February 25, 2025
【前日の為替概況】ドル円149.87円まで反発、トランプ関税への警戒感
24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反発。
終値は149.72円と前営業日NY終値(149.27円)と比べて45銭程度のドル高水準だった。
日本が天皇誕生日の振替休日で休場となる中、アジア市場では一時148.85円と昨年12月3日以来の安値を付けた。
ただ、同日の安値148.65円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。
23日投開票の独総選挙が「事前の世論調査に沿った結果だった」として、独DAXが高く始まり、時間外のダウ先物が大幅に上昇すると円売り・ドル買いが強まり、23時前に一時149.87円と日通し高値を更新した。
高く始まった現物の米国株相場が下げに転じると一時149.19円付近まで下押ししたものの、引けにかけては再び強含んだ。
対カナダドルなどで米ドル高が進んだ影響も受けて、149.80円付近まで持ち直した。
なお、米ドルカナダドルは一時1.4268カナダドルまで上昇した。
トランプ米大統領がカナダとメキシコからの輸入品に課す25%の関税について「予定通り進められている」と述べ、3月4日から関税を課す考えを示したことから米ドル買い・カナダドル売りが入ったもよう。
ユーロドルは小反発。
終値は1.0468ドルと前営業日NY終値(1.0458ドル)と比べて0.0010ドル程度のユーロ高水準だった。
独総選挙の結果を受けてアジア市場では一時1.0528ドルと1月27日以来の高値を付けたものの、海外市場では上値の重さが目立った。
独DAXや米国株が失速したタイミングでリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出て、24時前に一時1.0453ドルと日通し安値を付けた。
もっとも、前週末の安値1.0449ドルが目先サポートとして働くとやや下値を切り上げた。
ユーロ円は4日ぶりに反発。
終値は156.72円と前営業日NY終値(156.15円)と比べて57銭程度のユーロ高水準。
米国株の失速を受けてリスク回避の円買い・ユーロ売りが入るとアジア時間の安値156.13円を下抜けて一時156.09円まで値を下げた。
ただ、前週末の安値155.82円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。
4時30分過ぎには156.99円付近まで持ち直した。
【本日の東京為替見通し】ドル円、1月企業向けサービス価格指数に要注目か
本日の東京外国為替市場のドル円は、1月企業向けサービス価格指数を見極めた後は、日米の債券利回りや株価指数の動向を眺めながらの相場展開が予想される。
ドルはトランプ関税への警戒感から底堅い展開となっているが、米10年債利回りが4.5%を下回っていることで、上値は限定的となっている。
8時50分に発表される1月企業向けサービス価格指数は前年比+3.1%と予想されており、12月の同比+2.9%からの伸び率の上昇が見込まれている。
企業向けサービス価格指数はモノの価格動向を示す企業物価指数とともに、川下の消費者物価指数というモノやサービスの価格に幅広く波及する可能性がある。
そのため、日銀は、企業が人件費の上昇分を価格に反映する「賃金と物価の好循環」を示す指標として注視している。
予想通りならば、1月の輸入物価指数、コアCPI(生鮮食品を除く)に続いて、日本の物価上昇が確認されるため、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示唆するように、5月の日銀金融政策決定会合での0.75%への追加利上げ観測が高まることになる。
また本日は、14時頃に日銀が発表する1月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」にも注目しておきたい。
植田日銀総裁は、2月21日に「総合指数は4%に乗せたが、基調的な物価上昇率はまだ2%を少し下回っている。基調的な物価の上昇が続くことになれば、引き続き金融緩和度合いの調整を続けていきたい」と述べていた。
2月6日には、田村日銀審議委員が「2025年度後半には、少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが、物価上振れリスクを抑え、物価目標達成のうえで必要」と述べていた。
そして、2月19日には、高田日銀審議委員が「物価の上振れや金融が過熱するリスクを踏まえ、ギアシフトを段階的に行っていく視点も重要だ」と述べていた。
一方で、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)に前倒しされており、10月FOMCでも追加利下げ(-0.25%=3.75-4.00%)が見込まれている。
今週末発表される米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの1月分は、前年比+2.5%と予想されており、12月の同比+2.6%からの伸び率鈍化が見込まれている。
コアPCEデフレーターの予想は同比+2.6%で、12月の同比+2.8%からの鈍化が見込まれている。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 1月企業向けサービス価格指数(予想:前年比3.1%)
<海外>
○08:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、メディア出演
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:2.75%に引き下げ)
○16:00 ☆ 10-12月期独GDP改定値(季節調整済、予想:前期比▲0.2%/前年同期比▲0.2%)
○16:00 ☆ 10-12月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比▲0.4%)
○18:20 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○22:00 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○23:00 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○23:00 ◇ 12月米住宅価格指数
◇ 10-12月期米住宅価格指数(予想:前期比0.3%)
○23:00 ◎ 12月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.4%)
○24:00 ◎ 2月米消費者信頼感指数(予想:102.5)
○24:00 ◎ 2月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲2)
○26日01:45 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○26日03:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○26日03:00 ◎ 米財務省、5年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
24日08:35 ビルロワドガロー仏中銀総裁(2/22付け仏経済誌インタビュー)
「ECB預金金利、夏までに2%へ引き下げる可能性」
24日09:09 ゼレンスキー・ウクライナ大統領(23日)
「平和が実現するなら大統領を辞任する用意がある」
「北大西洋条約機構(NATO)加盟と引き換えに辞任する用意もある」
24日10:04 ベッセント米財務長官
「ウクライナの重要鉱物資源への米国のアクセスは、今週中に合意する見通し」
24日10:29 リャプコフ露外務次官
「今週末にも米国との関係改善について両国の当局者が再協議する予定」
24日14:07 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「インフレ見通しには楽観的」
「インフレ目標2%の達成は簡単なことではない」
24日21:41 メルツ独キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)党首
「ドイツ社会民主党(SPD)と連立を組みたい 」
24日22:15 カラス欧州連合(EU)外相
「米政権の声明は私たち全員を心配させている」
「26-27日に米政権と会談予定」
「3月6日の特別サミットで決定を促す」
25日01:04 米国務省高官
「国連安全保障理事会における米国のウクライナ決議案に対するいかなる修正案も拒否権を行使」
25日02:51 トランプ米大統領
「プーチン露大統領との会談は間もなく行われるだろう」
「ゼレンスキー・ウクライナ大統領が今週または来週、鉱物資源の権益協定に署名するため訪米する可能性」
「ロシアと経済発展協定を結ぶつもりだ」
「落ち着いたらモスクワを訪れるつもりだ」
25日05:01
「ウクライナとの鉱物資源取引に向けて大きな進展があった」
「欧州は安全保障において中心的な役割を果たすべき」
「マクロン仏大統領との会談は戦争終結に向けてのさらなる一歩となった」
「カナダとメキシコへの関税は予定通り進んでいる」
「関税は予定通り、スケジュール通りに進められる」
25日03:54 ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「英国の消費は欧州の中で異常に弱い」
「すでに金融引き締めの水準は高く、中期的なインフレ圧力は緩和している」
「英国の経済の弱さの多くは需要の弱さによるもの」
「緩やかな金利引き下げのペースの定義が委員によって異なる」
「四半期ごとに0.25%引き下げることは緩やかなペースではない」
25日05:12 マクロン仏大統領
「我々は協議において実質的な進展を遂げた」
「米国とEUの間で公正な競争を望む」
「トランプ大統領と交渉の異なる段階について詳細に話し合い、ウクライナ領内への平和維持部隊の展開について議論」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=2/21高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。
一目均衡表・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
3手連続陰線の後、切り返し線で反発したものの、依然として転換線を下回っていることで、反落の可能性が示唆されている。
本日は、21日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨みたい。
レジスタンス1 150.74(2/21高値)
前日終値 149.72
サポート1 148.85(2/24安値)
サポート2 148.30(2024/10/10安値)
<ユーロドル=2/13安値を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。
一目均衡表・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の中で引けているものの、買いシグナルが優勢な展開となっている。
2手連続陰線でも転換線を上回って引けていることで反発の可能性が示唆されている。
本日は13日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨みたい。
レジスタンス1 1.0533(1/27高値)
前日終値 1.0468
サポート1 1.0373(2/13安値)
<ユーロ円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。
一目均衡表・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
7手連続陰線の後、孕み線で反発したものの、依然として転換線を下回って引けていることで、反落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨みたい。
レジスタンス1 158.51(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 156.72
サポート1 155.82(2/21安値)
<豪ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
小陽線引け。
一目均衡表・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
3手連続陰線の後、孕み線で反発したものの、依然として転換線を下回って引けていることで、反落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨みたい。
レジスタンス1 95.96(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 95.06
サポート1 94.32(2/10安値)
Provided by
DZH Finacial Research
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