本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、底堅い展開だが米8月雇用統計への警戒感から上値は限定的(2024年9月3日)

マーケットレポート
September 3, 2024

【前日の為替概況】ドル円、NY市場がレーバーデーで休場の中147.17円まで続伸

2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4日続伸。
終値は146.92円と前営業日NY終値(146.17円)と比べて75銭程度のドル高水準だった。
ナイト・セッションの日経平均先物の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが優勢となった。
147.00円の売りオーダーをこなすと目先のストップロスを巻き込んで、22時30分前に一時147.17円まで値を上げた。

ただ、米国市場がレーバーデーで休場のため、積極的に上値を試す展開とはならなかった。
欧州引け後は147.00円を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。

ユーロドルは4営業日ぶりに反発。
終値は1.1072ドルと前営業日NY終値(1.1048ドル)と比べて0.0024ドル程度のユーロ高水準だった。
欧州時間に仏・独・ユーロ圏の8月製造業PMI改定値が予想を上回ったことを受けて、一時1.1077ドルまで上昇した影響が残った。

ただ、NYの取引時間帯に入ると徐々に値動きが細り、狭いレンジでのもみ合いに終始した。
米国市場がレーバーデーで休場のため、市場参加者が激減し商いは低調だった。

ユーロ円は続伸。
終値は162.66円と前営業日NY終値(161.49円)と比べて1円17銭程度のユーロ高水準。
欧州経済指標の上振れをきっかけに全般ユーロ買いが先行。
ドル円や日経平均先物の上昇に伴う円売り・ユーロ買いも出ると22時30分前に一時162.89円と日通し高値を更新した。
そのあとは162円台半ばで値動きが鈍った。

【本日の東京為替見通し】ドル円、底堅い展開だが米8月雇用統計への警戒感から上値は限定的

本日の東京外国為替市場のドル円は、海外市場での堅調地合いを受けて底堅い展開が予想されるものの、今週末6日に米8月雇用統計の発表を控えていることで、上値は限定的だと思われる。

ドル円は、4手連続陽線で147円台まで買い戻されており、過去9日間の中心値である日足一目均衡表・転換線(145.31円)と過去26日間の中心値である日足一目均衡表・基準線(148.46円)の間で堅調に推移している。

上値の重要なテクニカルポイントは、基準線の148.46円や161.95円から141.70円までの下落幅のフィボナッチ・リトレースメント38.2%戻しである149.44円(※8/15高値149.39円)となっている。

本日は、米8月雇用統計への警戒感から上値は限定的だと予想される。

米8月の雇用統計の予想は、失業率が4.2%で7月の4.3%から低下、非農業部門雇用者数は前月比+16.5万人で7月の同比+11.4万人からの増加が見込まれている。

8月21日に発表された年次ベンチマーク改定の速報値では、2023年4月から2024年3月までの1年間の雇用者増は81万8000人下方修正されることが示された。
改定前の雇用者数は1年間に290万人増(月平均で24万2000人増)だったが、今回の改定を受けて、1カ月当たり約17万4000人増のペースとなった。

2024年4月から7月までの月平均は前月比+15.4万人となり、3月までの平均である+17.4万人や8月の予想の+16.5万人と整合的となっている。

8月の非農業部門雇用者数が予想を上回る数字であっても、WSJ紙がNFPは過大評価の可能性と指摘していることや今回の下方修正(▲81.8万人)を受けて、ドル買いの反応は限定的だと思われ、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅が0.50%ではなく0.25%になる可能性を高めるだけだと思われる。

米国の雇用統計では、家計調査に基づく失業率よりも、事業所調査に基づく非農業部門雇用者数が重視される傾向にあったが、今後は、4%台で推移している失業率が労働市場の実態を反映する数字として重視されるのかもしれないことで、8月失業率が上昇していた場合は、9月FOMCでの利下げ幅は0.50%になる可能性が高まることになる。

NFPは、「起業・廃業モデル」が過大評価している可能性が指摘されていること、賃金をベースにカウントしていることで複数の職を持つ者が数字を押し上げている可能性があることが指摘されている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 8月マネタリーベース

<海外>
○08:01 ◇ 8月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○10:30 ◇ 4-6月期豪経常収支(予想:59億豪ドルの赤字)
○15:30 ◎ 8月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%)
○16:00 ◎ 4-6月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比0.5%/前年比1.4%)
○16:00 ◎ 8月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比2.29%/前年比51.86%)
○18:30 ◎ 4-6月期南アフリカGDP(予想:前期比0.5%/前年同期比0.4%)
○21:00 ☆ 4-6月期ブラジルGDP(予想:前期比0.9%/前年同期比2.7%)
○21:00 ◇ 7月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.90%)
○21:45 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:45 ◎ 8月米製造業PMI改定値(予想:48.1)
○23:00 ☆ 8月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:47.5)
○23:00 ◇ 7月米建設支出(予想:前月比▲0.1%)
○4日01:45 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

2日の金融市場では、要人の発言は特になかった。

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=9/2安値を支持に押し目買いスタンス>

ドル円0903

パラメーター

陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
しかし、4手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は2日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 149.39(8/15高値)
レジスタンス1 148.46(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 146.92
サポート1 145.78(9/2安値)
サポート2 145.31(日足一目均衡表・転換線)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロドル0903

パラメーター

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
しかし、3手連続陰線の後、孕み線で切り返したものの、依然として転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。

本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.1122(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1072
サポート1 1.0990(日足一目均衡表・基準線)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>

ユーロ円0903

パラメーター

陽線引け。
転換線は基準線を上回っているものの、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、売りシグナルが優勢な展開となっている。
しかし、2手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。

本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 164.05(200日移動平均線)
前日終値 162.66
サポート1 161.47(日足一目均衡表・転換線)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>

豪ドル円

パラメーター

陽線引け。
転換線は基準線を上回っているものの、遅行スパンは実線を上回り、雲の下で引けていることで、売りシグナルが優勢な展開となっている。
しかし、4手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 100.15(7/31高値)
前日終値 99.77
サポート1 98.57 (日足一目均衡表・転換線)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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