September 11, 2024
【前日の為替概況】ドル円142.20円まで下落、米10年債利回りが3.63%台まで低下
10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。
終値は142.44円と前営業日NY終値(143.18円)と比べて74銭程度のドル安水準だった。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時3.6348%前後と昨年6月以来約1年3カ月ぶりの低水準を記録すると円買い・ドル売りが先行。
米国株相場の失速や日経平均先物の下落を背景にリスク・オフの円買いも入ると、1時過ぎに一時142.20円まで値を下げた。
なお、小高く始まったダウ平均は失速し一時410ドル超下落した。
また、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比540円安の3万5610円まで値を下げた。
ユーロドルは小幅ながら3日続落。
終値は1.1020ドルと前営業日NY終値(1.1035ドル)と比べて0.0015ドル程度のユーロ安水準だった。
欧州株相場の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが先行すると、24時前に一時1.1015ドルと日通し安値を更新した。
ただ、今日1日の値幅は0.0035ドル程度と小さかった。
本日は米経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたことから、大きな方向感は出なかった。
12日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果を見極めたいとの雰囲気もあった。
ユーロ円は反落。
終値は156.97円と前営業日NY終値(157.99円)と比べて1円02銭程度のユーロ安水準。
欧州市場序盤に一時158.64円と本日高値を付けたものの、前日の高値158.73円がレジスタンスとして働くと失速。
1時過ぎには156.80円と本日安値を更新した。
ドル円の下落につれた売りが出た。
カナダドルは対ドルで1.3615カナダドル、対円で104.49円まで下落した。
WTI原油先物価格が一時5%超急落し、1年4カ月ぶりの安値を更新すると、産油国通貨とされるカナダドルに売りが出た。
同じく産油国通貨であるメキシコペソも軟調に推移し、対ドルで20.1343ペソ、対円で7.08円まで値を下げた。
【本日の東京為替見通し】ドル円、米8月CPI警戒で軟調推移か 米大統領候補の討論会に注目
本日の東京外国為替市場は、まずは10時からのハリス米副大統領とトランプ前米大統領によるテレビ討論会(90分間の予定)を見極めたい。
その後ドル円は、米長期債利回りの低下や今夜発表の伸び率鈍化が予想されている米8月消費者物価指数(CPI)への警戒感から軟調な展開が予想される。
ドル円が141円台で下げ渋っている要因としては、米国次期政権の拡張的な財政政策、すなわち金利上昇への警戒感があると思われる。
本日の討論会で両者の優劣が判明した後でも、141円台ではドル円の下押し幅は限定的かもしれない。
本日の最重要イベントは今夜発表される米8月CPIであり、7月の前年比+2.9%から+2.6%への伸び率鈍化が見込まれている。
予想通りならば、タカ派のウォラーFRB理事が、先週末「経済指標で一段と大きな幅での利下げの必要性が示されれば支持する」と述べていたことで、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の利下げの可能性が高まるため、ドル円は上値が重い展開が予想される。
10時からの討論会では、両者の政策論争ではなく、どちらが次期大統領として相応しいのかを問われることになると思われる。
ハリス候補は、「Weird」という言葉を連発して、トランプ候補を逆上させて失言を誘う計画、トランプ候補は、ハリス候補の発言を遮ることなく話をさせて議論下手を明らかにする計画ではないか、と報じられている。
トランプ候補は、トランプ減税の恒久化と法人税率の引き下げを掲げていることで、歳出拡大や歳入減が見込まれている。
さらに、中国からの輸入品に60%超の関税を課すと言及しており、関税は輸入物価の上昇を通じてインフレを加速させ、最終的に米経済の7割を占める個人消費に悪影響を及ぼす可能性がある。
ウクライナ戦争は即時停戦、イスラエルには全面支援を標榜している。
ハリス候補は、中間層への減税や法人税率の引き上げ(21%⇒28%)、住宅や食品の価格抑制、税制を使った生活支援による高インフレへの対抗策を掲げていることで、財政出動と米連邦準備制度理事会(FRB)は金融引き締めを余儀なくされることになる。
ウクライナへの支援継続、イスラエルの自衛権とパレスチナの国家建設を標榜している。
ほか、本日9時20分のハンター豪準備銀行(RBA)総裁補の講演では、9月23-24日の豪準備銀行(RBA)理事会での金融政策への言及に注目することになる。
また、10時30分からの中川日銀審議委員のあいさつでは、年内の日銀金融政策決定会合での追加利上げへの言及がポイントとなる。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○10:30 ◎ 中川順子日銀審議委員、あいさつ
<海外>
○09:20 ◎ ハンター豪準備銀行(RBA)総裁補、講演
○10:00 ☆ ハリス米副大統領とトランプ前大統領によるテレビ討論会
○15:00 ☆ 7月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○15:00 ◇ 7月英鉱工業生産(予想:前月比0.3%/前年比▲0.2%)
○15:00 ◇ 7月英製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○15:00 ◇ 7月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:181.00億ポンドの赤字/51.00億ポンドの赤字)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◇ 7月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比▲0.2%)
○21:30 ☆ 8月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比2.6%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比3.2%)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○12日01:00 ◎ 8月ロシアCPI(予想:前月比0.2%)
○12日02:00 ◎ 米財務省、10年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
10日21:14 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「貿易の混乱はインフレの変動性を高める可能性」
「グローバル貿易は減速しており大きな懸念事項」
「インフレの上振れリスクと経済成長の下振れリスクのバランスを取る必要」
「若者の失業率は大幅に上昇している」
「移民率は非常に高い」
「失業率が上昇すれば、それは懸念事項となる」
「さらなる利下げを予想するのは妥当」
「中立金利に近づくにつれ、成長が加速することを期待」
「上振れサプライズとなれば、正常化のペースが鈍化する可能性」
「下振れリスクが実現すれば、より大きな措置を講じるのが適切となる可能性」
10日23:02 バー米連邦準備理事会(FRB)副議長
「FRBは銀行資本要件案を有意に変更」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=9/9高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
孕み線で反落して依然として転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は9日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 144.50(日足一目均衡表・転換線)
レジスタンス1 143.80(9/9高値)
前日終値 142.44
サポート1 141.70(8/5安値)
サポート2 140.25(2023/12/28安値)
<ユーロドル=転換線から9/9高値を抵抗帯に戻り売り>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
しかし、3手連続陰線で転換線を下回って引けているため続落の可能性が示唆されている。
本日は基準線1.1042ドルを念頭に置き、1.1085ドルの転換線から9日高値1.1091ドルを抵抗帯に戻り売りスタンスで臨みたい。
レジスタンス1 1.1091(9/9高値)
前日終値 1.1020
サポート1 1.0950(8/15安値)
<ユーロ円=9/10高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けて三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
抱き線で反落して、依然として転換線を大きく下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。
本日は10日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 158.64(9/10高値)
前日終値 156.97
サポート1 154.42(8/5安値)
<豪ドル円=9/10高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の下で引けているものの、買いシグナルが優勢な展開。
しかし、抱き線で反落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は10日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 95.71(9/10高値)
前日終値 94.76
サポート1 93.42(8/6安値)
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