February 26, 2025
【前日の為替概況】米10年債利回り4.28%台でドル安 対円148.57円、対ユーロ1.0519ドル
25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。
終値は149.03円と前営業日NY終値(149.72円)と比べて69銭程度のドル安水準だった。
米景気減速への懸念が台頭する中、米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが先行。
2月米消費者信頼感指数が98.3と予想の102.5を下回ったことが分かると全般ドル売りが活発化した。
サポートとして意識されていた昨年12月3日の安値148.65円を下抜けると一時148.57円と昨年10月11日以来約4カ月半ぶりの安値を更新した。
なお、ベッセント米財務長官はこの日、米経済について「実態は経済指標で示されているよりもぜい弱な可能性がある」と話し、「政府支出と規制の削減を通じ成長の再民営化を目指す」と表明した。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。
急ピッチで下落した反動が出たほか、市場では「月末が近づく中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された」との指摘があり、149.26円付近まで下げ幅を縮めた。
ユーロドルは続伸。
終値は1.0514ドルと前営業日NY終値(1.0468ドル)と比べて0.0046ドル程度のユーロ高水準だった。
低調な米経済指標を受けて米景気の先行き懸念が広がると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.2811%前後と昨年12月以来の低水準を記録。
全般ドル売りが優勢となり、一時1.0519ドルと日通し高値を更新した。
前日の高値1.0528ドルが目先レジスタンスとして意識されたほか、ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると1.0484ドル付近まで伸び悩む場面もあったが下押しは限定的だった。
引けにかけては1.0519ドル付近まで再び強含んだ。
ユーロ円は小反落。
終値は156.69円と前営業日NY終値(156.72円)と比べて3銭程度のユーロ安水準。
22時30分過ぎに一時157.31円と本日高値を付けたものの、1時30分過ぎには156.17円付近まで下押しした。
もっとも、引けにかけては156.93円付近まで持ち直す場面があった。
ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
【本日の東京為替見通し】ドル円は米国債利回り低下で続落懸念、豪ドルはインフレ率に要注目
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りの低下を受けて下値を探る展開が予想される。
米10年債利回りが4.2%台まで低下した背景として以下の要因が挙げられる。
・景況感悪化を示す米経済指標を受けて、「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)に前倒しされており、9月FOMCでも追加利下げ(-0.25%=3.75-4.00%)が見込まれている。
・28日に発表されるFRBがインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの1月分は、前年比+2.5%と予想されており、12月の同比+2.6%からの伸び率鈍化が見込まれている。
・1月28-29日のFOMC議事要旨で、政府債務の上限引き上げを巡る問題が解決するまでバランスシート圧縮(※米国債の売り)を一時停止または減速させる可能性が議論された。
・ベッセント米財務長官が長期債の割合を増やす措置は「まだ先のことだ」と述べ、「トランプ大統領の政策によって10年国債利回りは低下するとみている」と述べたこと。
一方で、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示唆する日銀の0.75%への追加利上げ時期は、5月の日銀金融政策決定会合となっている。
1月の日本の物価指数(※前年比)は、以下の通りインフレ目標2%を超えている。
・総合消費者物価指数(CPI):+4.0%
・コアCPI(生鮮食品を除く):+3.2%
・企業向けサービス価格指数:+3.1%
・企業物価指数:+4.2%
・輸入物価指数:+2.3%
9時30分に発表される1月豪消費者物価指数(CPI)は前年比+2.5%と予想されており、昨年12月の同比+2.5%と変わらずと見込まれている。
もし、予想を上回っていた場合、先日の豪準備銀行(RBA)理事会での追加利下げに慎重なスタンスを裏付けることになり、豪ドル/ドル買いが予想される。
声明文は「政策決定では、インフレの好ましい進展が認識されたが、委員会はさらなる政策緩和の見通しについて慎重な姿勢を維持している」とタカ派的であり、ブロックRBA総裁も「インフレに対する勝利宣言は時期尚早であり、追加利下げにはインフレ抑制においてさらなる進展が必要」とタカ派だった。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○14:00 ◇ 12月景気動向指数改定値
<海外>
○09:30 ◎ 1月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年比2.5%)
○16:00 ◇ 3月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲21.4)
○16:45 ◇ 2月仏消費者信頼感指数(予想:93)
○17:00 ◎ 1月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比3.3%)
○未定 ◎ 10-12月期香港域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比なし/前年比2.4%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○24:00 ☆ 1月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲2.6%/68.0万件)
○27日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○27日01:30 ◎ ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○27日02:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○27日03:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(南アフリカ・ケープタウン、27日まで)
○インド(ヒンドゥー教祭日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
25日05:12 マクロン仏大統領
「我々は協議において実質的な進展を遂げた」
「米国とEUの間で公正な競争を望む」
「トランプ大統領と交渉の異なる段階について詳細に話し合い、ウクライナ領内への平和維持部隊の展開について議論」
「ウクライナでの停戦は実現可能。ウクライナの停戦は今後数週間で起きる可能性がある」
25日05:24 トランプ米大統領
「カナダとメキシコへの関税は予定通り進んでいる」
「関税は予定通り、スケジュール通りに進められる」
25日08:57 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「様子見の姿勢を依然として支持」
「トランプ関税による物価上昇について検討する必要がある」
25日15:41 クガニャゴSARB(南ア準備銀行)総裁
「南アのインフレは中期ターゲットのレンジまで上昇している」
「関税引き上げがインフレリスクを高める」
「地政学リスクが不確実性を増加させている」
「インフレの目標に近づけることに成功」
25日20:18 ナーゲル独連銀総裁
「貿易関税で誰もが損をする」
「中立領域に近づいている」
「中立金利を下回る金利は今のところ議論されていない」
25日22:35 シュナーベルECB専務理事
「現在の金融環境が消費や投資を大きく抑制しているとは考えにくくなってきている」
「インフレのプロセスの性質が持続的に変化した可能性が高い」
「ユーロ圏の自然利子率は過去2年間で顕著に上昇している」
25日23:04 メルツ独キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)党首
「連立協議をイースターまでに完了できると楽観視」
「社会民主党(SPD)との連立協議がすでに進行中」
26日00:05 ベッセント米財務長官
「民間セクターは景気後退に入っている」
「10年国債利回りに特に注目している。トランプ大統領の政策によって低下するとみている」
「関税は重要な収入源であり、他の経済の不均衡を管理するのに役立つ」
「中国は経済的不均衡を引き続き拡大する可能性が高い」
「中国は本当にもっと消費を増やす必要がある」
26日01:48 バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)
「金融政策は金融安定性と密接に結びついている」
「今こそ金融安定性へのリスクを検討すべき時」
26日02:23 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「利下げ停止について議論するのは時期尚早」
26日02:25 スターマー英首相
「イギリスはGDPの2.5%を防衛費に支出する予定」
「防衛費の増額はイギリスの産業基盤を再構築する機会」
「経済および財政状況次第で、イギリスはGDPの3%を防衛費に充てることを目指す」
「国家安全保障へのアプローチを変更する必要がある」
26日02:26 エブラルド・メキシコ経済相
「メキシコと米国は次回の会合の日程を近々決定する予定」
26日02:58 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「経済は良好な状態」
「今後の政策変更が経済に与える影響については、様子を見る姿勢」
「不確実性があるため、インフレ抑制の最終段階では慎重な対応が求められる」
「インフレが目標に戻るという確信が得られるまで、金融政策は緩やかな引き締め状態を維持すべき」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=2/25高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
一目均衡表・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
抱き線で反落して転換線を下回って引けていることで、続落の可能性が示唆されている。
本日は、25日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨みたい。
レジスタンス1 150.30(2/25高値)
前日終値 149.03
サポート1 148.01(2024/10/9安値)
サポート2 147.35(2024/10/8安値)
<ユーロドル=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
一目均衡表・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
2手連続陰線の後、抱き線で切り返して転換線を上回って引けていることで続伸の可能性が示唆されている。
本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨みたい。
レジスタンス1 1.0630(2024/12/6高値)
前日終値 1.0514
サポート1 1.0465(日足一目均衡表・転換線)
<ポンド円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
一目均衡表・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
孕み線で反落して転換線を下回って引けていることで、続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨みたい。
レジスタンス1 190.33(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 188.77
サポート1 187.26(2/11安値)
<NZドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
一目均衡表・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
抱き線で反落して転換線を下回って引けていることで、続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨みたい。
レジスタンス1 86.17(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 85.32
サポート1 84.33(ピポット・サポート2)
Provided by
DZH Finacial Research
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