本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、日米金融政策や米大統領選の不透明感から動きづらい展開か(2024年7月23日)

マーケットレポート

July 23, 2024

【前日の為替概況】ドル円、アジア時間の安値156.29円から157.10円台へ反発

22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。
終値は157.04円と前営業日NY終値(157.48円)と比べて44銭程度のドル安水準だった。
ただ、下値は堅かった。
アジア時間に一時156.29円まで下落したものの、一目均衡表雲の上限156.23円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。
欧米株価の上昇に伴う円売り・ドル買いも優勢となった。
米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いも出ると、一時157.17円付近まで下値を切り上げた。

なお、バイデン米大統領は21日、11月の米大統領選から撤退すると表明。
共和党のトランプ前大統領が当選する可能性が後退したものの、為替相場への影響は限定的だった。

ユーロドルは3日ぶり小反発。
終値は1.0891ドルと前営業日NY終値(1.0882ドル)と比べて0.0009ドル程度のユーロ高水準だった。
本日は欧米の経済指標の発表などがなく手掛かり材料に欠けたことから、相場は大きな方向感が出なかった。
今日の安値はNY時間に付けた1.0873ドル、高値はアジア時間に付けた1.0903ドルで1日の値幅は0.0030ドル程度だった。

ユーロ円は続落。
終値は171.03円と前営業日NY終値(171.39円)と比べて36銭程度のユーロ安水準。
日本時間夕刻に一時170.06円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。
3時過ぎには171.15円付近まで下値を切り上げた。
ドル円につれた動きとなった。

【本日の東京為替見通し】ドル円、日米金融政策や米大統領選の不透明感から動きづらい展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、30-31日の日米金融政策決定会合に向けて動きづらい展開の中、ハリス米副大統領を軸にした民主党陣営とトランプ共和党陣営との対決が不透明なこともあり、157円付近での動意に乏しい展開が予想される。

現状のドル円水準は、26日間の中心値である基準線(158.67円)、9日間の中心値である転換線(158.57円)、50日移動平均線(158.05円付近)の下、支持帯である雲の上限(156.31円)、90日移動平均線(156.11円付近)の上にあり、上下どちらかに放れる材料待ちとなっている。

30-31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きが確実視されているものの、ウォール街からは、6月の消費者物価指数(CPI)が前月比-0.1%まで低下していたことで、利下げ開始を9月FOMCまで待つ必要はないのではないか、との見解が聞かれている。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利下げ開始時期は9月FOMCとなっており、11月と12月FOMCでも追加利下げが見込まれており、年末のFF金利誘導目標4.50-75%と想定されている。

ちなみに、トランプ前大統領は、大統領選挙が行われる11月まで利下げをしないように牽制している。

30-31日の日銀金融政策決定会合では、国債買い入れの減額計画が発表される予定だが、植田日銀総裁が「相応の規模」と示唆していたものの、サプライズとはならない規模となり、追加利上げは先送りされると見込まれている。

バイデン米大統領が大統領選からの撤退を表明したことで、第2次トランプ政権誕生の可能性が高まったと思われるものの、ハリス副大統領との対決においては、形成逆転の可能性も浮上してきている。

第2次トランプ政権誕生の可能性が高まった場合は、トランプトレードのドル買い観測と「トランプノミクス2は低金利と関税。
ドル高は問題」(トランプ前米大統領)によるドル売り観測を見極めていくことになる。
しかし、ハリス第47代米大統領誕生の可能性もあり、バイデン民主党路線の継承も想定せざるを得ないことで、市場の方向感が無くなりつつある。

さらに、現状のドル円相場は、神田財務官が今年、ドル売り・円買い介入に踏み切った水準(157円~161円)で推移していることで、月末の退任を控えて、最後の円買い介入の可能性には警戒しておきたい。

神田財務官は、昨日、25~26日にブラジル、リオデジャネイロで開催されるG20・G7財務大臣・中央銀行総裁会議での議論内容に言及していたが、157円台での円相場を牽制する発言はなかった。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
特になし

<海外>
○14:00 ◎ 6月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比2.7%)
○16:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:50.00%で据え置き)
○23:00 ◎ 7月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲13.4)
○23:00 ◎ 7月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲6)
○23:00 ◎ 6月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲2.8%/年率換算400万件)
○24日02:00 ◎ 米財務省、2年債入札

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

22日13:14 神田財務官
「G7財務相・中銀総裁会議でウクライナ支援とロシア制裁を議論」
「G20では世界経済の見通しと現下の課題を議論」

22日18:06 カジミール・スロバキア中銀総裁
「追加緩和への扉は開かれたまま」
「決定を急ぐ必要はない。データが9月の決定の舞台を整える」
「年末までにさらに2回の利下げがあるという市場の予想は、完全に的外れではないが、確実とも言えない」

22日20:41 マンチン米上院議員(CBSが報じる)
「大統領選候補にはならない」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ドル円0723

パラメータ0723

陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の上で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。
依然として転換線を下回って引けていることで続落の可能性が示唆されている。

本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 159.45(7/12高値)
レジスタンス1 158.57(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 157.04
サポート1 156.31(日足一目均衡表・雲の上限)
サポート2 155.87(日足一目均衡表・雲の下限)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=基準線を支持に押し目買いスタンス>

ユーロドル0723

パラメータ0723

小陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
2手連続陰線の後切込み線で反発して転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は転換線1.0887ドルを念頭に置き、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.0981(3/8高値)
前日終値 1.0891
サポート1 1.0807(日足一目均衡表・基準線)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ポンド円=基準線を抵抗に戻り売りスタンス>

ポンド円0723

パラメータ0723

陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
しかし、2手連続陰線で転換線を下回って引けていることで続落の可能性が示唆されている。

本日は基準線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 204.07(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 203.10
サポート1 201.90(7/22安値)

>ポンド円のリアルタイムチャートはこちら

<NZドル円=7/22高値を抵抗に戻り売りスタンス>

NZドル円0723

パラメータ0723

陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。
2手連続陰線で依然として転換線を下回って引けていることで続落の可能性が示唆されている。

本日は22日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 94.93(7/22高値)
前日終値 93.88
サポート1 93.15(5/9安値)

>NZドル円のリアルタイムチャートはこちら

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