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事
「ディスインフレの最終段階が難航する可能性」
「賃金上昇は計画通り緩やかになりつつある」

25日17:21 ミュラー・エストニア中銀総裁
「連続利下げで開始するのは望ましくない」

25日23:08 イエレン米財務長官
「GDPデータは個人投資支出を端的に示している」
「GDPデータは修正される可能性がある」
「インフレは低下傾向にある」
「賃金圧力がインフレの原因であるとは考えられていない」
「米国経済は非常に好調で、世界の成長を押し上げ」
「FRBはインフレの持続的な低下を示す追加の証拠を確認したいと考えている」
「ドルは強い、他国との相違ある」
「ドルの評価における重要な要素は米経済の強さと金利水準」
「為替介入は非常にまれで例外的な状況でのみ許容される」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>

ドル円0426

パラメータ0426

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
2手連続陽線で依然として転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 157.89(1990/5/9高値)
レジスタンス1 156.98(1990/5/11高値)
前日終値 155.65
サポート1 154.67(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 153.59(4/19安値)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=雲の下限を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロドル0426

パラメータ0426

陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
抱き線で切り返して転換線を上回って引けているものの、基準線を下回って引けていることで反落の可能性が示唆されている。

本日は水準を切り下げた基準線1.0743ドルを念頭に置き、雲の下限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.0846(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 1.0730
サポート1 1.0601(4/16安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=4/25安値を支持に押し目買いスタンス>

ユーロ円0426

パラメータ0426

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
5手連続陽線で依然として転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は25日安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 167.83(ピポット・レジスタンス2)
前日終値 167.02
サポート1 165.95(4/25安値)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=4/24安値を支持に押し目買いスタンス>

豪ドル円0426

パラメータ0426

陽線引け。
転換線と基準線は同値だが、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な展開となっている。
4手連続陽線で依然として転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は24日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 102.17(ピポット・レジスタンス2)
前日終値 101.46
サポート1 100.29(4/24安値)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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