August 16, 2024
【前日の為替概況】ドル円、予想を上回る米7月小売売上高などを受けて149.39円まで上昇
15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。
終値は149.28円と前営業日NY終値(147.33円)と比べて1円95銭程度のドル高水準だった。
7月米小売売上高や前週分の米新規失業保険申請件数など市場の関心が高かった米経済指標が予想より強い内容だったことが伝わると米景気減速への過度な懸念が和らぎ、米長期金利が大幅に上昇。
日米金利差拡大を意識した円売り・ドル買いが優勢となった。
取引終了間際には一時149.39円と2日以来の高値を付けた。
なお、7月米鉱工業生産や8月米NAHB住宅市場指数が予想より弱い内容だったことが分かると、148.78円付近まで伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。
ユーロドルは4営業日ぶりに反落。
終値は1.0972ドルと前営業日NY終値(1.1012ドル)と比べて0.0040ドル程度のユーロ安水準だった。
予想を上回る米小売売上高をきっかけに全般ドル買いが活発化すると一時1.0950ドルまで値を下げた。
ただ、その後発表の米経済指標が予想を下回ると1.0990ドル付近まで下げ渋る場面があった。
なお、ムサレム米セントルイス連銀総裁はこの日開催されたイベントで「インフレと雇用に関するリスクのバランスは変化したようだ。
政策金利の変更時期が近づいているかもしれない」などと話した。
ユーロ円は4日続伸。
終値は163.80円と前営業日NY終値(162.25円)と比べて1円55銭程度のユーロ高水準。
この日発表の米経済指標が景気減速への過度な懸念を払しょくする内容だったことが分かるとダウ平均が一時580ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移。
リスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となり、取引終了間際に一時163.89円と7月31日以来の高値を付けた。
ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1050円高の3万7700円まで上昇した。
【本日の東京為替見通し】ドル円、NY株や米長期金利上昇で上値を探る展開か
本日の東京外国為替市場のドル円は、米国のリセッション(景気後退)への警戒感が後退してNY株式市場や米長期債利回りが上昇していることで、続伸が予想される日経平均株価の動向を眺めながら上値を探る展開が予想される。
ドル円は昨日のNY市場で149.39円まで上昇しており、8月2日の高値149.77円に迫っている。
すなわち、8月2日の低調な米国7月雇用統計を受けた円・キャリートレードの手仕舞いによるドル売り・円買い以前の水準である149円台を回復したことになる。
しかし、米10年債利回りは3.95%台までの上昇に留まり、8月2日の3.97%台に届いていないことで、ドル円の上値を限定的にしている。
一方、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げが開始され、11月FOMCでは昨日時点の0.50%利下げから0.25%の利下げに変わり、12月FOMCでは0.25%の追加利下げが見込まれており、年末のFF金利誘導目標は4.50-75%と想定されている。
ドル円の注目水準は、上昇トレンドの中期支持線(127.23円を起点に140.25円を経由)だった148.97円、下落幅(161.95円~141.70円)の38.2%戻しの149.44円、半値戻しの151.83円、52週移動平均線の150.67円、200日移動平均線の151.40円となる。
日経平均株価が史上最高値42426.77円から8月5日の過去最大の下落幅での安値31156.12円までの半値戻し水準36791.45円を達成していることで、ドル円も同様の半値戻し151.83円を達成する可能性には警戒しておきたい。
ドル円の半値戻し151.83円水準は、7月31日の植田日銀総裁の0.50%以上の追加利上げを示唆したタカ派発言、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明やパウエルFRB議長が9月FOMCでの利下げ開始を示唆したハト派発言の前の水準である。
来週23日に植田日銀総裁は衆議院財務金融委員会で利上げに関する意見聴取が予定されており、パウエルFRB議長はジャクソンホール会合で講演が予定されており、両者の見解が7月31日と同じなのか否かを見極めることになる。
本日は、8時30分からブロック豪準備銀行(RBA)総裁が議会証言を行い、9時30分からオア・ニュージーランド準備銀行(RBNZ)総裁が講演を行うことで、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○13:30 ◇ 6月第三次産業活動指数(予想:前月比0.3%)
<海外>
○07:45 ◎ 4-6月期ニュージーランド(NZ)卸売物価指数(PPI)
○08:30 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、議会証言
○09:30 ◎ オア・ニュージーランド準備銀行(RBNZ)総裁、講演
○15:00 ◎ 7月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.5%/前年比1.4%)
○15:00 ◎ 7月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.8%/前年比1.4%)
○15:30 ◇ 4-6月期スイス鉱工業生産
○17:30 ◎ 4-6月期香港域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.4%/前年比3.3%)
○18:00 ◇ 6月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済135億ユーロの黒字)
○21:15 ◇ 7月カナダ住宅着工件数(予想:24.50万件)
○21:30 ◇ 6月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲2.6%)
○21:30 ◇ 6月対カナダ証券投資
○21:30 ◎ 7月米住宅着工件数(予想:133.0万件、前月比▲1.7%)
◎ 建設許可件数(予想:142.5万件、前月比▲1.5%)
○23:00 ◎ 8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:66.9)
○17日02:25 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
15日07:10 オアNZ準備銀行(中央銀行、RBNZ)総裁
「現在の経済環境は弱い」
「経済は6カ月前の予想よりも弱い」
「金融政策委員会(MPC)では再び金利引き上げについて議論なし」
「インフレはまだ終わっていないが、間違いなく正しい方向に進んでいる」
15日 22:38 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「政策金利の変更時期が近づいている可能性」
「金融政策は中程度に引き締め的」
「労働市場はもはや過熱していない」
「最近のデータによりインフレに対する自信が強まった」
「下期のGDP成長率は1.5-2.0%と予測」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=5日移動平均線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
しかし、2手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は5日移動平均線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 150.58(日足一目均衡表・基準線)
レジスタンス1 149.77(8/2高値)
前日終値 149.28
サポート1 147.99(5日移動平均線)
サポート2 146.51(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロドル=基準線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
3手連続陽線の後に抱き線で反落したものの依然として転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。
本日は転換線1.0965ドルを念頭に置き、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.1047(8/14高値)
前日終値 1.0972
サポート1 1.0913(日足一目均衡表・基準線)
<ポンド円=8/1安値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
しかし、4手連続陽線で依然として転換線を上回って引けているため続伸の可能性が示唆されている。
本日は1日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 193.23(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 191.91
サポート1 190.19(8/1安値)
<NZドル円=8/14安値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
しかし、抱き線で切り返して転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は8月14日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 90.16(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 89.34
サポート1 88.01(8/14安値)
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