本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、本日からのFOMCでの0.50%利下げ警戒で上値が重い展開か(2024年9月17日)

マーケットレポート

September 17, 2024

【前日の為替概況】ドル円はアジア市場の安値139.58円から140.91円付近まで反発

16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は5日続落。
終値は140.62円と前営業日NY終値(140.85円)と比べて23銭程度のドル安水準だった。
米連邦準備理事会(FRB)が17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利下げに踏み切るとの観測を背景に、日本時間夕刻には一時139.58円と昨年7月28日以来約1年2カ月ぶりの安値を付けた。

ただ、欧米市場では買い戻しが優勢に。
9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回り、米景気の底堅さが示されるとドルを買い戻す動きが活発化。
1時前には140.91円付近まで値を上げた。
もっとも、アジア時間に付けた日通し高値140.93円が目先戻りの目処として意識されると買い戻しは一服した。
米10年債利回りが再び低下に転じたことも相場の重し。

なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、FOMCで0.25%の利下げを予想する確率は前週末の50%から33%に低下した一方、0.50%の利下げを予想する確率は50%から67%に上昇した。

ユーロドルは上昇。
終値は1.1133ドルと前営業日NY終値(1.1075ドル)と比べて0.0058ドル程度のユーロ高水準だった。
米大幅利下げ観測を背景にユーロ買い・ドル売りが先行し、22時30分過ぎに一時1.1138ドルと日通し高値を付けた。
ただ、6日の高値1.1155ドルが目先レジスタンスとして意識されると上昇は一服し、1.11ドル台前半でのもみ合いに転じた。
米経済指標の上振れも相場の上値を抑えた。

ユーロ円は反発。
終値は156.54円と前営業日NY終値(156.00円)と比べて54銭程度のユーロ高水準。
日本時間夕刻に一時155.15円と8月5日以来の安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、156.67円と日通し高値を更新した。
ドル円の下げ渋りやユーロドルの上昇につれた買いが入った。
なお、市場では「8月5日の安値154.42円が重要なサポートとして意識される」との指摘があった。

【本日の東京為替見通し】ドル円、本日からのFOMCでの0.50%利下げ警戒で上値が重い展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、本日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の利下げ確率の上昇や19-20日の日銀金融政策決定会合への警戒感などから上値が重い展開が予想される。

ドル円は、FOMCでの0.50%の利下げ確率が高まったことで、一時昨年7月以来の円高水準である139.58円まで下落しており、中期的な上昇トレンドの起点だった127.23円(2023/1/16)までの全値押しの可能性が高まりつつある。
しかし、昨日の値動きは、日本や中国が休日での閑散取引の中での「往って来い」となっており、FOMCでの利下げ幅や日銀金融政策決定会合での金融政策を見極める展開となる。

ドル円のテクニカル分析では、7月に付けた1986年12月以来の高値161.95円を頭とするヘッド・アンド・ショルダーが完成しつつあり、ネック・ライン140.25円付近を明確に下抜けた場合は、127.23円までの下落の可能性が高まることになる。
しかし、昨日の終値はネック・ラインの上だったことで、現状では未完成となっている。

パウエルFRB議長が先月のジャクソンホール会合で「利下げの時が来た」と表明し、当局者は今週の会合での利下げについては明確なシグナルを発信してきている。
先週までは、0.25%の利下げ幅が織り込まれつつあったが、パウエルFRB議長のスポークスマン的な存在であるウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が0.50%の利下げの可能性を示唆したことで、警戒感が高まりつつある。
また、英紙フィナンシャルタイムズも、0.50%の利下げが実施される選択肢はなお残っていると報じ、ダドリー前米NY連銀総裁も0.50%の利下げを実施する強い論拠があるとの認識を示した。
昨日は、前FRB副議長のブレイナード米国家経済会議(NEC)委員長が、米国のインフレ情勢は「重要な転換点」を迎えたとし、今は労働市場の進展の維持に注力する必要があるとの考えを示した。

さらに、米民主党の上院議員3人が、パウエルFRB議長ら金融当局者に対して、FOMCでの0.75%の金利引き下げを要請している。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、本日からのFOMCでの0.25%の利下げを予想する確率は33%まで低下し、0.50%の利下げを予想する確率は67%まで上昇している。
また、FOMCの政策決定に連動したスワップ取引は現在、0.50%利下げを50%超の確率で織り込んでいる。
一方で、米資産運用会社ブラックロックやゴールドマン・サックスなどは、0.25%の利下げを予想しており、予断を許さない状況が続いている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○13:30 ◇ 7月第三次産業活動指数(予想:前月比0.9%)

<海外>
○16:00 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○17:00 ◇ 7-9月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数
○18:00 ◎ 9月独ZEW景況感指数(予想:17.0)
○18:00 ◎ 9月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:15 ◇ 8月カナダ住宅着工件数(予想:25.25万件)
○21:30 ◎ 8月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい/前年比2.1%)
○21:30 ☆ 8月米小売売上高(予想:前月比▲0.2%/自動車を除く前月比0.2%)
○22:15 ◎ 8月米鉱工業生産(予想:前月比0.2%)
     ◇    設備稼働率(予想:77.9%)
○23:00 ◎ 9月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:40)
○23:00 ◇ 7月米企業在庫(予想:前月比0.3%)
○23:00 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、あいさつ
○18日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○韓国(秋夕)、中国(中秋節)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

16日07:13 NZ準備銀行(RBNZ)
「金融政策のサプライズは比較的まれ」

16日11:58 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)の利下げ継続は可能。
インフレにはなお留意が必要」

16日14:48 ナーゲル独連銀総裁(14日の発言)
「欧州中央銀行(ECB)は、物価目標が達成できる公算大でも警戒の維持が必要」

16日18:39 カジミール・スロバキア中銀総裁
「毎回の会合で利下げを決定する道筋にない」

16日21:10 レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト
「緩和には漸進的なアプローチが適切」
「データに基づき会合ごとに行動する」

17日02:45 ブレイナード米国家経済会議(NEC)委員長
「今は米労働市場の進展を守ることが重要」
「米国経済はインフレとの戦いにおいて重要な転換点を迎えた」
「インフレは通常レベル近くまで低下しつつある」

17日02:59 カザークス・ラトビア中銀総裁
「政策金利は引き続き引き下げられるだろう」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=下落中の転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ドル円0917

パラメーター

下影小陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
5手連続陰線で昨年7月以来の安値139.58円を付けた後140円台に戻したものの、依然として転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。

本日は下落中の転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 143.04(9/12高値)
レジスタンス1 141.91(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 140.62
サポート1 139.58(9/16安値)
サポート2 138.07(2023/7/28安値)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンス>

ユーロドル0917

パラメーター

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
3手連続陽線で8月28日以来となる転換線の上での引けとなっており続伸の可能性が示唆されている。

本日は横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.1202(8/26高値)
前日終値 1.1133
サポート1 1.1079(日足一目均衡表・転換線)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=下落中の転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロ円0917

パラメーター

陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
孕み線で反発したものの依然として転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。

本日は下落中の転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 157.47(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 156.54
サポート1 155.15(9/16安値)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=下落中の転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

豪ドル円0917

パラメーター

陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
孕み線で反発したものの、依然として転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。

本日は下落中の転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 95.32(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 94.94
サポート1 93.87(9/16安値)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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