基準価額とは|投資信託における意味・見方・活用ポイントをわかりやすく解説
基準価額とは、投資信託の1万口あたりの価格(または1口あたりの価格)を指します。
この価格は、投資信託を購入・売却(換金)する際の1つの目安となります。
本記事では、基準価額の意味や計算方法、見方について初心者向けにわかりやすく解説します。
※OANDA証券では投資信託取引をサービスとして提供していません。本記事は投資信託取引に関する一般的な知識を提供することを目的としています。
目次
- 1.基準価額とは
- 2.基準価額の主な変動要因
- 3.基準価額の見方と活用ポイント
- 4.基準価額に関するQ&A
- 5.【まとめ】基準価額とは|投資信託における意味・見方・活用ポイントをわかりやすく解説
基準価額とは
まずは、基準価額の概要と計算方法について解説します。
- ・意味
- ・計算方法
意味
基準価額(きじゅんかがく)とは、投資信託の価格のことです。
投資信託の取引単位は「口(くち)」で表され、基準価額は一般的に1万口あたりの価格を示します。
投資信託は、この基準価額に基づいて購入や売却(換金)が行われます。
基準価額は、原則として1営業日に1回、基準時点の資産価値を基に運用会社が算出します。
なお、基準価額の表示単位は投資信託によって異なり、一般的には「1万口あたり」または「1口あたり」のいずれかで表記されます。
計算方法
基準価額は、投資信託の純資産総額(総資産から負債を差し引いた金額)を総口数(投資信託の購入者が保有する口数の合計)で割ることで求められます。
1口あたりの計算式は以下の通りです(1万口あたりを求める場合は、10,000を掛ける)。
例えば、純資産総額が100万円、総口数が50万口の投資信託の場合、1口あたりの基準価額は「1,000,000÷500,000=2」で2円になります。
これに10,000を掛けると「2×10,000=20,000」となり、1万口あたりの基準価額は2万円です。
基準価額は純資産総額と総口数の比率で決まり、総口数が一定の場合、純資産総額が増えれば基準価額も上がり、減れば基準価額も下がります。
基準価額の主な変動要因
ここでは、基準価額の変動に影響を及ぼす、代表的な要素について解説します。
- ・投資対象資産の価格変動
- ・分配金の支払いによる変動
- ・運用管理コストによる変動
投資対象資産の価格変動
投資信託に組み入れられている株式や債券などの価格は、市場や経済の状況によって日々変動します。
これらの資産価格が上昇すれば、純資産総額も増加し、それに伴って基準価額も上昇します。
逆に、資産価値が下落すると純資産総額が減少し、基準価額も下がります。
基準価額は投資対象資産の時価の変動を直接的に反映する仕組みです。
分配金の支払いによる変動
投資信託の分配金は、基本的に純資産から支払われるため、分配が行われるとその分だけ純資産総額が減少し、結果として基準価額も下がります。
このように、分配金の支払いによって基準価額が下がる現象を「分配落ち」と呼びます。
なお、分配落ちによって基準価額は下がりますが、投資家は分配金として現金を受け取っているため、保有資産全体の価値が下がるわけではありません。
運用管理コストによる変動
投資信託の信託報酬などの運用管理コストは、信託財産(投資家から集められた資金)から日々少しずつ差し引かれる仕組みとなっており、その分だけ基準価額に徐々に影響を与えます。
運用管理コストが高いと基準価額の上昇にマイナスの影響が出やすいため、コストの確認も重要です。
基準価額の見方と活用ポイント
基準価額を活用する際に注意すべき点について解説します。
- ・過去と比較してパフォーマンスを把握する
- ・基準価額だけで判断しない
過去と比較してパフォーマンスを把握する
基準価額は日々変動しますが、1日単位の値動きで投資成果を判断するのは適切ではありません。
過去の基準価額と比較することで、価値の増減が明確になり、投資信託の成績や値動きの傾向をより正確に把握しやすくなります。
短期的な変動にとらわれず、長期的な視点でパフォーマンスを確認することが推奨されます。
基準価額だけで判断しない
基準価額は投資信託の価値を示しますが、前述の通り、分配金の支払いによって一時的に下がることがあります。
また、信託報酬などの運用コストも投資成果に少なからず影響を与えます。
そのため、投資信託の良し悪しを判断する際は、基準価額だけでなく、分配金の有無や運用コストの水準なども含めて総合的に評価する必要があります。
基準価額に関するQ&A
基準価額に関するよくある質問は、以下の通りです。
- ・投資信託の基準価額は高い方がいい?
- ・基準価額と株価の違いは?
- ・基準価額はいつ更新されますか?
投資信託の基準価額は高い方がいい?
投資信託は、基準価額が高いからといって必ずしも運用成績が優れているとは限りません。
基準価額はあくまでその時点の価格を示すものであり、過去に分配金が支払われていれば、その分一時的に下がることもあります。
また、運用開始時期や運用期間の長さによっても基準価額は変わってきます。
例えば、長期運用により基準価額が上昇することもありますが、それは運用成績や分配金の累積によるものであり、単に運用期間が長いから基準価額が高いとは限りません。
運用成績を正しく把握するには、基準価額の高低だけでなく、長期的な値動きや分配金の履歴、運用コストの水準など、さまざまな観点から総合的に検討することが重要です。
基準価額と株価の違いは?
「基準価額」は投資信託の価格であるのに対し、「株価」は企業が発行している株式1株あたりの市場での売買価格を指します。
両者の主な違いは、以下の表の通りです。
項目 | 基準価額 | 株価 |
---|---|---|
対象 | 投資信託の1万口あたり(または1口あたり)の価格 | 企業の株式1株あたりの市場価格 |
価格の決まり方 | 投資信託の純資産価値に基づき、1日1回算出 | 株式市場での売買によりリアルタイムで変動 |
取引単位 | 1万口(または1口)が基本 | 1単元(100株)が基本 |
価格変動頻度 | 通常1日1回更新 | 取引時間中は常に変動 |
価格変動要因 | 運用資産の価値変動、分配金支払い、運用管理コストなど | 企業業績、市場需給、経済指標など |
基準価額はいつ更新されますか?
基準価額は通常、1営業日に1回、投資信託の運用資産(株式や債券など)の時価を基に算出・更新されます。
投資信託の取引申込み締切(15時が多い)以降に、その日の運用資産の時価評価を基に計算され、証券会社や金融機関のサイトで当日夜から翌営業日にかけて公開されるのが一般的です。
更新の具体的な時間は投資信託や運用会社によって異なるため、詳細は各投資信託の目論見書や公式サイトで確認することが推奨されます。
【まとめ】基準価額とは|投資信託における意味・見方・活用ポイントをわかりやすく解説
基準価額とは、投資信託の1万口あたりの価格(または1口あたりの価格)のことです。
純資産総額を総口数で割って算出され、通常は1日に1回更新されます。
投資信託の価値を示す重要な指標であり、投資判断の1つの目安となります。
ただし、分配金の支払いや運用コストの影響も反映されるため、基準価額だけで運用成績の良し悪しを判断するのは適切ではありません。
長期的なパフォーマンスや分配金の履歴、運用方針など、複数の要素を考慮して総合的に判断することが大切です。
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